北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

警備隊による地域警備:動的防衛力整備下での基盤的防衛力維持の一案

2011-10-22 23:07:46 | 防衛・安全保障

◆東日本大震災直前に検討した事項

 東日本大震災以降、全国に自衛隊を一律に配置する基盤的防衛力を見直し、機動力を増強する動的防衛力への転換という議論は、将来の脅威に対処できない、として一旦終止符が打たれました。

Img_0481 全国に均一に部隊を配備するということは、特に専守防衛を国是とする我が国においては周辺自治体との連携体制や陣地構築などに備えての地誌研究といった地域に密着しての基盤を構築することが必要です。しかし、例えば第七師団と第二師団のような機動打撃部隊のみで編成した軍団、もしくはイラク戦争時代の米軍機械化師団のような部隊を北海道、本州、九州に配置し、中央即応集団にあたる機動性の高い部隊を東日本地区と西日本地区、南西諸島地域に配置し首都防衛集団のような部隊を編制することが出来るのならば、動的防衛力の意義はある程度あるのではないか、前者の場合戦車だけで1000両、後者の編成でも戦車だけで800両が必要になるのですが、考えたことはありました。

Img_3974 こうした場合、地誌研究や自治体との協同基盤醸成という普通科連隊が担った運用をどう置き換えるか、ということで、考えたわけです。一つは自治体との連携体制は地方連絡部の地方協力本部への強化というすでに実施されている方向性、地方協力本部長には連隊長相当の指揮官が充てられることが多いのですから、方策としてはありえたわけです。そして地誌研究についてですが、東日本大震災以前の日本において、当方が考えた施策としては、普通科連隊を基本的に警備隊で置き換えてはどうか、ということでした。

Img_6665 警備隊、対馬警備隊のような編成です。対馬警備隊は本部中隊と普通科中隊一個、そして駐屯地業務隊の機能を備えた後方支援中隊を基幹として編制、300名程度の部隊となっています。本部中隊を有している背景には、対馬警備隊は即応部隊として一個普通科中隊を有していますが、必要に応じて九州からの増援部隊を受け入れた場合に指揮能力を十分発揮するためには普通科連隊並みの本部中隊が必要、という配慮に基づき行われている施策です。

Img_4407 本部中隊ですが、普通科連隊の倍にも本部中隊は本部班、人事班、対射撃班といった本部機能に加えて、情報小隊、通信小隊、輸送小隊、衛生小隊、管理整備小隊、施設作業小隊が編成に含まれているとのこと、十年以上前の話ですので現在では異なっているかもしれませんが。情報小隊は斥候などにあたる部隊ですが、第七師団の戦車連隊や普通科連隊には偵察警戒車が装備されている事例があります。また、施設作業小隊は師団施設大隊の支援を受けずとも簡単な設営作業は行える能力が付与されています。加えて、旅団普通科連隊の本部中隊には連隊が重迫撃砲中隊を輸さない旅団普通科連隊の編成にあって、重迫撃砲小隊を有している事例があり、防空能力こそ携帯SAMだけではありますけれども、その能力を甘く見ることはできません。

Img_0392 警備隊を導入した場合対馬警備隊のような基本として一定以上の状況に際しては支援があるという前提ではなく、動的防衛力である機動運用部隊の展開までの即応能力と、一定の運用を介しての地誌研究をいう目的のもとに仮に警備隊として独力での能力を強化するのでしたら、例えば情報小隊に87式偵察警戒車2両を配置する、重迫撃砲小隊として120mm迫撃砲三門を置く、という手法はあってしかるべきでしょう。これら装備により、万一の際の維持能力はかなり高いものになりますし、この種の装備の運用への教育訓練体系の構築という意味合いもありその意義は大きいです。

Img_0787 普通科中隊は、諸外国の歩兵大隊の基幹部隊としての歩兵中隊ではなく、連隊の基幹部隊としての中隊という位置づけにある日本では、その編成は大きく、中隊本部に加えて、四個小銃小隊、迫撃砲小隊、対戦車小隊を基幹としています。小銃小隊も軽装甲機動車の配備が進むにつれてその能力は大きく、小隊本部と小銃分隊、機関銃分隊、対戦車分隊で7両の軽装甲機動車を運用、7両といいますが、並ぶと中々の威容でして、機関銃分隊のMINIMIはともかくとして対戦車分隊に装備される01式軽対戦車誘導弾は射程1500m、侮れない威力を持っているということ。

Img_0739 加えて、現在の87式対戦車誘導弾の後継として普通科中隊の対戦車小隊には中距離多目的誘導弾が配置されます。96式多目的誘導弾システムほど射程面での柔軟性は、データリンクを掃討充実させない限りありませんし、部隊規模での制圧能力にも差異があります、システムではなく誘導弾ですから、ね。しかし、この装備近代化により、87式とくらべれば、もちろん可搬性だけでみますと人力搬送が出来なくなっていますが、射程や運用面で大きく向上しました。81mm迫撃砲の射程も大きくなっていますし、中隊火力は一頃と比べ大きくなっていますから、一個中隊と侮ることもできません。

Img_0996 しかし、大きな難点があります。置き換えるべき普通科連隊は30以上、地方協力本部との連携を考えての都道府県を考えた場合地域の大きさもありますが50以上となる可能性もあり、300名以上の警備隊を30創設すれば一万前後の人員が必要となり、50とすれば乙師団二個分に匹敵する人員が必要に。こうしたなかで、動的防衛力にあたる重装備部隊を本当に充分確保する予算を捻出できるのか、ということ。機動運用部隊として三個機甲師団・三個機械化師団、そして軍団直轄火力、支援集団に二個即応集団。直轄部隊として首都防衛集団、警備隊を30から50個。必要な戦車は、装甲戦闘車は、装甲車は、自走高射機関砲は、自走榴弾砲は、ヘリコプターは、と考えると、やはり相当な予算的裏付けがなければ不可能でしょう。

Img_5398 十年ほど前には、機甲師団一個を除いた師団を全て旅団に置き換えた上で三個旅団と直轄機動打撃群を基幹とする大型の師団五個を編成、この師団と基幹として三個方面隊に再編して、方面航空部隊を集約した航空混成団を三個編成して、ということも考えていたのですが、現在の自衛隊の編成が相当熟慮に基づいて、編成されていると聞きますと今の編成が一番なのかなあ、とおもったりしていました。こうしたなかで防衛計画の大綱に動的防衛力、という概念が出たため構想してみました。もっとも、東日本大震災により基盤的防衛力を主として動的防衛力を構築する、基盤的防衛力の動的運用、という運用しか現時点ではありえない、ということにより、掲載は遅れに遅れてきたのですが。むずかしいものです。

北大路機関:はるな

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平成二十三年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.10.22-23)

2011-10-21 23:44:47 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 F-15増槽破裂事故ですが、航空自衛隊より中間報告が出ていました。しかし、長引きそうで訓練は大丈夫なのか、と心配になります。こうしたなかで今週末の行事を紹介。

Img_8866 今週末は、航空祭が盛りだくさんですね。特に小牧基地と浜松基地の航空祭。首都圏からも京阪神地区からも日帰り圏内の行事だけに迷うところです。小月航空基地や立川駐屯地でも行事が行われますので、晴天を期待したいところですが、しかし、日曜日は別として土曜日の天候が悪そうなのが気がかりですけれどもね。

Img_0879 那覇駐屯地祭、第15旅団創設記念行事。毎年行きたいと思う行事の一つで、写真は12旅団ですが、南西諸島の防衛を重視し、近年強化が続いている部隊です。混成団より旅団への改編に伴い偵察隊の創設と普通科連隊への拡大が行われ、軽装甲機動車などの配備も開始、空中機動も数は少ないものの重視されています。まもなく九州で北方からの支援を受け大規模な演習が行われるとのことですが、南西諸島防衛を考えるのならば15旅団の位置づけも検討してほしいところ。

Img_8408 小牧基地航空祭。C-130H輸送機を航空自衛隊で唯一装備しており、国際貢献任務等で活躍している部隊が展開、KC-767空中給油輸送機が運用されているのも、この部隊です。UH-60JやU-125を運用する救難教育隊もこの小牧基地に展開しています。最近行ってないなあ、とおもう行事。

Img_5075 浜松基地航空祭。T-4練習機を運用する第一航空団、そしてE-767を運用する警戒管制航空隊が展開しています。高射教導隊も展開していますので、これは今年度防衛予算より取得が開始されている基地防空用地対空ミサイル、陸上自衛隊の11式短距離地対空誘導弾の親戚が配備されていたらなあ、と考える行事です。実は順光条件で撮影しようとすると広報館側での撮影が理想的でして、しかし、そこから撮影すると地上展示の撮影は難しい、という。E-767の、高価な航空機とは思えないような機動飛行が見どころです。・・・、ちなみに前回はサンダーバーズが来日したので、シャトルバスの混雑を回避するために折り畳み式自転車で浜松駅から足を運びました。

Img_1460 小月航空祭スウェルフェスタ2011。T-5練習機を運用する海上自衛隊の航空基地ですが、いやあ、何ていうか盛り上がってるみたいだけれども、コスプレフェスタを実施する、との話。・・・、木更津のAH-1Sホブラと並んで、最近そういうの多いなー。自衛隊だから、ほむほむとか、セイバーが築城のF-15巻き込むとかの展示なのかな。

Img_6052 陸上自衛隊関連では日本原駐屯地祭も注目の行事です。土曜日に実施。第13戦車中隊、第14戦車中隊、第13特科隊、第13高射特科中隊が駐屯。展示が工夫されているようで、岡山県の山間部というところがなかったら、明日行くのですがね。写真は伊丹の10戦車の写真で代用。

Img_8148 立川防災航空祭。立川駐屯地は東部方面航空隊と第一飛行隊が駐屯しているのですが、政府が東京機能喪失に備え防災拠点を置いている要所。そこで駐屯地記念行意は例年、防災航空祭という位置づけで一般公開を実施。写真は立川に行ったことがないので八尾の写真で代用。

Img_1624 弘前駐屯地行事。これ、駐屯地は一般公開せず、弘前市内でパレードを実施する、という方向のようです。記念式典は弘前公園で実施、とのこと。弘前のパレードは例年行われているものでしたか、市街パレードというものも自衛隊史を紐解けばかなり実施されていたようなのですが、近年は自治体と警察と住民の理解がないと難しい、と。

Img_5383 山口駐屯地祭。第17普通科連隊が駐屯する駐屯地です。日本海側の駐屯地ということもあり、沿岸防備の重責を担っている部隊。先日の伊丹では米子の8連隊が小型無人機を展示していましたが、ああいった装備も展示されるのでしょうか、旅団普通科連隊は編成がやや小ぶりですが、どういった展示が行われるのか、興味はありますね。

Img_7292 小倉駐屯地祭。第40普通科連隊が駐屯している駐屯地で、関門海峡という重要地域を防衛管区にもつ普通科連隊。近接戦闘重視の先駆者となった連隊の一つ。普通科連隊行事は人員の動きに注目して近距離であっても超望遠ズームを使用すると、なかなか、という写真がとれることに最近気づきました。

Img_9958 竹松駐屯地祭、ホークミサイルを運用する第7高射特科群が駐屯しています。長崎県であのあたりは、大村航空基地から佐世保基地までのあいだ、駐屯地が密集していますね。高射特科群といえば青野原を一度見てみたいのですが、なかなか機会がなく、竹松、快速停まったかな。無論竹松はもっと遠いのですけれども、どこでもいいので高射特科群だけの駐屯地祭、いつか行きたいところ。

Img_4352 鯖江駐屯地祭。福井県唯一の駐屯地。第6施設群第372施設中隊が駐屯しているのですけれども、本当でしょうか、施設作業車が展示されるのだとか。施設作業車、75式装甲ドーザの後継で、様々な装備を備えた外見は非常に好きなのですが、なかなか配備が進まない装備、第一線部隊では東千歳の第七師団でしか見ていない装備です。

Img_4352_2 宇治駐屯地祭。補給処の置かれている駐屯地ですので、派手な展示はなく、装備品展示が中心の駐屯地祭です。京阪線が使える、・・・、しかし宇治線に乗り換えなければならないのが少々難点。補給処によってはフォークリフトなども展示されるようですが、近場なのに夏祭り以外行くことがない行事。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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新AIP潜水艦ずいりゅう三菱重工神戸造船所にて本日10月20日進水式

2011-10-20 23:11:00 | 先端軍事テクノロジー

◆そうりゅう型潜水艦五番艦、神戸にて進水式

 新しい潜水艦が神戸にて進水式を迎えました、そうりゅう型潜水艦の五番艦で、艦名は”ずいりゅう”です。そこで、舞鶴展示訓練にて撮影した潜水艦うんりゅう、その他の写真とともに掲載。

Img_7318 2011年10月20日 海自潜水艦の進水式 三菱重工造船所、神戸 神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で20日、海上自衛隊の潜水艦(2950トン)の命名・進水式が行われた。「ずいりゅう」と名付けられ、2013年3月に横須賀基地(神奈川県横須賀市)か呉基地(広島県呉市)のいずれかに配備される。

Img_5724 海上自衛隊によると、ずいりゅうは全長84mで、長時間潜水できる「そうりゅう型」。この型の潜水艦には想像上の動物の名前を付けることになっており、漢字で書くと「瑞竜」。進水式には防衛省や三菱重工の関係者ら約260人が参加。日本酒の瓶を船体にぶつけて割り、船体を水面に下ろし進水を祝った。今後、四国沖の太平洋などで試運転するhttp://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2011/10/20/24sub/

Img_7323 この潜水艦は、従来のディーゼル発電機による電力をバッテリーに逐電して航行する潜水艦と異なり、潜航中であっても搭載するケロシンと液化酸素により動力を得て推進することが可能なAIP潜水艦となっています。ディーゼル発電機の場合、発電には浮上し空気をトリオむ必要があったためこのシュノーケル部分がレーダーに発見されやすい致命的難点があり、AIP潜水艦はこの難点を解決した推進方式を有しています。

Img_8463 このAIP方式は開発したスウェーデンによりスターリング機関方式と呼ばれており、このほかにAIP方式として燃料電池を用いる方式などが開発されています。海上自衛隊では艦内に可燃物として危険性があるスターリング方式を採用しましたが、設計の古さの一方で1980年代より、このスターリング機関方式の運用研究を実施しており、近年の新技術と比較し手馴れている、という利点はあるといえましょう。

Img_9282 新潜水艦ずいりゅう、はこのAIP方式を採用したそうりゅう型潜水艦の五番艦にあたり、特筆すべきは搭載する電池が四番艦、くわえてそれ以前の、おやしお型潜水艦、はるしお型潜水艦にもちいられた鉛電池方式からリチウムイオン電池方式に改められており、水中航行性能が向上している点が挙げられます。

Img_8490 他方で昨年確定された新しい防衛計画の大綱においては、潜水艦勢力を現在の16隻から最終的に22隻へと増勢する構想で、建造配分はこれ以上強化することが出来ないことから既存潜水艦の艦齢を延長することとなります。構造上は問題ないのですが戦闘指揮能力等で大きな差異がありこの点、新造とともに如何に対応するかには、興味が尽きません。

北大路機関:はるな

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ソマリア沖海賊対処第十次派遣水上部隊派遣 経団連は派遣部隊増強を提言

2011-10-19 23:48:07 | 防衛・安全保障

◆根本となる護衛艦隊増強が必要ではないか

本日、護衛艦くらま、が横須賀基地よりハワイへと出港しました。

Img_9094_1平成23年度米国派遣訓練として本日10月19日より12月5日まで、護衛艦くらま、は第二護衛隊群丸澤司令指揮下においてハワイ周辺海域の洋上訓練設備、およびハワイの陸上訓練施設を用いてその能力向上を図る訓練に展開します。今月31日にパールハーバーへ入港。来月21日にパールハーバーを出港し佐世保に帰港します。先週11日には同じ横須賀基地より海賊対処任務第十次派遣水上部隊が出港しており、海上自衛隊の任務範囲と任務水準は高まるまま推移している、というところでしょうか。

Img_861710/13日付 ニュース トップ 海賊対処10次隊 「たかなみ」など出発 :神風政務官 「高い士気で任務を」・・・ アデン湾で民間船舶の護衛活動を行っている海自海賊対処水上部隊の交代のため、10次隊として護衛艦「たかなみ」(艦長・米丸祥一2佐)、同「おおなみ」(艦長・吉野敦2佐)が10月11日、横須賀から出発した。10次隊は6護隊司令の水間貴勝1佐を指揮官に人員は約370人で、海上保安官8人も同乗している。 横須賀基地で行われた出港行事には、神風政務官や河村横須賀総監らが出席。

Img_6747派遣隊員を前に神風政務官は「これから諸君が就く護衛任務は、『人類共通の敵』海賊と闘い、海上交通路に安寧秩序をもたらす非常に尊いもの。高い士気をもって任務に励み、無事帰国を祈念する」と訓示した。 両艦は乗員が舷側に登舷礼式で整列、隊員や家族らの声援を受け離岸した。2隻は約3週間かけてアデン湾に向かい、9次隊(指揮官・大判英之1佐以下約400人)の護衛艦「さみだれ」(艦長・内藤裕之2佐)、「うみぎり」(同・佐藤正博2佐)から任務を引き継ぐhttp://www.asagumo-news.com/news/201110/111013/11101304.html

Img_9233ソマリア沖海賊対処任務ですが、民主党政権交代当初には海上保安庁に移管するべきとの提言があり、そもそも海賊の武装や船団護衛の方式はもとより各国海軍の指揮通信体系と海上保安庁巡視船がどの程度合致するのかも考えられないまま案のみが出されていた印象があったのですが、政権交代後時限立法措置であったインド洋対テロ海上阻止行動給油支援が終了するとともに、海賊対処任務に関しての継続の方針が打ち出され、今日に至っています。

Img_6592根本的な問題としてソマリアの海上治安機構の未整備と、何よりも海賊講堂には知らせる経済的要因というものがあることに着目すれば、ソマリア復興人道支援をアフリカ連合などを主体として実施するよう外交的経済的に示唆することが日本の役割、と考えているのですが、海賊発生の根本的要因への取り組みという姿勢は示されないまま、いわば出口戦略がない、いつまで護衛艦をアフリカ沖に常駐させなければならないか見通しが立たない状態での部隊派遣任務は継続しています。

Img_6612こうした境遇ではありますが、海上自衛隊による海賊対処任務は各国海軍が哨戒に重点を置いているのに対して、船団護衛というかたちで船団を安全海域に置いて編成し、その前後を護衛艦が警護し、航空機による哨戒を実施するという手堅い方式を日本は採用、現在のところ護衛対象の船舶に対する海賊被害は皆無、という状態を維持しています。他方で、海上自衛隊には海賊対処という実任務艦以外に領域警備として護衛艦の遊弋を行うことで周辺国に対する抑止力としているのですが、ここにしわ寄せが生じている現実もあるようです。

Img_0404近年任務増大によりとある海域を巡回範囲外としたところ、その海域に周辺の某国の水上戦闘艦艇が出現するようになり、懸念事項となった事案もあると聞きました。海上自衛隊は護衛艦に関して常時二隻のソマリア近海遊弋を継続していることから、常に次の派遣に備えた同数の護衛艦を訓練に置き、場合によっては交代の護衛艦との回航中を含め洋上に四隻と訓練で二隻という、護衛艦隊の二割に近い水上戦闘艦を派遣もしくは待機させなければならない状況もあり、自衛艦隊直轄護衛艦の沿岸警備任務拡大とともに海上自衛隊全体への負担は少なくないのが現状です。

Img_7338経団連、ソマリア沖海賊対策強化を提言2011.10.15 05:00・・・ 経団連は14日、近年被害が急増しているソマリア沖の海賊対策の強化を求める提言を発表した。現在自衛隊が派遣している2隻の護衛艦と2機の哨戒機の拡大を要望。給油用の補給艦派遣や現在は認められていない外国船籍への給油が可能になるよう法的な整備も求めた。日本船籍の船舶に武装した自衛隊員や海上保安庁職員を同乗させ警備を強化すべきだとしている。 同時に海賊発生の原因になっているソマリアや周辺国への支援も必要としている。

Img_8637アジアと欧州を結ぶソマリア沖のアデン湾は海上交通の要所で、原油タンカーや輸出用自動車専用船など年間5000隻を超す日本関連の船舶が航行している。近年、この海域で武装して船舶を襲撃し、数億円単位の身代金を要求する「海賊」が多発。発生件数は2007年の44件から10年は219件に急増。今年は上期だけで163件に達し、9月2日時点で23隻の船舶が拘束され349人が人質になったhttp://www.sankeibiz.jp/business/news/111015/bsg1110150502000-n1.htm

Img_3865 しかし、経団連は派遣部隊の増勢を要請しています。上記のとおりの事情があり、仮に海賊の出現が台湾海峡や南シナ海であれば、自衛艦隊直轄護衛艦の派遣も可能になりますし、何より距離的な面での派遣に伴う支障が緩和されます。ですが、現在派遣されているのは東アフリカ沖、哨戒ヘリコプターを飛行させなければならないため基本的にミサイル護衛艦は派遣できませんし、もっともミサイル護衛艦の一部には弾道ミサイル警戒での遊弋という任務もあるのですが、加えて自衛艦隊直轄護衛艦は航続距離の観点から派遣することはできません。

Img_9072 すると、経団連は派遣部隊増勢ではなく、本来は護衛艦隊の増強を直接要請するべきではないか、と考えます。そもそも、経団連は通商活動を円滑に行う観点からの必要性を説いているのですから、特に南西諸島に対する圧力が加えられている現状において、こちらの警戒を放り出して派遣する、ということはできません、結局はアフリカ近海での通商活動を円滑と出来ても日本近海でそれが途絶するような状況が発生しては無意味だからです。すると護衛艦は不足する、したがって増強をダイレクトに要請するのが妥当なのではないでしょうか。

Img_3778 これは南スーダンPKOについての昨日の記事でも記載したことですが、元々海上自衛隊にはアフリカ近海にまでシーレーン防衛を想定した能力の整備は求められていません。求められていないことから整備する必然性はなく、護衛艦定数も日本近海、この近海の葉にが延伸していることはあるのですけれども、その限られた範囲内での任務に対応する装備と人員しか、特に予算面で認められていないわけです。それならば、例えば防衛計画の大綱などにおいて、”アフリカ沿岸を含む広範なシーレーン防衛を継続的に実施するに十分な規模の艦隊を整備する”、という一文が加えられるよう、施策を行うべきなのではないでしょうか。

北大路機関:はるな

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南スーダン自衛隊派遣、野田総理は最終調整段階に入っていると発言

2011-10-18 23:03:25 | 防衛・安全保障

◆装甲戦闘車、航空機の増強が必要

航空観閲式において野田総理はソマリア沖海賊対処任務拡大と南スーダンPKO派遣部隊最終調整に触れ、今後の自衛隊の役割が大きくなる事を述べました。

Img_3029施設部隊のアフリカ派遣、Weblog北大路機関では過去に幾度も触れたのですが、そもそも自衛隊はソ連軍の本土侵攻に備えた専守防衛という冷戦型の編成を維持しており、アフリカでのPKOは想定していません。NATOは特にアフガニスタンなどでの任務や北アフリカ地域での任務に対応していますが、NATOと比べ日本からアフリカは根本的に距離が異なりますから、この点は留意が必要でしょう。

Img_0551 国連からの南部スーダンへの派遣要請は過去にもありました。南部スーダン独立の可否をめぐる選挙が行われる際にも国連は輸送部隊の支援、投票支援の名目でCH-47輸送ヘリコプターを派遣してほしいとの要請がありましたが、当時は自衛隊の能力的に考えて不可能であるとの指針が出されました。その後自衛隊の海外での活動能力が抜本的に改善されたという話は聞いませんが、今回の決定の経緯は説明されねばなりません。

Img_1699 ただし、南スーダンへの派遣は、一応国益という観点から考えた場合、全くゼロではありません。石油埋蔵量が豊富であることと、これまで日本を含めた欧米は人権問題を有する国との資源取引を禁止してきましたので、これまでは中国のような国以外は資源外交の対象とすることができませんでした。しかし、南スーダンがスーダンと異なる民主的な国家として成長すれば、交易相手国として国際関係の展開が可能となります。

Img_2142 福島第一原発事故を契機として日本では今後、再度化石エネルギーへ依存しなければならない時代の到来を意味することとなりましたから、特に今世紀は資源総量という供給量に対して20世紀からの途上国開発が功を奏したことに起因する経済成長の度合いという需要が上回っているという現状にありますので、日本が国家として存続するためには資源確保は極めて重要になります。要はそうした重要施策ではあるのですが、現状の予算や装備、部隊と人員規模では不十分だ、ということ。

Img_1852 アフリカ派遣、NATO軍は距離的な面もさることながらワルシャワ条約機構軍との全面戦闘を想定した重厚な補給基盤と共通部品プールを有していますから日本とは派遣の難易度が全く異なるのです。国土での任務を想定した自衛隊は、補給車両一つとっても日本の道路交通法の制限から決して大型ではなく、しかも総数も少なく、限られた予算は正面装備にまわされています。

Img_6006 しかも、アフリカ地域での任務、それも内陸部である南部スーダンを任務地域として考えた場合、輸送調整拠点として中継地を設定しなければなりませんし、補給線は果てしなく延伸します。加えて自衛隊はかつて18万の人員を有していたのも昔の話、冷戦後一貫して規模を縮小してきましたが、北方ソ連の脅威は薄れたものの西方と南方に脅威が顕在化し、大規模災害への懸念も忘れてはなりません。要するに自衛隊の規模と予算からは限界を超えている、ということ。

Img_1431
 また忘れられていることなのですが、施設科部隊の警戒に当たる普通科部隊について、冷戦時代は機甲戦闘で正面から衝突するには日本の能力では限界があり、地形防御に依拠した防衛戦闘を想定していましたので根本的に装甲車が不足しています。他方で、国際平和維持活動では輸送部隊警護や作業地域安全確保という観点から装甲車の需要は大きく、冷戦時代と比べ装輪装甲車の充実には取り組んでいるのですが、数は不足しています。

Img_4423 NATOでは10式戦車に匹敵する重量を誇るプーマ重装甲車や40mm機関砲を搭載したCV-90装甲戦闘車やその派生型の装備化を冷戦後も続けていますが、この背景には国際平和維持活動への派遣という要素も大きく含まれています。南スーダンはスーダンが有力な機甲戦力を有していることから万一の際には非常に懸念が必要な状況となることが予想され、陸上自衛隊には89式装甲戦闘車は僅か、この状態で派遣というのは腑に落ちません。

File0092 装甲戦闘車、今後の派遣を考えたならば各方面隊にFV大隊を方面直轄部隊として編制し、中央即応集団にも第二中央即応連隊を配置し装甲戦闘車を配備する、C-2輸送機での空輸が可能である重量に収まっていますので第一空挺団にもFV中隊があってもいいのではないか、都合15個中隊所要220両程度は増強という選択肢はあってもいいのではないでしょうか。

Img_6037 施設部隊派遣、と簡単には言うのですが護衛や状況悪化への備え、補給線、派遣地域での他国部隊との共同、これらを考えますと安易木に県な地域に、それも特に距離が大きすぎることによる負担の増大というリスクを背負って出す前に、例えば中央即応集団を強化して海外派遣に際しての輸送調整を行う国際任務集団の創設や、輸送能力の強化があってしかるべきであろう、そういう信念が必要です。

Img_2071 このように考えてみますと、むしろ、災害という危険性や専守防衛という任務需要から決して十分とは言えない施設部隊を展開させるよりは、むしろ平時においてはまだ数に余裕があるとされた戦車部隊を、そのまま従来の規模を維持し、停戦監視として中隊規模の戦車を派遣した方が、とも考えます。むしろ、施設部隊よりは機甲部隊と特科部隊が装備の近代化度合では優先されてきた、という事情もありました。

Img_0288 また、予算不足ということで調達が見送られてきている戦闘ヘリコプターですが、海外での自衛隊の活動を考えるならば、特に情勢が悪化した場合には航空打撃力も重要となってきます。中ぷ即応集団への配備とともに、考えるべきでしょう。失礼な話かもしれませんが、アフリカへの派遣は政治的な必要性としては反対しません。しかし、派遣するには装備も人員も部隊も対応していない状況があるのです。これは是正されるべき、そう考えるのですがどうでしょうか。

北大路機関:はるな

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中部方面隊創設51周年・伊丹駐屯地開庁60周年記念行事:速報

2011-10-17 23:09:58 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆伊丹駐屯地祭2011

最近のコンパクトデジカメの性能は凄いなあ、というのが何度も思う印象。超望遠が絶対必要、という状況を除けば、EOS7D&G-12という体制が確立しつつあります。

Img_4340 荒川龍一郎中部方面総監が部隊を視閲する。中部方面隊創設51周年、伊丹駐屯地開庁60周年記念行事へ足を運んでまいりました。まだEOS-7Dの写真は整理中の段階ですので、本日はコンパクトデジカメG-12で撮影しました写真の方を紹介。前日まで雨が、いや京都市内では当日の三時までかなりの雨量がりましたので、雨天行事かな、と危惧し、超望遠などは置いて行ったのですが、快晴になりました。

Img_4365 中部方面総監、先の火箱総監も陸幕長を務められましたが、前東北方面総監の君塚陸将は、折木総監時代に中部方面隊幕僚長を務めておられた、とのこと。折木総監が統幕長を務めている今年三月に、君塚幕僚長が東北方面総監を務めている東日本を、ということになります。一貫した人事体系、というものの端的な表れでして、こもともと総監と幕僚長という関係だったからこそ、スムーズに行った、なるほどなあ、と感心してしまいました。

Img_4391 中部方面隊には51周年という始まりの年であると共に伊丹駐屯地は60周年という節目の年。式典には中部方面隊隷下の第三師団、第十師団、第十三旅団、第十四旅団より各一個普通科連隊が代表部隊を参加させたほか、師団旅団、方面隊直轄部隊より人員900名、車両140両、航空機13機が参加、式典、観閲行進、訓練展示、装備品展示と行われました。

Img_4407 第33普通科連隊の観閲行進。伊丹駐屯地祭、河原町から阪急で450円という近場にあるのと、先週の第七師団創設記念行事の開門時間ということもあり、時間を完全に間違えて開門0800と思い込み、0731時には阪急伊丹駅に進出していたのですが、シャトルバス待ちの案内も無し、そこでしまった0900時からだったか、と気づきました次第。それならば、塚口でゆっくりコーヒーでも楽しめばよかったと反省しましたね。

Img_4397_2 第十四偵察隊。軽装甲機動車の装備により普通科部隊、偵察部隊の変化は特筆に値するものですが、偵察は斥候と異なり一定の戦闘を以て的勢力の水準を解明するものですから、今後陸上自衛隊の装甲化が進むことを踏まえれば105mm砲を搭載する機動戦闘車の配備が望ましい、一方で25m機関砲を搭載する87式偵察警戒車のような車両は、装甲戦闘車の不足を補完する形で普通科中隊の対戦車小隊に対戦車ミサイルの補完として装備があってもいいのかな、と思ったりします。

Img_4418 第三特科隊のFH-70榴弾砲。FH-70は、非常に高性能な榴弾砲として欧州で開発が進められたものの効果になりすぎ、結局欧州で普及せずNATO加盟国でも未だに旧式化したM-1榴弾砲、陸自がFH-70の前に使っている野砲を改修して運用している国もあるほど。牽引しいということで安価な火砲と勘違いされるのですが、半自動装てんや瞬発射撃能力で秀でたものがあり、後継として来年度より開発が本格化する火力戦闘車にも相当の性能が求められることになるでしょう。そもそも自走榴弾砲よりも戦略機動性と長期運用での生存性が重視された背景のある装備ですから、変な話99式自走榴弾砲の砲塔システムを重装輪回収車の車体に、というコンセプトでもいいのかな、と。

Img_442403式中距離地対空誘導弾の観閲行進。”有効”射程が従来のホークミサイルよりも延伸した、というこの装備は管区が非常に広く京阪神中京地区を抱える一方で一個群しか方面高射部隊を持たない中部方面隊にとり、需要な装備、これを見たくて遠方から、という方もいらしたほどです。そういえば、来年度予算に特殊トラックとして本装備の車両部分を汎用化したものが二両三億円で要求されていました。少々高いですが、開発開始となる火力戦闘車含め将来装備の重要な部分を担う装備となるやも。

Img_4481 第四施設団の92式地雷原処理車。本車と75式装甲ドーザは最前線で運用する戦闘工兵用の装備で、本来は師団施設大隊や旅団施設中隊に配備し、方面隊は建設工兵に特化するべき、と思うのですけれども、昨今は師団と旅団からこれら装備が方面隊に移管されているとのこと。連隊戦闘団を編成した場合の施設中隊や施設小隊への装備の難しさは認めるのですが、それならば全ての師団施設大隊や旅団施設中隊に行き渡るような戦闘工兵用の障害除去用装備の開発と配備が必要と考えるところです。

Img_4440 中部方面情報隊の行進。中部方面移動監視隊、中部方面無人偵察機隊、観閲行進に参加しているのは移動監視レーダ装置。とにかく海岸線が長く、そして対岸に安全保障上の脅威を抱える中部方面隊ではこの種の装備は必要不可欠。無人偵察機は二機程度といわれ小ぶりな部隊という印象もあるのですが先日東千歳駐屯地祭に足を運んだ際に駐車場よりかなりの数の第一電子隊所属車両が置かれていまして、職種は違いますが中部方面情報隊も指揮官は1佐が充てられているようですし、今後増勢される可能性も高い部隊かもしれません。

Img_449274式戦車の観閲行進。耐用年数から考えるに平成20年代末期には全て用途廃止となり最新鋭の10式戦車に置き換えられる予定ですが、富士教導団戦車教導隊にも中隊が配置されていない現状、延命改修を行わなければならない羽目に陥るのでは、と少々不安ながら一方で戦車らしい形状には親近感を抱きつつ去就を見守っている装備です。将来装輪装甲車体系や機動戦闘車、火力戦闘車の配備が進めば正面装備の面で大きく様変わりするのでしょうね。

Img_4501祝賀飛行、航空学校からAH-64D戦闘ヘリコプター二機が加わり、海上自衛隊舞鶴航空基地からもSH-60が飛行に加わりました。こののちの模擬戦では、第十師団vs第三師団、という表現のような状況の展開となったのですが、昨年度の失敗から今年度は手堅い位置から撮影、結果はご想像にお任せします。続いて昨日掲載のイージス艦ちょうかい一般公開へ足を運んだ、という次第です。

北大路機関:はるな

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堺港護衛艦一般公開 ミサイル護衛艦ちょうかい、佐世保基地より入港

2011-10-16 22:11:07 | 海上自衛隊 催事

■イージス艦一般公開

 本日は堺港で行われたミサイル護衛艦ちょうかい一般公開を見学して参りました。例によってコンパクトデジカメの写真を掲載。

Img_4537  ちょうかい、こんごう型ミサイル護衛艦の四番艦でイージスシステムを搭載、第二護衛隊群第六護衛隊に所属する護衛艦で、満載排水量は9500t、あたご型や、ひゅうが型護衛艦が就役するまでは海上自衛隊最大の護衛艦として佐世保基地から睨みを利かせ、今なお、弾道ミサイル防衛など本型でなければ不可能な任務を担いつつ今日に至ります。

Img_4542  それにしても驚いた、物凄く混雑していたから。そういうのも、昨年にヘリコプター護衛艦ひえい一般公開を土曜日に堺港で撮影した時は本当に来場者も多くはなく、ゆったりと見学できたのだけれども、今回は手荷物検査を経て乗艦するまで35分ほどかかっています、凄いですよね。

Img_4540  日曜日、ということもあるのでしょうか、今回足を運んだのは少々出遅れての時間帯でした。そういうのも、午前中は伊丹駐屯地中部方面隊応接記念行事を撮影していましたからね。今年度は8連隊が無人機を持ち込んで一般公開、というのが驚きました。そのあと、一通り撮影して、それから毎回お世話になっている方が堺港へ、というので是非当方も、と同行しました、というわけ。

Img_4548  ちょうかい、舞鶴展示訓練では乗せていただいた思いである護衛艦、というだけではなく、このWeblog北大路機関の扉絵に使われている写真、自衛艦旗の下に邁進する勇壮なっ護衛艦はこの護衛艦ちょうかい、だったりするのでして、そういう意味で思い入れのある一隻、この一隻なくして北大路機関は語れません。

Img_4552  こうして撮影を終え、堺駅まで送っていただいた後、普通電車乗車後にいきなり新型サザンが回想でやってきまして、続いてもう一本新型サザンが特急運行で、難波から淀屋橋に移動したら今度は京阪が8030特急だったり、いろいろあり、充実した一日でした。これから夕食に行くので、取り急ぎ記事としました次第です。

北大路機関:はるな

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JR北海道ブルートレイン北斗星・寝台特急カシオペア・寝台急行はまなす

2011-10-15 18:11:23 | コラム

◆広大な北の大地と上野・青森を結ぶブルーの客車

 北大路機関鉄道特集、昨夜は大きな記事になってしまったので本日は少々肩の力を抜いて北海道で撮った夜行列車三本。

Img_3415 ブルートレイン北斗星。上野と札幌を結ぶ寝台特急で、青函トンネル開通とともに誕生した最も新しいブルートレイン。食堂車、ロビーカー、個室寝台を併せ持つ編成で、一度は乗ってみたい、と見るたびに思わせてくれる特急です。しかし、運行時間帯が、特に目的地到着が朝一とはいかないのが難点。

Img_3413 北斗星、くだりは1903に上野を発車するのだけれども、函館到着が0635、そして札幌到着が1115なので、実は少々使いにくいのが難点。あと三時間早ければ、と思いつつ。札幌からののぼり列車は1712に札幌を発車、仙台に0454に到着し、宇都宮に0810、上野には0938に到着するという運行になっています。

Img_3296 寝台特急カシオペア。ダブルデッカー車で構成され全て二人用個室A寝台という、現在日本で最も豪華な寝台特急。上野と札幌を結んでいるのだけれども、移動を楽しむという運行に特化している特急で、展望車なども備えていて、いっそのこともう少し円著運転してみても需要はあるのではないかな、と思う編成。

Img_3322 北海道でなければ、寝台特急のDD-51機関車による牽引は見ることができないので、多少無理してでも撮影する。ちなみに、南千歳駅で夕日がきれいだったので途中下車して千歳基地を、と先日掲載しましたが、同時にまもなくこのカシオペアがやってくる、という事情があったりもします。

Img_3527 寝台急行はまなす。札幌駅の銀座ライオンで、当方、日本で一番旨いと信じる北海道限定のビールを飲みながら待った夜行列車で、座席からカーペットカー、そして寝台車という個性溢れる編成で、札幌を2200時に出発し、青森駅には0540時に到着する利便性の高いダイヤで運行されているのが特色。

Img_3544 青森駅は札幌から近いという印象を持つ人もいるようだけれども500km近く離れている、しかし、急行料金の上限は1260円となっているので、思ったよりも安価に移動できる、というのが利点。こういう編成で、夜行急行銀河が運行されていれば、と思うような編成。

北大路機関:はるな

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10月14日は鉄道の日 鉄道と日本社会の関係と将来を考える

2011-10-14 22:25:07 | 北大路機関特別企画

◆鉄道とともに歩むために
本日は鉄道の日、鉄道が日本で初めて新橋から横浜までの区間の運行が開始された日を祝しての記念日です。

Img_0543毎年のことですが、鉄道について少し考えてみましょう。鉄道は日本において最も安定した大量輸送機関であることは疑いのない事実です。これは東日本大震災に際してマグニチュード9.0という未曽有の大地震に際しても新幹線が脱線しなかったことで端的に見て取れます。

Img_2_711しかし、その意義については、特に鉄道事業者への参入が国土交通省により厳しく、その始まりの鉄道省の時代より制限されてきた事により、語弊はあるかもしれませんが実質的な保護企業として価格競争にさらされなかったことも事実ではないでしょうか。

Img_2_098無論、運賃体系に至るまで近年まで自由化からほど遠い場所にあり、しかも廃線も含め自由化されたのは近年であるのですから保護産業としてと同時に公共交通としての厳しい制約が加えられていたことも事実ではあるのですが、競合という意味での変化はありました。

Img_3_512例えば、日本における格安航空会社の台頭と、夜行高速バスの普及。特に格安航空会社はその航空券購入時期によっては相当安価となり、夜行バスも寝台特急とはその居住性について比較にならないのですが、いわゆる夜行急行や夜行快速を絶滅寸前に追い込んでいます。

Img_2_472無論、格安航空会社は新幹線のような切符購入即乗車というようなサービスには程遠く、夜行バスにしても新幹線であれば夜半前に目的地に到達できるという利便性はあります。そういう意味では鉄道の地位は安泰ということもできるかもしれません。

Img_8_025しかしながら、競合相手の台頭という現状は、特に旅客需要全般が伸び悩んでいるという現状にかんがみた場合、如何に保護と規制の中間にある均衡という現状を差し引いても鉄道、これはその地位が将来にわたっても安泰ではないことを示しているのではないでしょうか。

Img_6513競合、というものの存在は特に考えなければなりません、例えば古くは太平洋高速旅客船航路が航空航路の台頭により廃止へ追い込まれたことに端を発し、近年では高速道路休日割引の影響によりフェリー航路の廃止が相次いだことを思い出すことができます。

Img_3569この点、昨今の整備新幹線の点が可能性の一つとして挙げることができるかもしれません。北陸新幹線の整備や中央新幹線の整備は東海道新幹線の補完という意味で重要性は大きいのですが、たいして夜行列車体系への打撃という問題点を無視することができないのです。

Img_3549具体的には夜行輸送需要には相応の需要があり、これは必ずしも昼間輸送の需要と合致するものではありません。また、東海道新幹線のぞみ号増発が東京名古屋間の航空航路を廃止に追いやったように潜在的に航空航路と競合するのが新幹線、こういう構図が成り立ちます。

Img_0216したがって、新幹線の運行路線の拡大は競合する航空航路との重複地域が拡大化することを意味していますから、これは必然的に格安航空会社の台頭が脅威となる可能性は高いといえるでしょう。また同時に鉄道移動という概念そのものに夜行列車減退に乗じて成長する高速バスの影響も少なくはないでしょう。

Img_2064完全に利便性も含めて置き換わるのであれば、例えばぜんじゅつした旅客船と旅客機のような関係のようなものが成り立つのでしたら問題は少ないのかもしれませんが、双方に一つの利便性を有していますので、共倒れ、という構図だけは最も避けなければならないところです。

Img_9_690他方、現在の社会基盤は高頻度運転に依拠した鉄道交通網に合わせ、人とモノの移動に高いものを求めています。こういう意味から共倒れ、というmおのは避けなければなりませんから、料金体系や鉄道に対する政治による支援というものも含め総合的に考えてほしいと希望します。

Img_3366さて、都市交通としての鉄道ですが、昨今の都市部集中、即ち自動車離れという言葉に代表されるように自動車の維持設備を排して利便性の高い地域への、いわば都心回帰という趨勢があるようです。これは、自動車離れの事由として、いわば自動車業界からは問題視されてはいるようですね。

Img_9484この点で、確かに通勤輸送では京阪神地区や首都圏などでは自動車に対して鉄道は圧倒的な地位を担っています。京都から神戸へ阪急やJRだれば通勤は容易なのですが、自動車で、となりますとこれは少々距離的、所要時間的に厳しいものがあります。

Img_4201ただし、中京地区では、唯一の大手鉄道である名古屋鉄道が最も競合相手となったのが、名古屋市に拠点を持つトヨタ自動車に代表される自動車文化、というものが挙げられまして、これに対応する形でかつてのパノラマカー、現在のパノラマSuperのような車両アコモに優れた列車が必要とされた、そういう構図がありました。

Img_5392しかし実際のところ、自動車保有と通勤輸送における直接の競合関係というものは未知数です、何故ならば自動車はそのまま通勤手段となりえるわけではなく、日常的な都市間移動に鉄道、それ以外の移動に自動車、というものがあり得るわけでして、そういう意味で郊外と都心を結ぶ鉄道の位置づけはあります。

Img_4107 こうして考えますと、郊外と都市中心部を結ぶという意味での鉄道の意味は大きく、逆に人口の都心集中という結果は、必ずしも鉄道の輸送需要を伸ばすものとはならないわけです。そうした視点から自動車と鉄道の連関性、例えばパーク&ライドの関係などについては都市計画として考える必要があるでしょう。

Img_6_995 鉄道による通勤輸送について、更にもう少し考えてみましょう。通勤輸送、といいますととくに長時間にわたる通勤輸送を考えますと、京浜急行や京阪、阪急、近鉄が重視しているようなクロスシートによる輸送が理想ではあります。長時間の着席輸送が実現するのならば通勤による時間的負担はかなり軽減されるでしょうから。

Img_3883 もっとも、乗車率が100%を超える場合にはクロスシート車の利便性は逆に低下してしまいますし、京阪が復活させるというノンストップ特急、阪急が休日のみ運行している快速特急、京急のウイング号のような停車駅数が少ない列車でなければ乗降に大きな支障が生じてしまいます。

Img_7_556 一部では、セミクロスシートについて、高頻度の乗降と通勤輸送能力の両立について、クロスシートの配置として現在のような部分部分にクロスシートを配置したロングシート車というもの以上に研究というものはあるようですので、そちらの成果を待ちたいところ。

Img_7_462 他方、着席輸送とは別の視点で通勤時間の有効化、というものを推進することはできるでしょう。これは零細時間の有効活用という意味ですが、これまで考えられたのは京阪のテレビカーというようなテレビの設置、現在ではテレビは設置しないものの液晶モニターに沿線やニュースなどの情報を提示する方法が行われています。

Img_7_467 通勤時間、クロスシートであればその時間を休息に充てることができるのですが、情報表示という方しきであれば、少なくとも時間の有効活用はできるわけです。更に進んで電車内での英会話教室、なんて物は絶対に無理ですが、なにか時間を有効活用できる、というものを考えてもいいかもしれません。

Img_3_638_1 列車内での無線LAN接続サービス、というものは2005年からつくばエクスプレス線が実施していまして、実際に当時繋がって驚いたことがあるのですが、IOPAD,失礼Ipadに代表されるようなタブレット端末の普及がありますので、さらに広い地域において実施するべきでしょう。

Img_8146 実行しようにも通勤電車の中には致命的に旧式の車両がある、という指摘はあるかもしれませんが、これは従来車両を改造するしかありません。この点ですべての車両に対して改修を行うには多くの費用を要しますので、弱冷房車のような、一部車両のみの指定改修、という手法が考えられるかもしれません。

Img_1_950 例えば冷房車であっても、一部の車両が冷房車として運行されたところから始まっています。無線LAN車、というものは少々でも通勤電車に少しづつ広範に整備してゆく必要があるでしょう。特に社会インフラ整備という意味でも、これまで考えられないような地域への投入は検討してみてはどうでしょうか。

Img_9_394 こうした提案をしてみたのですが、これらはすでに行われている施策の延伸でしかありません。さらに一歩進めて電車内に公共の電子端末でもあれば、と思ったことは、実はありませんコスト的にも保守的にも不可能ですからね、特急の観光案内や乗換検索用にデッキにあれば、とは思ったことはありますけれども。

Img_2_257 ただし、電子端末を考えた場合、Ipad2の電池持続時間の長さには毎回驚かされるのですが、多くの端末の場合にどうしても困るのはやはりバッテリーの持続時間ではないでしょうか。ここで、自販機などの接続しているコンセントを携帯電話充電用に無断拝借して御用となる話を思い出してしまいます。

Img_9_711 そこで、通勤電車社内には将来的に非接触充電装置のようなものを配置する、という選択肢はあり得るのだろうか、と考えます。現代の端末や携帯電話などにとり電気は生命線でして、同時に非接触充電装置として直接コンセントに接続せずとも充電できるバッテリーが実用化されています。

Img_7_986 無線LANの普及を行ったのちには、非接触式受電装置の配置による車内での通信環境整備というものは考えられてしかるべきでしょう。少なくとも、電車内での新聞のような、即ち一人当たりの専有空間の拡大を回避できますし、移動中における零細時間の有効活用にも寄与します。

Img_7_476 今までにないようなサービスを行うことで、通勤時間の増大に対する負担軽減に寄与する、と考えるのですが、同時にやはり60分以上の移動に対しては着席輸送は理想でもあります。ううむ、欧米のようにダブルデッカー化を推進して着席数の向上、という選択肢は望めません。

Img_9_7431

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平成二十三年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.10.15-16)

2011-10-13 23:23:29 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

北海道は思ったほど、といいますか夜の鞍馬や風の強い日の神戸港のほうが逆に寒いと感じるさ中ですがいかがお過ごしでしょうか。

Img_8901 今週末最大の自衛隊関連行事、といえば航空観閲式です。茨城県の百里基地で実施され、総理大臣以下閣僚が観閲します。一度見てみたいのですが、一般非公開。先週の総合予行は、お誘いがあったのだけれどもそのまえに東千歳駐屯地祭の予定があったので断念。こうしたなかでF-15の増槽破裂事故があり、防衛大臣発言では航空観閲式では飛行しないとのこと。

Img_8554 東日本大震災状況下であっても、実施の必要ありと準備したのですし、期待の問題ではなく増槽の問題なのですから、国威発揚の重要な機会、これはF-15も飛行するべきなのではないか、と考えます。ほかには、自衛隊記念日行事なのですから、式典会場を飛行したのちに市街地上空を航過飛行、ということはあっていいと思うのですがね。

Img_2421自衛隊行事、日曜日には東千歳に足を運んだのですが、入場者は今年は会場に比して少ないのかな、と思いきや開始後大勢に、守山駐屯地祭は開始前からかなりの行列があり、関心度の高さがうかがえるようですね。さて、そんな自衛隊行事は今週末も多数が行われます。

Img_4030最も注目の行事は伊丹駐屯地において行われる中部方面隊創設51周年記念行事でしょうか。東海北陸紀伊京阪神山陽山陰四国を警備管区に有する中部方面隊の行事で、兵庫県伊丹市に総監部が置かれていて、会場は決して広くはないのですが毎年大勢の来場者でにぎわいます。

Img_4010上記の事情から、観閲行進も車両の数には限度があり、戦車や火砲の数では一部の師団創設記念行事よりも小規模ではあるのですけれども、方面隊直轄部隊などの装備品も観閲行進に参加しますし、祝賀飛行の編隊も比較的多数のヘリコプターで構成される大規模なもの。

Img_4531伊丹駐屯地祭、近隣住民からの要望もあり昨今戦車や火砲が参加しての訓練展示模擬戦は実施されない傾向にあったのですが、昨年は機関銃と小銃を中心に戦車と装甲車が参加する模擬戦を実施、続いて火砲による音楽演奏を実施していました。その模擬戦、今年度も実施する方向のようです。

Img_2148首都圏で最も注目の行事は、施設学校創設記念行事勝田駐屯地祭でしょう。最寄りの勝田駅は常磐線、福島第一原発事故により一部が不通となっている常磐線が最寄駅ということですが、同時に東日本大震災に際してこれまでの装備と訓練が無駄ではなかったことを証明した施設科職種、その専門教育及び装備品運用試験、戦術研究を行う機関が施設学校です。

Img_2242本年は最新鋭装備である07式機動支援橋が展示される、とのこと。従来の81式自走架橋柱に対し迅速に展開が可能で50tまでの車両が通行できるほか、中央部分にも橋板が配置されているため、小型車両であれば対面通行が可能となっているのが特色の装備、展示ということで架橋の様子なども見られるのでしょうか。

Img_8058西方では、湯布院駐屯地祭。これも一度行ってみたい行事の一つです。西部方面特科隊が駐屯、203mm自走榴弾砲やMLRSが配備されています。特に203mmの空包射撃の迫力は凄いとのことですが、富士学校祭でも射撃するもののほかの火砲とともに少数の参加ですので、多数が参加、という点には迫力を一度見てみたいもの。

Img_1908対馬駐屯地。注目、といえば安全保障上で注目しなければならないのは対馬です。長崎県の離島である対馬は対馬海峡という重要地域に位置するため冷戦時代に注目されてきましたが、古くは奈良時代から防人が配置されていた場所です。対馬には対馬警備隊が置かれ、市街パレード、駐屯地行事が行われます。

Img_6595富山駐屯地祭。第382施設中隊が駐屯する駐屯地です。方面隊直轄の第四施設団隷下の駐屯地でして、駐屯部隊に加え施設団の支援があるのでしたら現在は第七師団を除く師団施設大隊や旅団施設中隊から方面隊にほぼすべてが移管されている92式地雷原処理車や75式装甲ドーザー等、みることができるかもしれません。金沢の14連隊が例年支援しています。

Img_0229大和駐屯地祭、さて、例年であれば筆頭に紹介する大和駐屯地祭ですが、第6戦車大隊、第6高射特科大隊と重装備が配備されており、仙台駅から地下鉄にて足を運ぶことができるこの行事ですけれども、今年度は一般公開のみ、東日本大震災の影響もあり祝賀行事は行われず、とのことです。

Img_9097それもそのはず、現在も第六師団を中心に福島県において福島第一原発災害派遣任務が継続されています。原子力災害は確実に十年単位で長期化します。冷戦時代の核戦争を想定しNBC防護能力が高い装備されている74式戦車は最後の手段ともなりえます。しかし、近隣の方を中心に、足を運んでみる意味は大きい行事ではないでしょうか。

Img_0711福島駐屯地祭。第44普通科連隊が駐屯している駐屯地です。こちらも本年は式典のみ行われます。体験試乗など予定されているとのことですが、観閲行進や訓練展示は行われません。シャトルバスは福島駅から運行、しかし、こういう時の行事ですから、特に近隣の方には、隣人としての44連隊、郷土連隊の姿を目ておいてほしい、そういう風に思います。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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