イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

隔たりを越えて見えるもの (爽やかな心 3/10)

2018-07-01 | 第九章「愛」

 昨日は久しぶりに多摩センターの東京都埋蔵文化財センターの主催講座で勉強し展示(平成30年度の)も拝見した。島嶼部の遺跡から見えてくるものは、非常に開かれた私たちの祖先の交易の世界だった。信じられないくらいだが、神津島の黒曜石が海を渡って本土で消費されることが縄文早期からある。弥生時代には光沢の優れ東日本では入手しにくいオオツタノハ貝が、組織的に南の三宅島から本土にもたらされて流通されていた。

 

 遣唐使船でも渡海は大変なリスクがあり、鑑真和尚が命を賭けて日本に来た時は失明していた話は有名であるが、そうした渡海は、日本列島に人が住み着くころから、あるいはアフリカからアラビア半島に渡海して人類が世界に広まる6万年前後くらいからありふれた話のようである。ところで、考古学の世界では遺物を通し祖先の行動が見え、そして思考、情念の世界もうっすらと垣間見られるが、心理学(この場合生き甲斐の心理学)はこの思考・行動・感情のうち感情を特に焦点づけることが多い。考古学ではもっとも不得意とする領域を心理学では注目する。

 さて、今朝、自分なりにこの渡海のような経験を思い出し、感情の意味を外観できればと思いついた。

 1958年私が7歳の時に父のプラント建設の仕事の関係で一年弱南東アラスカのシトカという町に住んだ経験がある。戦後間もないころであり、海外に行くと言っても、英語を勉強するなどの準備もなく、また受け入れ体制などないアラスカ(当時は準州だった)だった。夏休みの後の小学校に編有されたのだが、父に連れられて学校に行き、父が仕事で帰ってしまうと、女教師と私が教室の一角で対面。他の生徒は何やら先生に言われた課題をやっているようだった。女教師が私が会話ができないことを知ると、私の英語能力がどの程度か測ろうとしたのか、赤色の紙や青色の紙を見せて、英語で色が言えるかどうかを優しく訊いてきた。不安の中で、私は、相手が理解できないことを百も承知なうえで、色を日本語で答えた。その時、女教師の顔が輝き、そうかそうかと頷き、今度は立ち上がると教室の子供達に私を紹介し、しかも色紙を私に見せ、何色かを日本語で言えというようだった。私が答えると周りの生徒もそんな私を受け入れてくれるようだった。

 言葉が通じないどうし(部族の言葉が通じない)の交易を沈黙交易というが、私と女教師、そしてクラスの生徒の間には交易する具体的な交易品は無かったけど、温かい感情の交易が成立したようだ。日本の小学校では小学校1年の時に、私は先生の手に噛みついて、温かい感情の交易に失敗していただけに、印象に残る愛の場面だった。

 最後に、爽やかな心を得るための基礎知識をこの事例を中心に少し述べてみよう。まず、私が女教師と向かい合ったときの感情はストレス曲線といわれるものである。ストレス曲線は理想と現実のギャップから生まれる。日本語で話したいという理想があり、話せない現実があった。ストレス曲線は万と表現できる多彩な暗い感情であるが、生き甲斐の心理学では(不安感、怒り、身体症状、ウツ、錯乱)と5つに分ける。それに対し、後で感じたのは温かい感情で幸福曲線と呼ぶ。これは(平安感、友好的感情、健康観、幸福感、統御感)と5つに分ける。自分の感情をこの全部で10のカテゴリーの感情で分類していくと、魑魅魍魎のような感情までも分類でき、何となく自分の中に落ち着きやすくなるようだ。

 もうひとつ、感情には裏表があるようで、不安感がある条件を満たすと平安感にぱっと変わり、怒りが友好的感情、ウツが幸福感に変わるようだ。これは、先ほど定義したように、理想と現実のギャップと考えると、思い描いていた自分の中の理想や現実が変化してギャップが無くなることを意味している。英語がしゃべれなくてもコミュニケートすることができること、今のありのままの自分で大丈夫だと知ったことなのだろう。

 明日は、もう少しこの事例を踏まえて感情の問題を考えて見たい。

爽やかな心 3/10

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