北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G7X撮影速報】観艦式2019フリートウィーク.横須賀空前の護衛艦隊公開(2019-10-05)

2019-10-21 20:00:22 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■二次元重視“多次元防衛力”
 満艦飾で賑わう横須賀基地、この翌日にマリアナ沖で台風19号が発生した訳ですがこの時は皆さん体験航海に期待を膨らませていました。

 イージス艦こんごうデース!。、、、。いやなんとなく流れで。人気ゲーム“艦隊これくしょん”の戦艦金剛、高速戦艦として第一次世界大戦前にイギリスで建造され、ジュットランド海戦戦訓等を受け高速戦艦に改装、第二次世界大戦では空母直衛を主として活躍した。

 ちょうかい、艦上から青空と満艦飾を見上げる。こんごう、ちょうかい、さみだれ、三隻の護衛艦が並んでいます。後で知ったのですがいつもお世話になっている方からここで声をかけて頂いていたという、当方気付かなかったのですが何しろ伊丹に居ると思ったので。

 あたご!ですぱんぱかぱーん!。“艦隊これくしょん”の重巡愛宕さん、何故か護衛艦こんごう甲板上に。愛宕は天城型巡洋戦艦として計画がありましたが、建造中止に。不思議に思い乗員の方に事情を聴いてみたのですが、好きだからです、と。自衛隊の将来は明るい。

 こんごう、吉倉桟橋に接岸する様子は観艦式に臨むとあって美しく整備されています、海上自衛隊最初のイージス艦として1993年に竣工、先代の戦艦金剛も最古参の戦艦として太平洋戦争を戦い抜きましたが、奇しくも本艦も最古参のイージス艦として自衛隊に君臨だ。

 ひゅうが型護衛艦一番艦ひゅうが,よ一応覚えておいて。いや貴女先週舞鶴でまだ整備中だっただろう、と思いたくなるのですが。ひゅうが、観艦式には参加しませんが日向師匠は参加です。修理してもロクマルは積めないぞ、ということでMCH-101が描かれている。

 はるさめ艦上へ。日向師匠、こんごう係留の隣のバースに居まして、こちらのバースにも護衛艦いかづち、ミサイル護衛艦はたかぜ、護衛艦はるさめ、が係留されていました。こちらも一般公開されていますので、順番に巡る事に。艦内見学は海軍用語で旅行という。

 はるさめ艦上、春雨さん、居ました。これには驚いた、いや貴女は北大路総監部の空母加賀隣に係留していたろう、という個人的事情はさて置き、“艦隊これくしょん”の駆逐艦春雨さんフィギュアが艦上展示されていたのですね。私も持っている、みんなもそうだよね。

 ゆうだち、といいますか“艦隊これくしょん”の駆逐艦夕立も並びます。護衛艦はるさめ、は、むらさめ型二番艦、三番艦が護衛艦ゆうだち、です。2012年の観艦式では護衛艦ゆうだち艦上から撮影する機会に恵まれまして、佐世保基地でもひとつ思い出深い護衛艦です。

 はたかぜ、Mk13スタンダード発射装置を搭載する広域防空用のターターシステム艦です。このは車窓地の下には40発のスタンダードミサイルやハープーンミサイルが搭載されている、Mk13搭載艦は過去最大6隻が艦隊に在りましたが、いまは本艦と、しまかぜ、のみ。
 しまかぜ、“艦隊これくしょん”の駆逐艦島風さんが護衛艦はたかぜ艦上に。おっそーい!という状況です。実は艦橋が30名づつ30分置きの整理券配布式一般公開となっていまして、それまで隣はるさめ見学へと廻り、はたかぜアスロック発射器前が集合場所でした。

 はたかぜ艦橋に。ちょうかい艦橋は七層分あり上るのが大変でしたがこちらは楽だ。なお、実は私が初めて見学した護衛艦の艦橋は、ミサイル護衛艦さわかぜ、初めての体験航海は護衛艦きくづき。たかつき型護衛艦を覚えている人も大分世代が変わってきました、ね。

 はたかぜ、“艦隊これくしょん”の駆逐艦旗風さんです。神風型駆逐艦の一隻で凌波構造が艦橋前に魚雷発射管を一段下げて搭載し艦橋に波浪の影響を局限化する構造が特色です。神風型は大戦時に古参でしたが、ターターシステム艦はたかぜ型も古参、次はどうなるか。

 さわぎりさん、ではなく“艦隊これくしょん”の駆逐艦狭霧さん。海上自衛隊では実任務増大、南西諸島警戒監視任務と日本海ミサイル防衛任務に中東方面船団護衛と災害派遣、これらを前に艦艇広報が著しく縮小、地方隊展示訓練が最後に行われたのは5年前でした。

 いかづち艦上。今回の自衛隊観艦式は元々国威発揚と主権者への広報が主目的である観艦式が青少年への重要な艦艇広報の場と転じました。しかし艦艇不足は深刻であり、こうした中、海上自衛隊は二次元と取り組む“多次元統合防衛力”で募集難に挑んでいる様です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】平成28年第1空挺団降下訓練始【05】ヘリボーン強襲戦発動(2016-01-10)

2019-10-20 20:10:13 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■最強AH-64D戦闘ヘリの飛来
 青空を覆う空挺団落下傘降下の奇襲により空挺堡を確保した第1空挺団は、刹那の間を置く事無く次の行動、ヘリボーン強襲を開始します。

 AH-64D戦闘ヘリコプターが空挺部隊を上空から掩護、アパッチロングボウ愛称のAH-64Dはいったん上昇し、AGM-1114ヘルファイア対戦車ミサイルを射撃する、AGM-1114は射程8km、陸上自衛隊の他に海上自衛隊もミサイル艇対策に装備している。

 AH-64Dは航空学校から参加しました。13機しか装備されていない虎の子の装備ですが、元々は62機を導入予定で、かつて96機が導入されつつも、老朽化にて順次退役が進むAH-1S対戦車ヘリコプターを置き換える計画でした。弾道ミサイル防衛で調達は中断へ。

 AH-64Dは一個飛行隊12機が予定、AH-1Sは16機で飛行隊を編成していましたので、62機で現在の5個飛行隊と教育所要の2機を充足できる筈でした。しかし調達は13機、この後に1機が事故で失われ、航空打撃力の再編は陸上自衛隊喫緊の課題となっています。

 UH-1J多用途ヘリコプター、M-2重機関銃を航空機用銃架に一丁搭載し展開しました、AH-1S対戦車ヘリコプターの代替にはなりませんが。しかし過去に70mmロケット弾発射装置を10セット調達し火力支援機へ試験した事があります。精度が低く不採用でしたが。

 M-2重機関銃の空包射撃、毎分最大635発の12.7mm弾が地上を制圧します、実は航空機搭載用にM-2/ANという上空では空冷作用が高くその分発射速度を毎分1200発に高めた派生型が1933年に開発されているのですが、陸上自衛隊は地上型のみを装備しています。

 CH-47JA輸送ヘリコプターが空中機動へ展開する、UH-1J多用途ヘリコプター搭載の12.7mm機銃は、このCH-47JA輸送ヘリコプターが降着する際の降着地を制圧する任務へ展開したもよう。ヘリコプターの降着に落下傘は不要、同時に55名を一気に輸送可能です。

 第1空挺団は中央即応集団の隷下部隊、そしてこのCH-47JA輸送ヘリコプターも中央即応集団隷下の第1ヘリコプター団に所属する。中央即応集団は2018年3月の陸上総隊創設に併せ幕僚機構転用へ廃止となり、空挺団とヘリコプター団は現在、総隊直轄部隊となった。

 AH-64D戦闘ヘリコプターが低空を進出する、実際に航空用語として匍匐飛行というものがあり、武骨に突き出た空気抵抗の塊は全てが匍匐飛行へ障害物などを前に急停止する際に役立つ。AH-64後継機にティルトローター機の研究はあるが、個人的に懐疑的である。

 空挺団本部偵察小隊の進出を掩護するAH-64D,後継のティルトローター機研究とはAH-64D開発のボーイング社が提案するものですが、高速が必要ならばF-35Bで良く、AH-64Dの空気抵抗は不期遭遇や障害物を前に急減速の際に役立つ、速度が全てではない。

 CH-47JA輸送ヘリコプターから続々と展開する空挺団本部偵察小隊の偵察オートバイ、過去にはM-24軽戦車装備の空挺普通科群本部情報小隊特車班や60式装甲車装備の空挺普通科群本部直轄空挺装甲輸送隊があり、少数とはいえ、装甲車による威力偵察が可能でした。

 空挺普通科群本部情報小隊特車班は軽戦車5輌を装備、空挺普通科群本部直轄空挺装甲輸送隊は60式装甲車5輌を装備、何れも廃止改編されていますが、C-2輸送機という89式装甲戦闘車や16式機動戦闘車を輸送可能な機体がある現在、再編成されるべきと思う。

 AH-64D戦闘ヘリコプターと共にAH-1S対戦車ヘリコプター編隊が支援へ駆けつける。AH-1S対戦車ヘリコプターは東部方面隊隷下の東部方面航空隊第4対戦車ヘリコプター隊に所属する。ただ、AH-1S対戦車ヘリコプター減勢に伴い、部隊は縮小再編の予定です。

 APG-78ロングボウレーダーを搭載するAH-64D戦闘ヘリコプターは210個の地上目標を識別追尾する能力と共に、無人機統制や敵無人機警戒監視等の新時代の任務に必要な性能を有します。自衛隊装備の機体はアローヘッド搭載、改良型AH-64Eに近い性能を持つ。

 AH-1S対戦車ヘリコプターの編隊が仮設敵に向け射程3750mのTOW対戦車ミサイルと70mmロケット弾、20mm機関砲を装備し襲い掛かる。地皺の多い我が国土へは必要として導入された装備ですが、今後の無人機時代を踏まえればAH-64Dへの代替は不可欠だ。

 TOW対戦車ミサイル射撃は低空から一挙に高度を上げて敵戦車を捕捉し、一気に撃ち下す、有線誘導式のTOWは、射撃誘導中に妨害された場合に回避できない為、高高度から撃ち下す事で射撃中に高射砲などの妨害を受けた際、回避した場合も慣性で敵戦車を撃破し得る。

 AH-64D戦闘ヘリコプターの場合はもう少し先進的だ、APG-78には脅威電波標定能力があり、高射砲等がレーダー照準を行えば即座に逆探知、30mm機関砲や対戦車ミサイルで滅多打ち制圧が可能、機体も頑丈で192発の14.5mm弾を受けつつ翌日に修理完了の事例が。

 UH-1J多用途ヘリコプターが二機編隊で進出してゆく、AH-64D戦闘ヘリコプターとAH-1S対戦車ヘリコプターはこの空中機動部隊の降着掩護、という構図で敵戦車部隊を強力な火力で制圧する任務にて展開していたのでしょう。更に多数のヘリコプターが続く。

 HU-1Bを導入開始した1961年は陸上自衛隊空中機動元年というべき年度で、統合展示演習、現在の富士総合火力演習にてH-19ヘリコプター5機と大型のH-21ヘリコプター2機による空中機動にて、第一線へ急速増援部隊の戦闘加入、という展示が行われています。

 UH-1J多用途ヘリコプターの先頭を往く機体には狙撃手がスキッドに足を掛けて降着と同時の即座に飛び降りる体勢に在ります、M-24狙撃銃を装備し800m先の指揮官を生活に狙撃するという。空挺団からM-24軽戦車は廃止されても、M-24狙撃銃という新顔が、と。

 UH-1J多用途ヘリコプターの機内を見ますと、後部に2名分の座席を増槽用に転用し、航続距離や滞空時間を延伸している仕様となっている。UH-1J多用途ヘリコプターの輸送能力は人員11名、ただ増槽により4名分を使っている構図です。この機体は自由度が高い。

 UH-60JA多用途ヘリコプターへ、1998年よりUH-1J多用途ヘリコプターを順次置き換える構想がありましたが、一機35億円というUH-60JAの取得費用は、バブル崩壊後の停滞期の日本経済では多数を調達できず、ここに弾道ミサイル防衛という新任務が加わります。

 UH-1Hまではベル社のライセンス生産を富士重工が実施していましたが、UH-1Jは富士重工の独自型であり、エンジンをAH-1Sと同型とする事で整備性を高めました。対してUH-60JAは三菱重工製、整備共通性や訓練相互互換性の面で若干疑問符も残りました。

 UH-60JAについては、しかし海上自衛隊がSH-60J哨戒ヘリコプターと航空自衛隊がUH-60J救難ヘリコプターとして共通機体を製造していましたので、安価に調達できる時期はありました。此処で問題点は陸上自衛隊の調達開始が航空自衛隊完納後だったのですね。

 UH-1Jの後継にUH-60JAを大量調達できていれば、HH-60Jのような火力支援型をAH-1S後継機に充てる事が出来たかもしれませんし、利点はありました。ただ、1:1で置き換える事に拘らなければ、という但し書きが。ミサイル防衛に翻弄された機種といえましょう。

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【7D特報】エアフェスタ浜松-浜松基地航空祭,北から撮るか南から撮るか(2018-11-25)

2019-10-19 20:11:41 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■快晴!浜松基地航空祭2018
 映画で“打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?”という作品がありましたが今回は“航空祭、北から見るか?南から見るか?”という話題にて航空祭ガイドをお伝えしましょう。

 浜松基地航空祭2019エアフェスタ浜松はいよいよ明日となりました、台風19号の高速道路網や新幹線など鉄道網の被害爪痕は全国に残りますが幸い遠州浜松は直撃を免れ、航空祭は実施予定です。基地はE-767早期警戒管制機やT-4練習機等多種多様な航空機が揃う。

 航空祭駐車場は事前抽選制、そして必ずしも基地から近傍の駐車場ばかりではなく駐車場までの移動と駐車場から東名高速まで時間帯次第で二時間から二時間半ほど渋滞に見舞われます。やはりお勧めはJR浜松駅からのバス移動でしょう。東海道本線と新幹線の駅です。

 東海道新幹線からそのまま航空祭シャトルバス、こちらが一番お勧めです、バス待ち行列が無い時間帯ならば。タクシーですと浜松基地まで渋滞の無い時間帯で2900円ほど。そしてもう一つの裏技が路線バス48系統、浜松駅バスターミナル16番乗り場から運行される。

 遠鉄バスにて浜松基地方面へは三ヶ日方面行や三方原方面行にて行く事が出来るのですが、浜松基地正門は航空祭会場とは滑走路を挟んで反対側に在りますのでご注意ください。そしてもう一つ注意したいのは航空祭会場は全て逆光、ということ。南側がお勧めといえる。

 広報館、浜松基地とは別に航空自衛隊全体の広報展示施設で、浜松基地航空祭駐車場が用意されていない年度でも広報館に一千台程度の臨時駐車場が昨年は急遽用意されていました。此処から撮影しますと航空機は順光で映る青空、滑走路の向こうには富士山が美しい。

 戦闘機機動飛行等迫力ある飛行展示は当然航空祭会場をメインに展開されますので広報館は撮影の一等地、という訳には参りません。しかしそれは戦闘機、速度が凄い故にそのまま広報館上空を低空で航過してくれます。そして着陸を撮影しやすい立地でもあるのです。

 航空祭撮影に広報館がお勧めできる理由は順光以外にも比較的混雑しない為に自販機による清涼飲料水補充や手洗い行列の心配が無い事、でしょう。ただ、広報館だけで、航空祭会場を視なければ予行を撮影したのか本番か、数年後写真を観て悩む事になるでしょう。

 正門と基地合同庁舎、航空祭は滑走路北側で実施され基地司令部庁舎等は南側にあります。ここまで広報館から徒歩で一時間ほど要しまして遠いのですが、正門から基地へ入りますと、基地内シャトルバスが運行、こちらは浜松駅からのシャトルバス程混雑しないのです。

 航空祭会場は混雑します、入間基地や岐阜基地と小松基地に並び十万単位の来場者で賑わうのですね。開門一時間前に基地前に並んだとしても滑走路前の最前列付近を確保するのは難しいのですが。その混雑ぶりが航空祭へやってきたのだ、という臨場感に繋がります。

 E-2C早期警戒機、三沢基地からの参加ですがプロペラ部分が新型に換装されています、昨年初めて見ました。航空祭の醍醐味に貴重な航空機の地上展示が挙げられますので、こうした情景との出逢いを考えて、やはり航空祭メイン会場へ入って撮影しておきたいですね。

 逆光はこうした構図に。空が白いというのはこういうこと。機体が黒いというのは太陽の日陰しか角度的に撮影出来ない為です。飛行展示は滑走路上で行われる為に航空祭メイン会場からの写真は広報館での写真の様な青空は無理です。曇天ならば両方同じなのですが。

 基地から浜松駅まではシャトルバスによる帰路がお勧めですが長蛇の列で一時間待ちは普通、駅までも渋滞しますので会場から駅までは三時間程度見ておくとよい。この他41系統バス等がお勧めです。ただ、相当混雑しますので東名高速高架付近バス停の利用がお勧めでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和元年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2019.10.19-10.20)

2019-10-18 20:05:38 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 台風19号災害派遣により幾つかの行事が中止もしくは大幅縮小となっていますのでご注意ください。

 浜松基地航空祭エアフェスタ浜松2019、航空自衛隊航空教育集団司令部と第1航空団の展開する浜松基地航空祭です。浜松基地は元々浜松北基地と浜松南基地に分かれていましたが、現在は一つの基地となっています。警戒航空群E-767早期警戒管制機飛行展示やT-4練習機大編隊など見どころも多いのですが、航空祭会場からは完全な逆光となるのですね。

 エアフェスタ浜松では、順光の撮影環境を求めて航空自衛隊広報館へ路線バス等で移動して撮影する、という方も多く当方もその一人です。ただ、航空祭メイン会場へ移動するには浜松基地正門からシャトルバスを利用する必要がありまして、これが正門と広報館とそれなりに距離があると共に交通手段が徒歩に限られ時間を要しますのでご注意ください。

 小月航空基地祭スウェルフェスタ2019、山口県の海上自衛隊小月航空基地航空祭です。教育航空群が配備されT-5練習機を運用する世界唯一の基地となっていまして、航空基地祭では飛行展示やT-5練習機シミュレータ体験に航空管制官模擬体験及び気象予報官模擬体験等、体験型行事を重視して実施するとの事、最寄駅は山陽本線小月駅で路線バスがある。

 玖珠駐屯地については縮小実施となります。これは西部方面隊HPに“玖珠駐屯地記念行事の中止について”として“装備品展示は実施”と記載がありました。過去には熊本地震の際にも目達原駐屯地が装備品展示のみの縮小実施とした事例があります。九州唯一の戦車部隊駐屯地であり全国で唯一の10式戦車充足部隊、九州も災害派遣で忙しいもようです。

 山口駐屯地創設64周年記念行事、第13旅団隷下の第17普通科連隊が駐屯しています。連隊HPには観閲式及び観閲行進と模擬戦闘訓練展示が予定されているとのことですが、併せて“諸事情によりイベント内容の変更又は中止となる場合があり ますのであらかじめご了承ください”との記載がありましたので、お出かけの際には実施可否ご留意のほどを。

 対馬駐屯地創設記念行事、第4師団隷下に在りわが国最初の離島警備部隊として創設された対馬警備隊の精鋭が駐屯しています。駐屯地は全国有数の手狭さではありますが隊員の大半が対馬出身者でありレンジャー持ちという陸上自衛隊最強部隊に名を連ねる常連であり、毎年の記念行事では市街パレードにて意外に強力な装備の数々が市内を行進します。

 都城駐屯地創設68周年第43普通科連隊創設57周年記念行事、西部方面隊隷下の西部方面混成団第43普通科連隊等が駐屯する駐屯地です。即応予備自衛官主体の普通科連隊として永らく第8師団隷下へ置かれていましたが第8師団の即応機動師団改編に伴い西部方面混成団へ移管されました。災害派遣、こちらについて現在のところ実施される方向のもよう。

 饗庭野分屯基地祭、滋賀県高島市のミサイルサイトでペトリオットミサイルを運用する第4高射群第12高射隊が展開しています、先週台風直撃により残念ながら中止となりました今津駐屯地に程近く、台風19号影響に伴う行事実施可否が危ぶまれましたが、幸い分屯基地HPによれば本日18日の発表としましてて、記念行事は予定通り実施されるとのこと。

 豊川駐屯地創設記念行事、残念ながら台風災害派遣意図も無い中止が発表されています。第10特科連隊と第10高射特科大隊、方面隊直轄の第4施設団隷下の第7施設群、そして第49普通科連隊主力が駐屯しています。恐らく施設群と特科連隊本部管理中隊等が台風19号災害派遣として被災地へ派遣されているのでしょう、例年はFH-70榴弾砲の迫力が凄い。

 武器学校創設67周年土浦駐屯地祭は14日の時点で台風19号災害派遣の関係から中止が決定されました。武器学校は常磐線で都心から一本なのですが恐らく台風19号災害における災害派遣戦力回復センターとして利用されているのでしょう。武器学校には89式中戦車から89式装甲戦闘車まで整備関連の教材として多種多様な装備が置かれているだけに残念だ。

 さて撮影の話題を。ネクタイに腕時計やタイピンにボールペンとブックカバーとベルトにカフス、電車の中に忘れたものじゃあありません、撮影に際して出先で購入したものです。勿論土産物ではなく日用品そのものなのですが、出発前の準備段階で忘れ物というものは在りますので、出先のデパート等で買い求めた。私は旅行先でチフス貰いました、という方は直ぐ病院へ。

 ネクタイなんかは旅行鞄へしっかり収納したつもりが実はデスクの上にきれいに並べられているのを気付かずホテルのベッドの上に衣類を並べた瞬間に無いじゃあないか、と度肝を抜かれる事もありますが、近くにデパートがあれば、出先でのお買い物は意外と思い出深くなるものです。近くになくとも普通列車で数駅程度であれば、お買い物は実に楽しい。

 ボールペンなどは無くとも困らないように見えるのですが、万年筆のように胸に挿していますと御洒落ですし、筆記が必要な状況というものは確実に在ります。そして帰宅し次の機会にも、そういえばこれは遠いあの街で、あれは静かなその街で、どれれかは賑やかな電気街で、と思い返しますと、楽しい思い出を文章化する際の呼び水ともなってくれます。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・武器学校創設67周年土浦駐屯地祭(中止)…https://www.mod.go.jp/gsdf/ord_sch/index.html
・浜松基地航空祭エアフェスタ浜松2019…https://www.mod.go.jp/asdf/hamamatsu/
・豊川駐屯地創立69周年記念行事(中止)… https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/10d/
・饗庭野分屯基地開庁記念行事…https://www.mod.go.jp/asdf/aibano/index.html
・小月航空基地祭スウェルフェスタ2019… https://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/
・山口駐屯地創設64周年記念行事…https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/13b/yamaguti/
・対馬駐屯地創設記念行事…https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/
・玖珠駐屯地創設記念行事(縮小開催)…https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/
・都城駐屯地創設68周年記念行事…https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【G7X撮影速報】観艦式2019フリートウィーク,横須賀空前の護衛艦隊公開(2019-10-05)

2019-10-17 20:02:28 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■令和元年観艦式
 台風19号がここまで大きくなるとは考えませんでしたが、台風がまだ熱帯低気圧の頃の平和な横須賀情景を。

 フリートウィーク2019、加賀さん。本来ならば自衛隊観艦式がこの土曜日日曜日月曜日とおり行われている筈でしたが、この時また熱帯低気圧であった災厄の種が翌日に台風19号となりここに接岸した護衛艦かが、も出航、しかし超巨大台風となり首都を襲いました。

 護衛艦てるづき、このフリートウィーク2019では兎に角多数の護衛艦が一般公開されました。てるづき、は逸見桟橋という横須賀基地入口に最も近い位置で一般公開されていまして、慌てずまずはいちばん近い護衛艦から見学しよう、と成った次第です。青空が眩しい。

 涼月、防空駆逐艦です。護衛艦すずつき由来の護衛艦となっていますが、実はこちらの駆逐艦凉月も北九州に軍艦防波堤として健在で有ったりします。そして護衛艦すずつき、は今年行われた中国国際観艦式へも参加し、返礼に中国も今回最新鋭駆逐艦を派遣している。

 鹿島さん、練習巡洋艦です。こちらは護衛艦あさゆき艦上でして、12隻が量産された護衛艦はつゆき型の僅か3隻となった一隻です、あさゆき、は護衛艦ですが鹿島さんと同じ名の練習艦かしま隷下に練習艦へ転籍した護衛艦はつゆき型も多く、それ故の展示でしょう。

 あさゆき艦上、はつゆき型護衛艦の存在を当方が知ったのは中学生の頃でしたが、対空対艦対潜装備とヘリコプターを搭載し拘束を誇るシステム艦、物凄く有力であるように思えましたが、お隣てるづき、あきづき型護衛艦と並びますと世代差と成長を実感しますね。

 照月さん。防空駆逐艦です、そして第61駆逐隊とありますが、実は海上自衛隊はターターシステムやイージスシステムを搭載するミサイル護衛艦を永く第61護衛隊、第62護衛隊、第63護衛隊、第64護衛隊、と配備していました。この当たりに伝統墨守の気風を感じる。

 自衛艦旗と共に多数の護衛艦が満艦飾で停泊する吉倉桟橋を望む。フリートウィークという活況を感じる様子ですが、実はこの絶景の護衛艦もすべて一般公開しています。時間はこの日一日有限なのですから、吉倉桟橋の護衛艦を全て見学するには急がねばなりません。

 満艦飾、イージス艦が勢揃い。秋空の眩しい青空とともに軍艦色と満艦飾が鮮やかに待っています。しかし満員ですね、東海道新幹線で駆け付けた横須賀基地なのですが首都圏の防衛を担う横須賀基地は世界最大の大都会からJRと京急で見学者が既に艦上には勢揃い。

 鳥海さん。徐々に自衛隊観艦式ってなんなのだろう、と思いたくなる情景ではありますが、これは人気ゲーム艦隊これくしょん、旧海軍艦艇擬人化の艦娘さんです。今回は昨年予定の観艦式が東京五輪で今年に延期となり、参加艦艇が少なくなった分、二次元の応援です。

 ちょうかい、こんごう、さみだれ。城郭のような艦橋を見上げます。イージス艦が二隻並ぶ情景は舞鶴基地でもイージス艦みょうこう、あたご、と日常風景なのですが、イージス艦の艦上が目一杯来艦者で賑わうのは、これも観艦式の活況、というものなのでしょう。

 ちょうかい艦橋を探訪する。舞鶴展示訓練ではイージス艦みょうこう艦橋から撮影したものですが、実任務増大から地方隊展示訓練が行われなくなり早五年、こんごう型三番艦みょうこう、四番艦ちょうかい、姉妹艦ですので活況の舞鶴展示訓練を思い出してみました。

 鳥海さん、イージス艦で愛されていますね。しかし聞けばあのゲームで一番の人気なのは戦艦榛名とのこと、強運艦でしたし、ね。当方がこのHNとしましたのは1998年ですから実は21年前なのですが、何かそういわれつつHNで呼ばれますと、不思議な感覚ですね。

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【京都発幕間旅情】かがやき&はくたか,東京-高崎-上田-長野撮影と北陸新幹線京都大阪延伸

2019-10-16 20:04:49 | コラム
■北陸新幹線E7系&W7系電車
 E7系とW7系新幹線、金沢まで開通していますが、ゆくゆくは大阪延伸となる北陸新幹線ですので、京都で視られるのは待ち遠しいですね。(本記事は台風19号上陸前,相馬原駐屯地祭撮影の写真を元に作成しました)

 北陸新幹線の敦賀大阪間経路が福井小浜市京都府京都市経由経路に画定し早二年、これにより北陸新幹線の東京大阪経路が漸く画定しまして、残る難題は東海道新幹線過密状態を前に京都大阪間の北陸新幹線経路を新線建設とするのか、乗り入れるのか、が残るのみ。

 大阪と東京を結ぶ北陸新幹線、正確には高崎と金沢までの区間が現在の北陸新幹線で、高崎東京間は東北新幹線と線路を強要している為、現在の営業距離は路線距離345.5 kmとなっていますが、現時点で福井県敦賀駅まで路線建設が進められています整備新幹線の一つ。

 所要時間を視ますと東京から金沢まで始発の新幹線かがやき号利用で二時間半、そして金沢から新大阪まで北陸本線特急サンダーバード利用で二時間半、北陸新幹線が完全開業しますと、東京から新大阪までおおむね四時間十五分程度で結ばれる事となるのでしょう。

 京都から金沢に向け特急サンダーバードが、そして京都開業はまだまだ先の話しなのですけれども、北陸新幹線金沢開業と共に特急雷鳥が廃止となりました故、北陸新幹線、京都からはその足音が聞こえてくるという意味で関心を以て望見してきました新幹線計画です。

 一方で我が国新幹線整備計画全般から見ますと北陸新幹線の完全開業は、東京と大阪を結ぶ東海道新幹線の迂回経路を建設する事となりますので、例えば東海道新幹線が沿線火災や突発災害により一定以上の長時間運休となる際には、この有無が意味を持つ事でしょう。

 しかしながら、考えさせられることは少なくはありません。その筆頭は今更ながら我田引鉄、即ち我田引水の如く鉄道事業を政治的な地方支持基盤へ転用するべく採算性以外の面で建設された新駅や路線経路がその配置から見て摂れまして長期的運用を考えてしまう。

 高崎駅、安中榛名駅、軽井沢駅、佐久平駅、上田駅、長野駅、飯山駅、上越妙高駅、糸魚川駅、黒部宇奈月温泉駅、富山駅、新高岡駅、金沢駅、と北陸新幹線経路は進むのですが、長野駅から黒部宇奈月温泉駅の区間は新潟県へ大きく迂回し速達性を損なっています。

 安中榛名駅等は政治駅と云われますように開業当初駅前人口は数名しかいなかったもので、しかも榛名の名を冠するため目の前の榛名山へ行けるのかと問われれば榛名山へは高崎駅まで戻らなければ登れないという、政治家のための政治駅としか説明できないものでした。

 この上で敦賀京都間の経路を視ますと、新幹線の重要な責務に速達性、特に東海道新幹線の迂回経路ならばなおさらの要件があるのですが、小浜市を経由しますと所要距離が大きくなります、何故湖西線に沿って滋賀県内を京都へ結ばなかったのか、若干疑問にも思う。

 しかし、小浜経由の決定は、当初検討案でした舞鶴若狭経路を経て山陰線経由で京都へ至る経路ですと、舞鶴線と山陰線綾部京都間が廃止か第三セクター化される懸念がありましたし、湖西線に沿った路線では湖西線の今後が、福知山経由ですと京都を通らなかった可能性もある。

 京都終点でもよいのではないか、北陸新幹線は京都までの経由地が画定しましたが具体経路は未定で、更に大阪までの経路は完全に未定となっています、特に京都大阪間は人口密集地を走行するため地価が高く、東海道新幹線乗り入れも不能、新線建設は難しいのです。

 大規模災害時の迂回経路として用いる場合、現在運行されているE7系とW7系は12両編成であり、輸送需要に対応するべく編成延長の余地はあります、京都終点案、収支が安定するまで暫定案ででも対応する事も可能でしょう。ともあれ、現在は金沢や長野か東京まで行かねば見られない電車、京都駅で視られるのが待ち遠しいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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【京都発幕間旅情】しまかぜ(近鉄50000系特急電車),伊勢志摩の晴れやかな空へ巡る新特急

2019-10-15 20:10:28 | コラム
■しまかぜ,鉄道の日記念特集
 十月十四日は鉄道の日です。特急に乗る事が旅行の目的で、という発想はしかしそれならば山手線でも延々巡ればよい、それよりも一歩進んだ発想は、この特急に見出せる。

 近畿日本鉄道は2013年に新型特急近鉄50000系電車しまかぜ号を投入し、特別優美な車体形状と車内設備から大きな話題に、2014年にはブルーリボン賞を受賞します。実際登場当初は特急券が全く入手できないほどの人気列車で、当初の二編成に加え一編成が増備されています。

 アーバンライナーに伊勢志摩ライナー、近鉄には驚かされる事ばかりですね。ビスタカーとして二階建て特急、ダブルデッカー車を我が国において初めて投入した時代から、近鉄特急は常に革新的なものでして、元々は東京と大阪を結ぶ急行電鉄を目指していた名残り。

 しまかぜ号は伊勢志摩への特急として、特に伊勢神宮と志摩という観光地や参詣へ向かう特急ですので、車内設備と共に展望席という観光特急に求められる設備を理想的な形で実現していまして、名古屋伊勢志摩間の運行に加え2014年からは京都へも乗り入れています。

 近鉄50000系電車、展望に配慮した配置とともに普通車のシートピッチはアーバンライナーのデラックスシート並、ダブルデッカー車にはカフェテリアが配置されサロン席とコンパートメント、団体旅行から個人旅行にビジネス旅客まで様々な旅客需要に対応している。

 移動を楽しむ、という特急を選ぶ選択肢を近鉄特急は新しい形で再認識させてくれているようで、これは対照的な存在としてのクルーズトレイン、移動の選択肢では無く乗る事に特化し、目的地を最初から度外視する列車に対し交通手段との本分を思い出し、2014年にはブルーリボン賞を受賞します。

 アーバンライナーという主力特急、伊勢志摩ライナーと、しまかぜ、と共に忘れてはならないのは名阪特急という位置づけにあるアーバンライナーで、新幹線のグリーン車を上回るデラックスシート、車内の絨毯や洗面設備と喫食体制、サービスが生きている印象です。

 スナックカーとして、近鉄名阪特急は1960年代に東海道新幹線開業により、一種無条件降伏に近い状況まで乗客を新幹線に持って行かれまして、二両編成と短縮運行しても空席が目立ったため、単行運行も真剣に検討されたと伝わりますが、サービスで回復しました。

 サービス重視を示した新型特急スナックカーは、車内に軽食を提供する設備を配置しまして、草創期の東海道新幹線が食堂車ではなくビュッフェと簡易化していたのに対し、私鉄特急ながら本格喫食設備を配置、運営は短期ながら個性を発揮しその固定客を繋ぎました。

 クルーズトレインと観光特急の線引きは、目的地という観光地への連絡性を上質な特急により実現している、という部分でしょう。クルーズトレインでは目的地と目的地を巡るのではなく、パッケージ化された旅程を列車で巡り自由度が減じている。この当たりが違う。

 JALパック世代にはクルーズトレインは一つの理想形なのかもしれませんが、目的地が無いクルーズ、目的地があって其処へ向かう際に上質な旅行を、という特急、全体としては需要は後者の方が多いのではないでしょうか、旅客単価は前者の方が高くなりますが、ね。

 観光特急のもう一つの魅力は、観光特急の車内が充実する事で、ビジネス旅客も利用し得る、という点ではないでしょうか、一種のプレミアムな出張といいますか、乗車券に特急券を上積みするだけで上質な観光特急という日常の業務多忙中にも非日常を味わえるもの。

 サニーカーと、近鉄特急再興の流れは、東海道新幹線が国鉄累積赤字を受けて値上げを定期的に継続し、割安感が生じると共に、名神高速道路開通に伴う高速バスに対してはサービスでの存在感を示し、選ばれる存在として位置付けられアーバンライナーへ繋ぎました。

 のぞみ号のように、交通機関の責務は速度であるとして、サービスを極限まで簡略化し多姿を見ますと、近鉄特急の速度以外にも選ぶ選択肢の在り方への希求は、単純に早く移動できる公共交通機関に徹すれば何れより早い旅客機に追い抜かれると認識すべきでしょう。

 勿論、近鉄には短距離特急はあります、ACE等は連絡特急ですので、それほど特筆するサービスは有していませんし、特急料金設定が長距離の割安感に対し短距離では少々考えさせられる点は無いでもありませんが、さくらライナーのような短距離の上質な特急も並ぶ。

 伊勢志摩の晴れやかな空、その狙いのもとに開発された特急です。近鉄特急が時代のニーズを確実にとらえている、その背景に緻密なマーケティング戦略がありまして、伊勢志摩方面への旅客アンケート、京阪神と中京に首都圏での理想特急への意識調査がありました。

 しまかぜ、先行する観光特急伊勢志摩ライナーから、旅客調査に基づく車両の開発という試みは始まっています。その分高く、六両二編成で取得費用は37億円、一編成18億5000万円、N700系新幹線16両が一編成で48億円ですので一両あたりは新幹線より高くなった。

 新幹線を含む鉄道事業者、特に長距離特急を運行する旅客鉄道会社が忘れてはならないのは、一見独占企業にみえるも、リージョナルジェットや格安航空台頭により独占体制は長く続かず相応にサービスを重視し選ばれる努力を続けねば状況は変わる、希望の星ですね。しかし同じ名前の護衛艦が在って、観艦式中止に併せてこんな記事を作成してみました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G7X撮影速報】中部方面隊創設59周年伊丹駐屯地祭.躍動74TK&16MCV(2019-10-06)

2019-10-14 20:02:40 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■16式機動戦闘車起動!
 中部方面隊創設59周年伊丹駐屯地祭、今回は先日日曜日の晴れた伊丹の行事の様子後半をお送りしましょう。

 16式機動戦闘車の操砲展示、105mm砲を装備する陸上自衛隊の最新鋭装備で、緊急展開と着上陸など初期の段階での火消装備として運用される注目装備ですが、中部方面隊に装備されているのは善通寺だけ。操砲展示30分に一度実施しまして、毎回凄くに活況でした。

 96式装輪装甲車、善通寺第15即応機動連隊の車両です。3個の装甲車化中隊と2個中隊から成る16式機動戦闘車隊、120mmRT重迫撃砲を運用する火力支援中隊に地対空ミサイルから装甲ドーザまで運用する本部管理中隊、いやはや第14旅団は今や方面隊の顔です。

 操砲展示活況の様子、何故先程は良い場所で撮影していたのに此処まで後ろの方に移動したかと云いますと、大勢が集まっている情景をお届けしたかったのです、という云い訳を準備して、隣の通路を参加部隊のミサイルや装甲車が続々帰る情景を撮影していた為です。

 74式戦車、今津駐屯地第3戦車大隊に2個中隊が配備されています。油圧式懸架装置の操作展示を行う情景で、74式戦車はこの機能を駆使し地形を最大限利用します。ただ1970年代の設計であり、暗視装置や射撃統制装置は現代の視点からは夜間での戦車戦は厳しい。

 96式装輪装甲車、順次善通寺駐屯地へ戻る様子です。八輪式ながら製造費用を安価に抑えたのが特色で、更に車幅を抑えた事で救急車等と同じように道路運送車両法にて一般車両と同じく走行出来ます、この視点から有事に先んじ戦略機動性が高い車両といえましょう。

 74式戦車体験試乗、その昔は並べば当たり前に乗車できたものでして当方も大学時代に戦車初めてという友人仲間学友共々ここ伊丹駐屯地で74式戦車に乗ったものでした。しかし現在では競争率が高く、抽選制で抽選券も朝一で式典行事を視ず並ばねば入手できません。

 詭道戦闘車、という訳ではありませんが資材運搬車改造のちびっこ戦車、こちらは少年少女限定で当日並べば乗車可能です。搭載するのは106mm無反動砲、であってほしいのですがただの筒、ただこの車輛は山間部や錯綜地形で迫撃砲や築城資材を輸送する重要装備だ。

 戦車は今後数年間で中部方面隊からは全廃されます、第3戦車大隊、第10戦車大隊、第13戦車大隊、第2混成団戦車隊、元々10個中隊規模の戦車部隊が在りましたが、現在残るのは2個戦車大隊と戦車中隊の5個戦車中隊、事実上半減しており、しかし何れ全廃へ、と。

 16式機動戦闘車は重量26t、しかしより小柄な74式戦車が38tとなっていますので、防御力に限界があります。この為、写真の様にボルトオン式追加装甲が装着されていますが、訓練展示では戦車到着までの防御戦闘、事前展開念頭に運用する状況を意識し展示される。

 第3師団と第10師団は地域配備師団となり、戦車大隊が廃止されたのちに偵察戦闘大隊が配置されると目されていますが、今年の改編で地域配備師団となった第4師団は偵察戦闘大隊に加え西方戦車隊第1中隊が配属され、すると第3師団の場合はどうなるのでしょう。

 74式戦車を置き換える第3戦車大隊は、そのまま先ずは第3機甲大隊として、戦車中隊と戦闘中隊を持ち第3偵察隊とは別編成となり、続いて第3戦闘大隊として機動戦闘車を2個中隊配備するのか、または、師団ですが第14旅団の半数の機動戦闘車配備となるのか。

 中部方面隊創設記念伊丹駐屯地祭、毎年のように師団改編により将来の陸上防衛はどのように変容してゆくのかを考えさせられる行事となります。なお、第3戦車大隊は来年度も改編予定は無く、今の戦車大隊として74式戦車を装備し、行事へ参加するとのことでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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台風19号東日本台風災害:東日本大半の大雨特別警報と筑摩-阿賀野-阿武隈-多摩-信濃川氾濫

2019-10-13 20:19:39 | 防災・災害派遣
■観艦式中止!災害派遣へ全力
 太平洋上に突如発生し急速に記録的名規模に成長し前の台風被害から復旧過渡期の地域を蹂躙する、複合台風災害というべき被害が昨日の台風19号でした。

 台風19号は首都圏を横断し鹿島灘から三陸沖へとぬけ、今日午後、温帯低気圧となりました。しかし、狩野川台風に匹敵するとして気象庁が注意を呼びかけていた台風は大きな爪痕を各地へ残しています。特に今回の台風19号は巨大な雨雲を伴っており、東海地方を首都圏とその近県から東北地方一帯へ次々と特別警報が発令される異常事態となりました。

 高潮、暴風、豪雨、今回の台風災害は全てに警戒が必要だと気象庁により厳重に警告されていましたが、突出していたのは豪雨だったよう報道から読みとれます。特に複数の川にて同時に河川氾濫、そして決壊、という状況は異例であり、河川氾濫の浸水が単一であればポンプ車等を全国から集中し排水が可能ですが、同時決壊となれば、そうもゆきません。

 自衛隊観艦式中止、河野防衛大臣は今朝、明日14日に予定されていました自衛隊観艦式本番の中止を正式に決定しました。実は自衛隊観艦式参加艦艇は周防灘や大阪湾と伊勢湾に避泊していたのですが、昨夜台風が伊豆半島沖に差し掛かったところで抜錨、由良水道から串本沖をへて熊野灘へ、そして台風を追い払うように東京湾へ帰港していました次第で。

 自衛隊災害派遣、観艦式とともにしかし台風被害が徐々に全容を示すようになり、自衛隊は259自治体へ連絡幹部を派遣し、即応体制をとります。昨日のうちに長野県より孤立地域への住民救助に関する災害派遣の要請が示され、徐々に北関東東北地方の県知事からの災害派遣要請が続出するようになります、このため、観艦式を中止し災害派遣へ集中へと。

 観艦式特別公開として明日、横須賀吉倉地区で、いずも、あたご、ちょうかい、こんごう、あさひ、はるさめ、たかなみ、むらさめ、はたかぜ一般公開、船越地区で、ふゆづき、さみだれ、ありあけ、あけぼの、しまかぜ、木更津港公共ふ頭では、うらが、いかづち一般公開が観艦式に代えて実施されるとの事です。フリートウィークを越える一大公開が行われる。

 台風19号災害、宮城県吉田川、茨城県久慈川、埼玉県都幾川、埼玉県九十九川、長野県筑摩川、以上六ヶ所の河川で堤防が決壊しました。決壊は堤防が増水により越水し浸食されることで破壊され発生します。決壊した場合、河川が平常水位に戻るまで流入が続くため、排水せねば冠水したまま、広範囲が浸水し且つ地域孤立が続くなど、影響が長期化します。

 千曲川の決壊は長野市の住宅街を濁流が洗い、陸上自衛隊ヘリコプターによる住民救出の様子が中継されました。しかし堤防決壊のほかにも、氾濫危険水位を超え越水した河川が数多く、また多摩川も一部で浸水被害が。浸水地域は個々の河川だけでも広い事例はありますが、全体として非常に広大、孤立地域の捜索が進めば、新たな被害も判明しましょう。

 利根川氾濫警戒水位へ。これは先ほど国土交通省より発表されました、上流に降り注いだ膨大な雨量がそのまま時間差で水位を押し上げているとして、台風が温帯低気圧となった現在も警戒が必要です。また、豪雨以外暴風も凄かった。四国四万十町では浦分防波堤灯台が波浪で倒壊、9m灯台ですが灯台倒壊は、暴風とともに波浪の大きさも物語っています。

 東京湾では貨物船JIADE号が沈没、これは暴風被害も実際のところかなり大きかったことを物語ります。JIADE号はパナマ船籍の1925t貨物船で乗組員12が乗船していましたが、3名を救助したものの1名が死亡、残る7名の行方を海上保安庁が捜索中です。東京湾に停泊していた船舶の三分の一が走錨したともされ、海上での暴風の大きさを物語っています。

 北陸新幹線車両基地水没、上田電鉄鉄道橋梁崩落、計画運休を行っていました最中でも鉄道被害は広範囲に及びましたが、鉄道に関する最大の被害は長野新幹線車両センターの水没でしょう。この水没により北陸新幹線は全体の三分の一の車両が使用不能となり、復旧へ影響が長期化する懸念があります。JR東日本は今夜から東京長野臨時列車を運行する。

 長野新幹線車両センターは氾濫した千曲川に近く、ハザードマップによれば河川氾濫時に水没するとの被害が想定されていました。台風当日は新幹線も計画運休となっており、車両の多くは車両基地へ待避していました、高架部分などへ待避していたならば結果は違ったのでしょうが、多数の新幹線車両を一カ所に固めたことで、その拠点が水没したかたち。

 土砂災害も各所で発生し、12日夕方には神奈川県相模原市で住宅三棟が呑み込まれる土砂災害、山梨県上野原での土砂家屋流入、山梨県道志村では土砂崩れが民宿を直撃し負傷者が、群馬県富岡町では土砂が住宅四棟を押しつぶし死者が、夜になり福島県二本松市での土砂崩れにより行方不明者が発生、土砂崩れや崩落等による被害は拡大してゆきました。

 また、増水した河川に流される被害も御殿場市を筆頭に相次ぎました。なかには栃木県薗部町にて、避難所へ避難する最中に道路上で流され、犠牲となった事例もあります。一方、国土交通省はダムへ流入する雨量がダム設計限界を超えたとして越堤や崩壊を阻止する緊急放水を実施しましたが、幸いにしてこの緊急放水による二次災害は、ありませんでした。

 広い範囲で発生した水害。堤防やダムなどの治水対策、無論千数百名が亡くなる台風被害が相次いだ昭和中期と比較するならば、我が国防災インフラは非常に整備されたといえます、過去の水準であればこの被害では済まなかったでしょう。ただ、気候変動の影響や海洋水温上昇の影響により台風被害や豪雨被害の脅威は巨大化しています、どう取り組むか。

 防災インフラを更に整備する公共事業再編を行うか、もしくはハザードマップの浸水予想地域には防災強化建築基準等の法整備を行うか、災害重点警戒地域指定のような避難指示を確実に進める法整備が必要となるのではないでしょうか。少なくとも既存の橋梁や水道等の生活インフラ老朽化も進む中、防災インフラと公共事業は社会的命題といえましょう。

 避難所、今回の台風に伴う水害では決壊地点に近い学校など避難場所が水害被害に見舞われる事例が発生しています、無論、ハザードマップには洪水避難所と台風避難所等が分けられているものなのですが、過去には2011年東日本大震災のように避難所被災が多数の犠牲者を出した事例もあり、避難所として用いられ得る体育館や被災者車輌水没は痛ましい。

 避難所については、例えば水害が想定される地域の学校や役場のグラウンドや駐車場をもう少し嵩上げする事が出来ないか、と考えてしまいます。例えば最大規模の水害や暴風被害に耐えられる、沿岸部では高潮被害など、無論津波も想定した、公共シェルターといえるような水準の、高規格の大規模避難施設を真剣に検討する時期が来たようにも思えます。

 広域避難、江東五区の広域避難見送りは結果として正解でした、実施していたならば想像を絶する混乱でしょう。広域避難は上陸時に910hPs規模の台風を想定しているとのことで、今回の台風は935hPs、巨大台風ではありますが広域避難を決断する勢力ではありませんでした。しかし、上陸時910hPsという規模の台風、将来的に想定の必要があるのでしょうか。

 千葉県の防潮扉、いったん閉鎖したならば海側の住宅地を事実上見捨てることになる沿岸部の大型防潮扉は今回閉鎖されることはありませんでした、4m規模の高潮に耐える4.2m級の防潮扉という。広域避難というものは5m規模の高潮を想定していると言うことですので、今回の異常潮位も2mに収まっていましたので、在る意味冷静な判断といえます、が。

 巨大台風について留意せねばならない視点は、今回があれほど脅威度を強調された台風であり、確かに河川氾濫と決壊が相次いだ災害ではあったのですが、東日本大震災や阪神大震災と比肩する被害か、、西日本豪雨災害と比較したとしても感覚は異なるでしょう。台風巨大化、第二室戸台風や伊勢湾台風と勢力で比較するならば、一考の余地があるようにも。

 伊勢湾台風から60年、という本年の台風19号は、しかし台風シーズンの終わりに突如といえる急速な発生と猛烈な成長が不安を感じさせたのも事実です。逆に暴風が猛烈な台風15号と豪雨が記録的な台風19号を経験したことで、台風災害怖れるに足らず、という認識が広がらないか、気象庁はいつも大袈裟、という視点が定着している印象があり、逆に不安を感じてしまいます。

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台風19号と令和元年観艦式:艦艇34隻-航空機40機縮小,護衛艦隊は大阪湾を東へ進路をとる

2019-10-12 20:01:27 | 北大路機関 広報
■台風伊豆半島上陸!東京湾へ
 台風19号、報道によれば伊豆半島に上陸しました、予報よりも西よりの進路となりましたがこのまま東京湾へ向かうとの予報で、暴風豪雨高潮全てに警戒が必要です。

 自衛隊観艦式は台風19号の影響を踏まえ11日、縮小が決定されました。参加艦艇34隻と航空機40機、予定通り14日に安倍総理を観閲官とする。最終的な実施可否は明日午前中に行われますが、台風19号首都圏を通過する残り十時間、大きな被害が発生した場合には観艦式参加艦艇がそのまま災害派遣統合任務部隊海上部隊として任務加入となりましょう。

 伊豆半島に台風19号が上陸、気象庁は一時間ほど前に静岡県伊豆半島へ台風が上陸したと発表しました。伊豆半島下田市や伊東市は満潮時刻を迎えており、今後高潮被害への厳重な警戒が必要となります。高潮被害は台風に低気圧に巻き上げられ上昇した海面が暴風と共に行き場を失い、台風進路上が内陸部だれば暴風を伴い海の壁となり侵攻する災害です。

 大雨特別警報発令、気象庁は静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県、以上一都六県に対し本日1510時に大雨特別警報を発令しました。台風は首都圏にまだ達していませんが、台風に伴う雨雲は猛烈な雨となっており、過去経験の無いような豪雨により激甚被害が及ぶ可能性があるとして、避難所に囚われず命を守る行動を呼びかけた。

 気象庁は1951時、新たに大雨特別警報を、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、へ追加しました。静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県への大雨特別警報は継続して発令されており、一都十県に同時に大雨特別警報が発令されるという、大雨特別警報制度開始以来最も広範囲に発令されたかたちです。外は暗く生命第一の行動が必要だ。

 多摩川が氾濫危険水位に。気象庁は品川区と大田区及び世田谷区と狛江市、横浜市と川崎市に対し警戒を呼び掛けています。既に1540時には調布市の観測所及び東京青梅市と大田区の観測所で氾濫危険水位に達しており、低い土地への警戒を呼び掛けています。多摩川は水量が多く一旦決壊となれば百万人単位の孤立者が生じ、今後数時間は要注意でしょう。

 荒川が氾濫危険水位に、注意を要する報道がありました。これは国土交通省埼玉熊谷観測所で1600時頃に観測したものです。決壊や越水となっていませんが水量が多い為に万一決壊となればさいたま市、川口市等に重大な影響が出るとして注意を呼び掛けています。大雨特別警報発令の地域では今後数時間は、豪雨が続く予報が示され、予断を許しません。

 相模川は城山ダム緊急放流が予定され、相模原市と平塚市と茅ヶ崎市及び厚木市に海老名市や座間市等周辺自治体へ警戒を呼びかけています。城山ダムは総貯水量が6230万tですが歴史的豪雨によりダム貯水量が限界となる為、緊急放流を行いダム決壊を阻止します。ただ、これにより下流の水位が短時間で一気に上昇する為、低地浸水の危険性が生じる。

 下久保ダムの水位上昇、埼玉県と群馬県の境にある下久保ダムでも明日13日0100時にも緊急放流を行う可能性を国土交通省が整備しました、群馬県藤岡市や高崎市等に影響があります。こうした中、自衛隊観艦式参加部隊は周防灘や広島湾、大阪湾や伊勢湾と駿河湾へ台風避泊を行っていましたが、台風災害派遣か観艦式へ、抜錨し東へ進路を取りました。

 あけぼの、ありあけ、紀伊半島南端串本南方海域を1730時に通過し熊野灘へ入りました。観艦式参加部隊は台風避泊地である九州周防灘や大阪湾を続々と抜錨、巨大台風19号を追い立て撃滅するように東への進路を取りつつあります。輸送艦くにさき、紀伊半島田辺沖を1800時、護衛艦はるさめ、掃海母艦うらが、護衛艦あさひ、1500時に、南下しました。

 ちょうかい、1800時に和歌山県御坊市沖を南下、イージス艦に続航しミサイル護衛艦しまかぜ、護衛艦むらさめ、護衛艦いかづち、由良水道を南下しています。大阪湾に台風避泊していた護衛艦はやはり1800時、ミサイル護衛艦はたかぜ先頭に南下に転じ、周防灘に避泊していたイージス艦あたご、は護衛艦ふゆづき、伴い明石海峡を経て大阪湾に入ります。

 こんごう、1830時に明石海峡を通過し大阪湾へ入りました。掃海艇つのしま、なおしま、明石海峡付近で行動を共にしており、一方瀬戸内海小豆島周辺いは掃海艇ちちじま遊弋中です。ヘリコプター搭載護衛艦いずも、11日0030時時点では大阪湾淡路島周辺海域に台風避泊中となっていましたが、現段階ではAIS作動中でなく、現在位置は非開示のまま。

 たかなみ、さみだれ、やまゆき、せとゆき。伊勢湾には1830時時点で護衛艦及び練習艦4隻が台風避泊中となっています。伊勢湾は尤も台風避泊地として適した三河湾が商船により満杯状態となっています。イージス艦みょうこう、観艦式参加部隊ではありませんが1830時に舞鶴基地を若狭湾へ出ています、若狭湾へ台風避泊でしょうか、実任務でしょうか。

 まや、建造中の最新鋭イージス艦は相模湾の小田原沖を遊弋中です。間もなく台風が直撃する海域にはこの他に多くの艦艇が台風避泊中となっていまして、しもきた、あさゆき、輸送艦と護衛艦は現在台風間近の伊豆半島西方海域である沼津沖駿河湾を遊弋しています、自衛艦のほかに、周辺には海上保安庁巡視船しきね、いず、も台風避泊中となっています。

 台風vs観艦式、と表現しましたが、実際問題大きな被害が生じたならば海上自衛隊は即座に災害派遣へ切替えるべく進んでいる事は言うまでもありません。いわば戦後連綿と整備した防災インフラが巨大台風と戦っている構図ですが、自衛隊は政府が防衛力を必要とした際に、必要な部隊を必要な場所へ展開させる事が任務となります。さてその台風ですが。

 高潮被害、今後三時間から五時間で最も警戒しなければならないのは高潮です。台風の進路は伊豆半島を抜け三浦半島近くの湾口から東京湾へ吹き込む形で進行します、この場合は2m規模の高潮が東京湾臨海部で進み、暴風により防潮堤を越える危険性が生じます。また大雨特別警報は継続しており、河口部で高潮により行き場を失った流れが逆流の恐れも。

 955hPs、台風は最盛期に905hPsまで成長しましたが、唯一の楽観要素は勢力を減じている事です。風速は気象庁によれば40m/sであり依然として暴風ではありますが最盛期よりも勢力を減じています。現在位置は大丈夫なのか、退避の必要はあるのか、避難路は安全であるのか、命を守る為の個々人の判断力と経験が問われています。安全を確保してください。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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