【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

1次補正は28日提出 29日「昭和の日」に衆参本会議で代表質問か 小沢グループ欠席も

2011年04月20日 06時43分36秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 民主党幹事長の岡田克也さんは自民党幹事長の石原伸晃さんに会い、今年度の第1次補正予算(案)を、政府が国会に、28日(木)に提出することを伝えました。一般会計に限れば、4月中に補正(案)が提出されるのは、政権交代前の麻生内閣が2008年4月27日に提出した平成21年度(2009年度)第1次補正予算(案)以来、国会史上、2度目になります。

 補正予算(案)は通例、提出日に、衆院本会議および参院本会議で財務大臣が財政演説をし、その翌日に、衆院本会議で代表質問、さらに参院本会議で代表質問が行われることになります。そのため、4月29日(金)は昭和の日で祝日ですが、衆院議員、参院議員全員がそろっての本会議で、財政演説に対する各党の党首ないしは政調会長らの代表質問と、菅直人首相野田佳彦財務大臣の答弁があると思われます。同日夕方に衆院予算委員会(中井洽委員長)が開かれ、財務大臣と副大臣から提案理由や補足の説明などを受け、週明けの5月2日(月=平日)から衆院予算委の質疑が始まるのだと思います。そして、5月3~5日の3連休中に審議・討論・採決し、参院に送ると思います。おそらく5月5日(木・祝)か6日(金)から審議入りし、早ければ5月9日(月)にも参院本会議で民主党・自民党・公明党らの賛成で、可決・成立するのではないか、と私は思います。

 休日の国会審議については、自民党、公明党の賛同は得られているようですが、日ごろからヒラバでの審議にふまじめな小沢一郎グループ(一新会、北辰会など)、鳩山由紀夫グループ(政実の会)が欠席する可能性があります。

 国会での休日審議は異例ですが、地方議会では珍しくなく、昨年3月には、東京都議会が予算委員会を土曜日に開きました。これは議会側の第一会派で野党的立場の民主党会派が予算修正案を出したからです。また、市長不信任案をめぐる議会や全員協議会が傍聴しやすい日曜日に設定される(ただし、出直し市長選をにらんだ市長らの政治的かけひきもある)ことはよくあることです。

 ただ、国政選挙が予定されていない2011年の大型連休は、議員が請暇(せいか)を得て、大使館のあっせんなどで、所属する友好議員連盟の国にでかけるのには、都合が良く、むしろスケジュール感がしっかりしている人ほど、そうして当然だと、私は感じますが、ことしの場合はまったく勝手が別。仮に4月29日に本会議が開かれるとして、外国に行っていたり、欠席したりした場合は、放射能不安と余震でいらついている国民のストレス発散の絶好のターゲットになります。今からでも、4月29日の予定は明けておくことを、与野党衆参問わずに、オススメします。

 なお、今後の政治日程については有料ブログ(http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65)でも発信しておりますので、こちらもご参照下さい。

 ちなみに、新聞用語では、例年第1次補正予算案はたんに「補正予算案」と書き、2次補正以降から「2次補正予算案」と書くのが通例となっています。しかし、新聞では「1次補正予算案」と表記されており、当然、これは2次補正予算案が出てくるからということになります。民主党が初めて12ヶ月間にわたって予算執行を預かった平成22年度(2010年度)は補正は1回だけでした。こういったところにも、国難を感じ取ることが出来ます。国難だからこそ、国会はいつも通りに泰然自若と、まあ少しスピードアップするのはいいことですが、いつも通りに泰然自若と審議する姿を見せないといけません。

 私はタイヘンに予算好きなので、1次、2次、3次と補正される今年度の予算審議にワクワクします。不謹慎かもしれませんが。ぜひ、この補正審議を通じて、民主党議員が歳入・歳出両面で、予算を組んでいく力、予算書を読み取る力、一般会計と特別会計の繰入金・繰り出し金、外準や年金などの各種積立金の性質、地方交付税や国庫支出金のあり方、歳出の減額補正と執行停止はどう違うのか・・・などなどを、第1次与党期の成果として、見よう見まねでも身につけて欲しいと思います。赤坂や六本木で会合をやっている時間など1秒たりともありません。