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ウクライナ情勢-レオパルド1A5戦車110両引き渡し開始間近とロシア軍戦術核兵器ベラルーシ配備情報

2023-05-27 07:00:48 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 バフムト攻防戦がウクライナ軍の市域外への後退の一方で攻撃の主力を担ったワグネルが攻撃衝力を使い果たし交代するという状況下、春季攻勢の行方で気になる発表がありました。

 ドイツ政府からレオパルド1主力戦車110両の供与が開始される、ウクライナの駐ドイツ大使であるマケイエウ大使が24日に発表しました。供与されるのは第二世代戦車のレオパルド1A5戦車で、日本の74式戦車と同世代のものです。ただ、ドイツでは1990年代までに暗視装置を熱線暗視装置とする等、第三世代戦車の技術により改良が為されています。

 レオパルド1A5戦車は第二世代戦車ですが、105mm戦車砲は改良型砲弾によりT-72戦車などを正面装甲貫徹可能とされ、第二世代戦車は攻・走・守の三要素の内で技術的限界から二つまでしか充分な能力を有していませんが、攻撃力と機動力に重点を置いた優秀な戦車です。なお、大使がこのように発言している点ですが具体的日程は発表されていません。
■ベラルーシ核配備
 ロシア政府が発表していたベラルーシへの戦術核兵器配備がいよいよ開始されたもよう。

 ベラルーシへロシアからの戦術核兵器配備が実際に開始されました。これはベラルーシのルカシェンコ大統領が発言したもので、ルカシェンコ大統領自身がモスクワを訪問した際に、移転が開始されたので保管場所を準備する、と発言しています。ロシア政府は7月に移転するとして保管場所整備を行うとしており、かなり前倒しされた事を意味するもの。

 移転が開始されたので保管場所を準備する、これは保管場所が無いのに持ち込まれたのか、実際の核弾頭が持ち込まれたのではなく移転準備が具体的に始まっただけと二種類の解釈が成立ちますが、ルカシェンコ大統領は、移転が始まった可能性があるだけで実際に移転されたかは帰国した後で確認する、としており、確証或る情報ではないのかもしれません。
■クレムリン無人機攻撃
 攻撃に使用されたものは小型機でありウクライナ本土から投射した場合は到達は難しいでしょうが、特殊部隊等が近距離まで持ち込んだ場合は別です。

 クレムリンへの無人機攻撃へウクライナが関与した可能性、アメリカのCNNやニューヨークタイムズなど複数のメディアが3日に発生したロシア大統領府のクレムリンに対して2機の無人機が攻撃した事件について、ウクライナ側が関与した可能性があるという複数のアメリカ政府当局者の分析を報道しました。これは単なる憶測という訳ではないようです。

 クレムリン周辺の通信傍受を行った通信内容の解析から、無人機攻撃を予測できておらず、自作自演ではなく第三者による攻撃、という分析を行ったもよう。他方、ウクライナのゼレンスキー大統領が計画を承認していたかは不明であるようで、ニューヨークタイムズでは、ゼレンスキー大統領はしらなかった可能性が高いとの当局の分析を報道しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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