ガンマ関数についてここ2, 3日考えている。ガンマ関数は自然数の n!( n の階乗)の一般化であるが、どういうふうにしてこういう関数をオイラーが考えるようになったのかとかいう点を知りたいと思った。それで私のもっている数学史の本を検索してみたのだが、くわしいことは書かれていない。オイラーが n! の一般化を考えたとは日本語のWikipediaには書かれているが、それ以上のことは書かれていない。
ガンマ関数についての関心が出たのは n 次元の球の体積を求める数学エッセイをいま書いているからである。数学の本には事実については教えてくれるが、それをどういうふうに考えたかとかいうようなことはあまり書かれていない。
どうも数学においては新しい事実が重要であって、それをどのような経緯で、どのような推論から導いたのか、というようなことにはとんと関心がないように思われる。
それで私はいつもいろいろな本を見てみるのだが、どうも私の関心をみたすことができない。数学史とかそのほか数学の啓蒙書等でも索引が欠落した本が多くて、そういうような私の好奇心を満たしてくれるものは少ない。残念である。
ただひとつ、一石 賢『道具としての物理数学』(日本実業出版)のガンマ関数の導入部分がよかった。
今、さっきちょっといろいろな本でガンマ関数について何か書いてないかひろい読みをしたのだが、その中にハイラー/ヴァンアー『解析教程』下(シュプリンガー・ジャパン)のp.106にオイラーは生涯を通じて階乗 0!, 2!, 3!, 4!・・・等を整数でない値に「補間する」ことに生涯関心があったと書いてあった。
それがどういう理由からかはこの書には書かれていなかったが、それでオイラーはガンマ関数を考えたのだということがわかった。