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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

屋久島・種子島紀行を振り返る Ⅵ

2010-03-14 19:06:28 | 道外の旅

屋久島一周
 
 断崖絶壁に造られた車一台がようやく通れる細い道。ヤクザルの群れが飛び出してくる山道。快適なドライブが楽しめる海岸通り・・・。変化に富み、さまざまな貌をもった屋久島一周の130kmのドライブはなかなか楽しかった。

        
        ※ スタート地点となった宮之浦地区にある「世界遺産の碑」です。           
 
 屋久島は島の東部地区に住宅や人が集中しており、一方西部地区は断崖絶壁で人を寄せ付けないような地形になっている。
 東部を走っていたときは「さすがに観光が主産業の屋久島だわい。種子島より道路が整備されているぞ」と思いながら走っていた。しかし、人家が途切れた西部地区に入っていくと、徐々に道路が狭くなっていった。初めは「センターラインがなくなったな」と思っていたら、そのうちに道路そのものが極端に狭くなり、車一台が通れるほどの狭さになった。
 曲がりくねった断崖絶壁の道路はいつ対向車が来るかも分からないため、おそらく時速20kmも出ていなかったのではないか。「西部林道」と称されるこの道路はまさに木を切り出すためだけに造られた道路のようであった。

        
        ※ ご覧のように車一台通り抜けるのがやっとの「西部林道」です。           

 さて、この日のドライブは宮之浦地区をスタート&ゴールとして反時計回りに島を一周した。
 まずは宮之浦地区にある世界遺産登録を記念して立てられた「世界遺産の碑」を眺めた後、志戸子(しとこ)地区の「志戸子ガジュマル公園」を覗いた。縦横に枝や根を伸ばすガジュマルが密生している様は奇観であった。

        

        
     ※ ガジュマルの木は枝や根が縦横に広がって奇観を呈していました。

 志戸子地区からしばらく行くと永田地区に出る。ここには5~7月にかけてウミガメが産卵のために上陸するという「永田いなか浜」がある。シーズンオフである。人っ子一人見かけない寂しい砂浜だった。

        
        ※ 夏にウミガメが産卵に上陸する「永田いなか浜」です。

 永田地区を後にすると、もう集落もなくスリリングな道が連続するワインディングロードである(「西部林道」)。昔、北海道の山中を走ったときにこうした道路があったような、なかったような…。途中、ヤクザルが道路を占拠するように群れていて、その脇を恐る恐る通らせてもらった。

        
        ※ 西部林道の路上で出会ったヤクザルの群れです。逃げません。

 西部林道を抜け、ホッとすると間もなく日本の滝100選にも選定されている「大川の滝」に寄った。落差88mの滝は雨で水かさが増していたこともあり豪快に落下する様を間近に見ることができた。

              
        ※ 写真が小さいためにその迫力が伝わらないかもしれませんね。

 その他にも屋久島は「海中温泉」、「タイドプール」、「フルーツガーデン」など見所はたくさんあるのだが、先を急いだこともありそれらをパスし、私が最も見たいと思っていた「千尋 (ぴろ)の滝」に急いだ。山中深く入ったところに滝はあった。こちらは滝の近くまで行くことはできず、遠くから眺める形であったが滝の横に立てかかるように見える400m×200mの巨大な花崗岩の一枚岩が見事だった。

        
        ※ こちらは「千尋の滝」です。左側の一枚岩が見事です。

 途中、オレンジを栽培しているところを通りかかったとき、「シカ柵」(北海道ではシカの食害から畑作物を守るために柵を設けている)ならぬ「サル柵」が設けられていたのは屋久島らしい光景と思えた。

        
     ※ 「シカ柵」ならぬ「サル柵」です。どこでも野生生物と共生は課題です。

 屋久島一周の最後は、環境省が主管する「屋久島世界遺産センター」を見学した。こちらも暇とみえて女子職員が親切に説明してくれた。

        
        ※ 環境省の「世界遺産センター」の正面です。

 こうした屋久島を一周したドライブは楽しくもあったが、何か物足りなさも残った。
 それはやはり人との出会いがなかったからだろう。
 「旅」に何を求めるかは、人それぞれだろう。
 私が一人旅に魅力を感ずるのは、そこに人との出会いを求めるからだ。
 しかし、今回の旅はそうした意味では「ありふれた旅」になっているところがある。
 それは私が旅を急ぎすぎているからだと思うのだが、今回の旅ではいたしかたない面でもある…。