くりこみの意味がK. G. Wilsonによってはっきりしたと、つい先日南部陽一郎さんの「素粒子の発展」を読んで知った。K. G. Wilsonが臨界現象の臨界指数をくりこみ群を使って計算をして、業績をあげてその後ノーベル賞をもらったことを知っているが、彼の業績がそういう意味をもっていたとは思わなかった。
もう40年以上昔にちょっとそれを勉強しようとしたのだが、まったくわかならないままとなってしまった。くりこみ群の提唱者の一人である、Petermenのレビューを読もうとしたのを覚えているが何を言おうとしているかまったくわからなかった。
ごく最近になって、10年前くらいの「数理科学」の記事「くりこみの地平」を読んだが、それはよく分かったとはいえないが、おおよそはわかった。これはHal Tasaki(田崎晴明)さんが筆者の一人に入っていて明確に書かれていた。
この人はなんでも明確に考えるという思考の持ち主で優れた物理学者の一人である。さらにくりこみ群についてHal Tasakiの書いた、「パリティ」の記事もあるようだが、これはまだ読んでいない。
朝永振一郎がくりこみ理論を提唱したときには、彼はまだ本物の理論ではないと思うといっていたが、そうすると「くりこみ理論」も単なる間に合わせの方法だとはもう言えないのだろう。