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ポーランドにロシア製ミサイル着弾!NATO北大西洋条約五条適用ならば第三次大戦の危機-アメリカは慎重調査

2022-11-16 12:55:10 | 国際・政治
■臨時情報-欧州情勢
 ポーランドのプシェボドフに日本時間昨夜2340時頃ミサイルが着弾し死者が出ました。

 ヨーロッパではルーマニアのデセル基地にNATOがイージスアショア弾道ミサイル防衛システムを設置、また過去にはポーランドへもイージスアショア建設が予定されていましたが、元々中東から欧州への弾道ミサイル攻撃を警戒し計画されていた一方、ロシアの反発により中止された背景があります、そのポーランドに今日ミサイルが初めて着弾しました。

 NATO加盟国であるポーランドにロシア製ミサイルが落下、国境から6.5km離れた位置にあり、落下したのは軍事施設ではなく農村ですが、この着弾によりポーランド国民2名が死亡しました。ロシアはこの際、ウクライナ領内に90発のミサイルを発射し、これはウクライナ侵攻後最大規模のミサイル攻撃となりました。この内際に着弾が在ったかたちです。

 ポーランドへの着弾は、仮にロシアからの故意の攻撃である場合、NATOは北大西洋条約五条に基づく集団的自衛権行使の要件を満たす可能性があり、この場合ロシアはウクライナとともにNATOと戦闘に展開することとなります、この意味するところは第三次世界大戦に他なりません。この為、戦端を開く前にアメリカは慎重に情報収集を進めています。

 情報は錯そうしており、バイデン大統領は日本時間1100時頃、ミサイルはロシアからのものとは考えにくいと表明しています。一方で、ポーランド政府は落下したミサイルの残骸を改修し、このミサイルはロシア製のものであるとポーランド外務省が発表しました。バイデン大統領の発言は早期警戒機等の情報に基づくものか、放言なのかは現時点で不明だ。

 ロシア製ミサイルというポーランド外務省の発表ですが、これはイスカンデル弾道ミサイルなのか、S-300グランビルミサイルなのか、クラブ巡航ミサイルなのか、ミサイルの区分についてポーランド政府からもNATOからも公式の発表はありません、そこで可能性としてS-300であれば対地ミサイルとして運用出来ますが、本来は地対空ミサイルというもの。

 イスカンデルミサイルやクラブミサイル、カリブルミサイルであれば今回の当事国ではロシア軍のみが運用していますが、S-300ミサイルであった場合、ウクライナ軍防空部隊も装備している為、可能性としてウクライナ軍が迎撃のために発射したものが流れ弾となった、湾岸戦争におけるペトリオットミサイルの流れ弾のような可能性は完全には否定できない。

 ポーランド政府は本日日本時間午前に国家安全保障会議を招集しました。ポーランドは1939年にソ連に侵攻された厳しい経験があり、ソ連政府と国家継承したロシア政府は今日に至るもポーランド侵攻と占領を正当化し続けており、謝罪していません。この為、今回のウクライナ侵攻は続いてポーランド侵攻に拡大する事をかねてより警戒していました。

 ロシア軍は今回何故ミサイル攻撃を行ったのか。ウクライナに対する攻撃はヘルソン市より撤退しており、これはヘルソン市が9カ月間に渡り占領していた地域であるとともに、今回のウクライナ侵攻後唯一占領できた州都でもあり、この奪還はロシアにとり大きな痛手となっていて、国内の戦意向上を目指し政治的に無差別攻撃を行った可能性はある。

 しかし、ロシアはNATO介入を希望しているとは考えにくく、一発だけ農村を攻撃する意図も合理的ではありません。すると第三次世界大戦は当面の間は回避できそうですが、ウクライナポーランド国境へのミサイル防衛部隊展開や、地対空ミサイルシステムのウクライナ供与などは、大きく前進するのかもしれません。現在この戦争は拡大しているのです。

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