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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

沈黙は金、雄弁は銀の意味・・・今も縄文時代も (5/10 五感と縄文)

2022-06-20 | 第十一章「五感で面白おかしく」

私の縄文小説の原点は7歳の時にアラスカで見たトーテムポールだったかもしれない。両親と妹とシトカの公園を散策していたときに、そびえ立つような古くて塗料が剥がれているトーテムポールの前で一人佇んでいた。恐らく数分のことだったと思うが、静寂の中で見る不思議な造形物は恐ろしい仁王様のようではなく、やさしく微笑んでいるようで、そこでうっとりと包まれるような感覚であった。やがて母が遠くから私を呼んでその場を離れたのだが、その時の不思議な心地よさはなんだったのだろうか。

(船内 1958年)

静寂の中で恐怖を感じるのではなく、優しいまなざしを感じる。これはトーテム信仰とか何とかと言う前に、魂というか信仰というか、人間が長い間に培ってきた世界の把握の仕方の一つの現象なのだと思う。

静寂の中で優しいまなざしを感じる体験は、それからの私に影響を与えたように思う。思春期から青春時代になると一人静かに自分が好きなことをひたすらする楽しむことを覚えるが、静寂や沈黙の意味と関係するかもしれない。そして、これが行き着いた先に2017年に上梓した「縄文小説 森と海と月」がある。その小説の真ん中あたりに「泉のほとりで」という章があるが、この体験があって生まれた物語である。しかし、まだ縄文時代の勉強不足もあり、またU先生の比較宗教学や比較文化論に基づいた欧米の心理学も理解不足もあり、今新たに執筆を始めている。

ところで、静寂とか沈黙の奥行きの理解をふかめることは、自分を他者に上手に伝達することに通じると思う。静寂や沈黙の中に温かさを感じることができると、他者に何かを伝達するときにも温かさを込めることが出来るようになる。沈黙は金、雄弁は銀ということわざ/格言にも通じると思う。

(御射池 2022年)

(神長官守矢史料館 2014年)

5/10 五感と縄文 

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「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

入手方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

 なお、国会図書館、八王子市図書館でも閲覧できます。

2.電子書籍版はアマゾンさんで、1000円で購入できますが、

  Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。 


       森裕行

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