高校生の時の友達から「蹴鞠(けまり)の会」をやろうと連絡があった。高校3年の時、日本史の授業で大化の改新(今は乙巳の変ということが多い)を学んだ時、共同でその事件の録音テープを作成した仲間である(徹夜までして)。藤原鎌足と後の天智天皇が密会を行ったとされる伝承から、会の名前としたのだ。
それはともかく。大化の改新は私が真面目に日本史に接した最初の対象であった。
そして、大学生になってからも、梅原猛氏の著作などで日本の古代史に興味をもち、古代の歴史に興味をつのらせていく。
さらに、大学を卒業し就職して、すぐに関西に転勤となった。仕事も営業で大阪、奈良、和歌山に良く行ったものだ。プライベートな時間にも、京都や奈良の寺社仏閣をおとづれた(意味も判らないなりに)。飛鳥も、3-4回行った記憶がある。そこは、日本の寺社仏閣の文化と異質で、様々な不思議な石像や遺跡に出会い驚いた。これは何なんだろうと。
私の関西時代は20歳代後半の時期で、エリクソンの人格形成論によれば、愛、親密性、孤立感の時代と重なる(23歳から34歳くらいの時期)。もちろん、それ以外の年代でも、愛、親密性、孤立感は関係ないこともないが。
ところで、エリクソンはフロイトの影響を多大に受けたそうだが、エリクソンの著作にこの愛について記述がある。
「フロイトはかつて、正常な人間がうまくやることができなければならぬ第一のことは何だと思うか、ときかれたことがある。・・(省略)・・フロイトはたんに、「Lieben und arbeiten(「愛することははたらくこと」)と答えただけであった。・・・(アイデンティティ 金沢文庫179Pより)
なかなウンチクのある言葉であるが、確かに深い意味で愛と仕事は、極めて大切だと思う。私もこの時期、社会人として仕事を覚え始め、結婚という人生のイベントもあった。一見似てない愛と仕事。ただ、愛と仕事には、なにか通じる原理があるように思う。スコット・ペックは愛と訓練を述べて有名だが、愛も仕事も訓練が必要なのは確かに似ている。
さて、天智天皇の乙巳の変は、蘇我石川麻呂と結託し蘇我宗家を葬るクーデターであったが、調べてみると、この事件は天智天皇が20歳の時。また、この年に女帝、持統天皇も誕生する。そして、天智天皇や持統天皇の愛、親密性、孤立感の時代を年表に重ねてみると何かが見えてくる。時代の権力者の息遣い(愛と仕事)である。
飛鳥を想う 1/10