北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和六年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.12.14-2024.12.15)

2024-12-13 20:18:51 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 本日は十二月というよr十三日の金曜日という事ですが皆様ホッケーマスク対策とかいかがお過ごしでしょうか。

 くにさき細島工業港一般公開、今週末の自衛隊関連行事は一般公開されるものはこのひとつとなっています。細島工業港というのは宮崎県、そろそろ寒さも本当に厳しくなってきましたので、こういう宮崎県のような場所で艦艇広報といわれますと、ちょっと行ってみたくなるところなのですが。接岸するのは1号岸壁とのことでした。

 一般公開の時間は12月15日1300時から1600時までとなっていまして、1530時が最終受付となっていますのでご注意ください。くにさき艦内ではエアクッション揚陸艇なども搭載されたままのようですから、ウェルドックに巨大なLACAエアクッション揚陸艇が2隻ならんで鎮座している様子というのは、なかなかみることができない貴重さ。

 おおすみ型輸送艦の輸送艦くにさき、母港は呉基地で冷戦時代に海上自衛隊が一個連隊戦闘団を同時輸送する能力を整備するという主眼の元で整備され、あの当時は連隊戦闘団は戦車中隊と特科大隊を隷下に持つ重厚な編成であったのですけれども、普通科連隊の自動車化が遅れていたため、3隻おおすみ型があればなんとか可能でした。

 普通科部隊の機械化が始まると、おおすみ型は増強普通科中隊を輸送、と一歩下がった表現をしていましたけれども、しかし旅団普通科連隊という冷戦時代には無かった3個中隊を基幹とした普通科連隊が編制されるようになりましたので、輸送艦3隻にて普通科連隊戦闘団を輸送することは可能であり、腑に落ちないものの任務に適合していて。

 輸送艦艦内、3隻しかない輸送艦ですから見ることは機会が少ないのですけれども、どこまでみせてくれるかが楽しみというところで、陸上自衛官など同乗者居住区の三段ベッドとか食堂とか、こういった地味に思える場所のほうが一歩引いて滋味であったりするのです。また、ひゅうが型と比べると狭いが、全通飛行甲板も迫力があります。

 全通飛行甲板を採用した自衛隊艦艇は、おおすみ型輸送艦がはじめてのものでして、当時は空母だと騒がれたのですが、あんな狭い場所から発着できる固定翼機があったのかな、と皮肉られたものも今は昔、日本経済に余力があった頃に建造していたものが、例えば東日本大震災など様々な実任務で活躍しているという、先見の明の輸送艦だ。

 おおすみ型輸送艦は一番艦おおすみ建造は1998年と、防衛政策や安全保障環境が大幅に変容しています、当時は商船構造で安く建造すべき、なんていわれたものですが同時期に商船構造で建造された海外の例えばオーシャンなどは老朽化により早々と退役の道を歩んでいることを考えれば、逆に正解だったとも言えるのですけれども。

 輸送艦、しかし一方で、前述の通り安全保障環境が大きく変容しているものですから、次の輸送艦はもう少し搭載能力を増す必要が生じてきました。すると、まだ後継艦の計画は具現化する前の段階ではあるのですが、おおすみ型輸送艦、ちょっと遠いかたでも特急電車に乗って見に行く価値は大きいのではないかな、と思うところです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・12月15日:くにさき細島工業港一般公開

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-ドローンの脅威!FRV無人機対策は結局小銃によるしかないのかもしれない-ウクライナ軍の研究

2024-12-13 07:01:45 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 無人機対策は本邦でも重要な課題ですがかなり高価なスマートスコープを陸上自衛隊が調達しようとしている現在にウクライナより参考となる事例が。

 FRV無人機対策は結局小銃によるしかないのかもしれない、ウクライナの第一線について猛威を振るっているなかにあって、その生存方法を模索した結果、電子妨害装置など様々な方法が模索されているものの、これら妨害システムは必ずしも有効に機能せず、特に兵員殺傷を狙う無人機を最後の100mで迎撃するには小銃しかなかった、という。

 ワシントンDCに所在する海軍分析センター顧問サムベンデット氏の研究によれば、結局小銃以外には兵士が身を守る手段はないものの、一方で最後の距離でFRV無人機を防ぐことができるかは結局小銃手の射撃技量に左右されるとしつつ、この状況でFRV無人機を正確に操縦できるかについてもドローンオペレータの技量によるとしました。

 手探りの検討の中で、ロシア軍では現在小銃に多用されている5.45mm弾薬に銃弾を取り外したうえで散弾銃の弾薬から取り出した散弾ペレットを再装填した自作の対無人機弾薬を造っているとのこと、またロシア軍は小型無人機対策に一般的な猟銃で多用される12ゲージ散弾の使用を強化しているともウクライナ情報機関の情報分析があるようです。

 ウクライナ軍はFRV無人機への散弾銃試験結果を発表しました。これは第一線歩兵部隊に対する脅威となっているFRV無人機へ、これまで電磁波による妨害などが試みられていますが、最後の100mの段階に入りますと、無人機を防ぐにはやはり小銃手は小銃をもちいるほかない、という状況が再確認された為です。

 散弾銃として、イタリアのベレッタホールディングス系列であるスウェーデンの弾薬製造企業ノーマが参加しており、AD-LER対ドローン長距離有効射程弾薬を提供、この試験では距離50mで使用した場合、通常の散弾銃を用いた場合でも飛行している7機の無人機のうち6機に致命的な損害を与えて撃墜する事が出来たとしています。

 FRV無人機に対して散弾銃が有効であると考えられる背景には、特にこの種の無人機の母体として用いられているのが中国のDJI社製無人機であり、機体を安価に収めるべく薄いプラスティック製部品を使用しているため、スポーツ用の12g程度の弾丸でも簡単に破壊され、特に飛行中の無人機は不安定であり、簡単に無力化できるとしています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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