昨日は「短所が長所に変わる」ということを述べたが、教育のもう一つのあり方はその人の「長所を伸ばして短所には目をつぶる」という方法がある。日本ではあれもできないではないか、これもできないではないかと言われるが、アメリカ等ではいいところを伸ばそうとする。そうすれば、その人が自信をもってのびのびと伸びて行ける。
ドイツ語で教育とはErzihungすなわち直訳すると「引き出すこと」であって、日本語の「教えて育てる」という語感とはかなり違っている。ヨーロッパやアメリカで音楽教育を受けて演奏家になる人はその音楽で「何を君はあなたは表現したいか」といわれるといつか聞いた。
ドイツ語のクラスでYさんが「言いたいことが十分にいえるようになりたい」というのはいわゆる発信型のコミュニケーションを目指しているのであろう。確かに発信型の人間の育成は大切なことではあるが、長い間普通の日本人をやってきたのだから、その特徴を生かした言語とか思想があるはずだ。「控えめさ」「受容力」とかの長所を生かしながら、かつ外国人とも互いに理解できるような程度に言語もレベルアップできたらと考えている。