【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【緊急アピール】忘れられた憲法83条を思いだし、日本財政を前に進めよう!

2011年04月27日 11時41分32秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 時事通信の速報メールによると、民間営利企業である「スタンダード&プアーズ社(S&P)」が日本国債を「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたそうです。けっして客観的なものとは思えませんが、新聞記者の経験からすると、「例え誤った情報であっても、声の大きい人間・組織の情報で人は動いてしまう」のは世の習い。

【追記 2011年4月27日午前11時50分】

 スンダード&プアーズの発表はアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変えたというもので、現段階で格下げではなく、今後、格下げする可能性があると指摘したものだとのことです。

【追記おわり】

 さて、第1次補正予算(案)がすでに先週の金曜日に閣議決定していますので、読み込みをすすめており、また、いろいろ楽しみながら調べていたら、日本国憲法の埋もれた条文を見つけました。憲法第7章(第83条から91条)は「財政」編です。そして、憲法第86条は「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」となっています。これにより、予算(案)は内閣が出さなければいけないことになっています。国会の議案(法案、予算案、条約の承認案)などの中で、内閣に提出する権利が限られているものは珍しいですね。だから野党の自民党、みんなの党は「組み替え動議(撤回のうえ編成替えを求める動議)」しかだせず、独自の予算案を議員立法で提出することはできません。後段の「その審議を受け議決を経なければならない」については、明治憲法では、「協賛を受けなければならない」でしたので、格段に、戦後の「国会」は進歩したことになります。

 それはそうと、急いで書かなきゃ。第83条の条文があることにハッと気付いたんです。で、私が使っている判例六法だと、この条文がなにか行政訴訟とかで、取り上げられたことはなく、「忘れられた条文」のようにも思えるけど、今こそ、この条文が大事だと思います。


 日本国憲法第83条

 【財政処理の基本原則】 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。


 とあります。

 別段、菅直人内閣の延命のために、内閣の責任を軽くしようとして、この条文を強調しているのではありません。

 国難の今、日本国政府の財政は、国会の議決、それが最高責任を負うんだという意識を衆参・与野党問わず国会議員全員に持って欲しいです。

 例えば、本来は特別会計はスリム化していくことが、各党の考え方ですが、復興特別会計をつくり、その特会の中で、復興再生債を発行して、償還財源には、税金(増税)を必ず充てることを担保する。

 あるいは、時事放談で藤井裕久さんが「明治37年を思い出せ」と言っていましたが同感。外貨建て日本復興債をつくる。売りに行く平成の高橋是清は、榊原元財務官とか、IMFの専務理事だった杉崎さんなんかどうでしょうか。長期金利のリスク管理を、財務省理財局に押しつけるのは負担です。国会全体が責任を負い、内閣に任せるようにしたらどうでしょうか。

 さらに私が言いいたいのは、まあ、日経新聞をはじめ連日新聞1面で東京電力に関するスキームを載せている記者と編集幹部は恥を知れと言いたいところですが、東京電力の5兆円を越える既発社債ですが、これはこのままにしておくと、将来的に国民負担(税金)で償還するということになりかねません。デフォルトしろとまでは言いませんが、かなり手荒い特別立法ですが、社債を普通株に転換させてしますということも、すぐにキャッシュは出て来ないにしても、将来的な財源になるのではないでしょうか。

 例えば、20兆円とか国債を発行して財源を調達すること自体は、私はかなり楽観的にみています。日銀引き受けなど必要ないでしょう、反対です。とはいえ、長期金利が上がると、言葉は悪いですが「サドンデス・リスク」が上がります。また、そのために、国債整理特別会計の積立金を財務省が持ちたがるのは、「危機管理」「安全保障」としては当然のことだと、私は考えます。ただし、もう少し情報公開ディスクロージャーはしてほしいと思いますが。ですから、やはり、国会全体で責任を負う、ことによって、なるべく効率的にお金を回すように心がけたい。おそらく施行以来、一度も注目されたことがないでしょう。『芦辺憲法』をひもといたら「財政民主主義」という小見出し入れて全部7行だけです。憲法83条の説明。

 ぜひ、国会が法律で責任を取る。そういう姿勢を持って欲しいと思います。いまこそ、憲法83条を見直せ! それが緊急アピールです。

(このエントリーの初投稿から1日ほど、コメント欄を開放します。荒らしがあれば、早めに閉じます)


おめでとう公明党 統一地方選後半戦 1263人全員当選!

2011年04月27日 09時09分27秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 おめでとうございます。

 公明新聞によると、第17回統一地方選後半戦で、公明党公認候補は一般市議選で915人、東京特別区議選で169人、町村議会議員選挙で179人(推薦1人含む)の1263人全員が当選(うち30人は無投票当選)しました。私も、かつて、新進党ということで、旧公明党(Clean Government Party)の全衆院議員および大半の参院議員と同じ政党の党員であり、また地方政党「公明」の地方議員や一部参院議員のみなさんと友好政党であったことから、公明党の完勝はうれしい限りです。

 実は、前半戦では、大阪維新の会の大阪府と横浜市で合計2人の落選者が出てしまいました。しかし、支持母体に限らず、地方議員として「マイ獲得運動」を展開していく中で、多少の取りこぼしが出るのはしかたがないところではないでしょうか。ただし、大阪府本部代表は立派な方ですが、大阪府本部選対の総合選対本部長だった参院議員さんはかねてから民主党に厳しいので、この際身を退かれるという決断もありうるのではないかとも思います。

 公明新聞によると、一般市議選は1991年から6回連続で全員当選。東京特別区議選では、ナント1971年から11回連続全員当選となりました。

 「3・11」以降の公明党の縦のネットワークと横のネットワーク。縦のネットワーク(国会議員-地方議員)と、横のネットワーク(被災地の福島県本部議員の視察+避難先の埼玉県の本部議員の視察)を網の目のように政策要望が出来てくる公明党。まさに「元祖・地域政党」。アタマが下がる思いです。東日本大震災の復興に、公明党の力は欠かせません。

 まさに野党転落後に新しく誕生した、山口那津男代表の下、「立党の精神に立ち返り、大衆の中に飛び込んだ」元祖・地域政党公明党。行動する政策創造集団として平和と福祉の原点に立ち戻っていたことが、「3・11」以降も地域の情報を吸い上げる政策マシーンとして、公明党の存在感はますます高まるばかりです。

 下の動画は、2010年10月2日の第8回公明党全国大会のラストをしめる、山口さんの「勝ちどき」の実にうるわしい声です。聞き惚れます。新進党のころは、旧民社党(民社協会)の(団結)ガンバロー3唱という文化が入り、旧自民党(新生党、新党みらい)、日本新党の議員らも初めて腰に手をやり、ガンバロー3唱をやりました。この文化は、今の民主党にも引き継がれています。公明党は「勝ちどき」に変わったようです。なお、第8回公明党全国大会は、マスコミフルオープンで、私は、開会の相当前から雰囲気を楽しみ、しっかり聞き、閉会後の代表記者会見まで、じっくり公明党を勉強させていただきました。ただ、「勝ちどき」のときに、10年以上ぶりの公明党取材だったので、感覚がなく、カメラ撮影をしていませんでした。なので、静止画で構成しましたが、公明党はフルオープンだったことを強調させていただきたいと思います。

 私が知る限り、戦国武将たちは、勝った後にも、もう1回、「勝ちどき」をやったんだと思います。というわけで、動画の方でも、ぜひ「勝ちどき」をもう1回聞いてみたいと思います。別段、公明党支持者でなくても、元気の出る、山口なつおさんのつややかな声。そして、統率力。それでいて、けっしてトップダウンではなく、むしろかなりボトムアップの力が強く働き、山口代表は騎馬戦の押し合いへし合いの中、絶妙なバランス感覚で代表をしています。

 日本の国を「もう1回」。そして、もう1回・・・新進党で復縁しましょう、とまでは申しません。やはり、システムの違いがありますから、同じ党にはなれないかもしれない。でも、例えば、国政限定で「連立政権」とか、あるいは「政党連合」とか、そういったかたちで、もう1回やれないものでしょうか。私は公明党が好きです。かたちは何であれ、もう1回、新進党の志に立ち戻ろうではありませんか? あの日と同じ澄んだ瞳で。