対照的な二つの島
屋久島と種子島・・・、「えっ、なぜ?」というくらい二つの島はことごとく対照的だった。
まず誰もが気がつくのが、島の形状である。
屋久島がおよそ円形の島なのに対して、種子島は細長い形状をしている。
その上で、屋久島は最高峰1936mの宮之浦岳を筆頭として1000m以上の山が45座以上もあるといういわば山岳島(「洋上のアルプス」と称されている)なのに対して、種子島は最高点が282mという平べったい島である。
その形状を例えると、屋久島は島特産のポンカンを海面に浮かべたような形なのに対して、種子島はこれも島特産の安納芋(サツマイモの類型)を縦に切ってその切面を上にして海に浮かべたような、と言ったら分かり易いと思ったのですが、かえって分かりにくくなったかも・・・。
※ 海岸線に山肌が迫る屋久島の姿です。山裾を走る道路
が細く見えています。
二つの島の産業にも違いがある。
屋久島の主産業は観光だということだ。お世話になったガイドによると島のほとんどは国有地で、民有地は島全体の7%しかないとのこと。これでは農業は成り立たない。
島を一周してみて、ほとんどが断崖絶壁の上を道路が走っていて、海岸沿いにわずかに拓けたところに民家や観光施設が集中しているという感じだった。
一方、種子島は高い山もなく、島全体が畑という感じで低地では稲作が中心のようで、私が訪れたときはちょうど田植えが始まったところだった。少し高いところでは南の島特有のサトウキビ畑も目立っていた。
※ こちらは海岸近くに広がる種子島の水田地帯です。
島の経済状況について詳細は分からないが、私の受けた印象でいうと、現在のところは屋久島の方がやや潤っているのかな、という印象を受けた。
それはおそらく屋久島が1993年に日本初の世界自然遺産として登録されたことが大きかったと思われる。
観光という外からの客を相手にする産業のために背伸びしている部分はあるかと思うが、街全体が明るく活気があるように見えた。
対して種子島は農業が主産業のため外の目を気にすることなく、身の丈にあった街づくりがなされていることも影響していると思われる。しかし、その農業そのものも島の経済を潤沢にするほどのものではないこともなんとなく寂しい印象を与えているように思われた。
それにしても島民の生活は大変だと思った。
二つの島でレンタカーを借りたのだが、レギュラーのガソリン代が153円/㍑だった。札幌の価格がおおよそ115円/㍑の時に・・・。
いろいろな点で対照的な二つの島がガソリン価格については共に高値というのは皮肉な話である…。