『数学散歩』(国土社,2005)は自費出版本で約100万円くらいかかったが、この文章をいま修正または改訂している。
この本の発行部数は500部であり、150部くらいは友人や知人にさしあげたが、それ以外に出版社も月間雑誌「数学教室」の裏表紙に広告を何か月か掲げてくれたこともあり、結構売れた。その後、国土社は倒産したのでいまは国土社から「数学教室」は発行されていない。
それで私の手元には『数学散歩』の残部は4部であるが、そのうちの1冊は近日中に知人にさし上げるので、残りは3部である。
そのうちの2部は私の持ち物ということで私の赤ペンで修正文が書かれており、売り物にはならない。それで先日から修正版とか改訂版を書いてきたのだ。
全体のエッセイ数は38編である。いま修正を終えたエッセイの数は16であり、残りは12編である。数日の時間があれば、修正ができると思われるエッセイがほとんどであるが、どうやったら修正ができそうか見当がつかないエッセイもある。
この中で二つのエッセイで改訂が難しいと思っているが、一つは「テンソル解析の学習における問題点」というタイトルのエッセイであり、もう一つは「特殊相対性理論入門」である。こちらは図がたくさんあるのでそれが難点であり、内容について難しいところはない。
「テンソル解析」の方は上付きの添字(反変成分)と下付きの添字(共変成分)で表す量を区別して記述をしているのだが、Levi-Civitaの記号のところでその区別をしなくしているところが問題である。
直交座標系を取っている限りはその区別はしなくてもいいので楽なのだが、斜交座標ととるとこの区別が必要になる。
一般相対性理論に入らないで、フラットな空間で話をしている限りは上付き添字と下付き添字の量を区別する必要がないのだが。いつまでもそういう具合にいかないからだ。
(2023.8.5付記) 書いてある内容はあまりきちんとテンソル解析の本には書かれていないことだと思う。この「テンソル解析の学習における問題点」というエッセイは私のお気に入りのエッセイなのだが、その改訂は難しい。