田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

炎の画人「棟方志功展」

2010-03-23 19:10:00 | 札幌(圏)探訪
 大丸百貨店の美術画廊で開催されていた「棟方志功展」を覗いてきた。画廊だけあって一つ一つの作品には売価が表示されている。その高額なことに驚きながら、棟方志功の創り出す棟方ワールドを堪能した。

              
 
 道立近代美術館で開催される絵画展にはほとんど足を運ばない自分だが、棟方志功の作品には触れてみたいと思い大丸百貨店まで足を運んだ。何故足を運んだかというと、彼の手により表現される仏教(仏)を始めとするさまざまな木版画が独特の世界を創り出し、美術などにまるで疎い私までも惹きつけられるからだ。

 大丸百貨店8階の美術画廊はそれほど広くはなく、展示されていた棟方の作品も10数点だった。
 彼は木版画を「板画」と称したそうであるが、そうした板画とともに、倭画(やまとが)も合わせて展示されていた。倭画とは、肉筆による日本画のことで、この言葉も志功自身が創り出した言葉だそうである。
 板画には彩色された作品もあったが、私には白黒の作品の方が素朴さや力強さを感ずることができるように思えるのだが、素人の浅はかさか?

        
        ※ 作品展は当然カメラはNGです。この写真はパンフを複写
         したものです。写真は棟方の代表作の一つ「胸乳の柵」です。

 驚いたのはその売価である。
 展示されていた作品はいずれも百万円を下らぬものばかりだった。
 写真の「北祭の柵」には、5,565,000円の値段が付けられていた。その他にも確か一点は一千万円を超える作品もあったと記憶している。
 版画(板画)ということだから、同じ作品が何枚も出回っていると思うのだが、やはり世に認められた芸術家の作品にはそれくらいの値が付くということなのだろう。

        
        ※ 画廊で5百50万円余の値が付いていた「北祭の柵」です。

 棟方志功のことでは、NHK・TVの彼を追ったドキュメントが思い出される。
 まるで板にへばりつくようにして彫り進める彼の姿から非凡な彼の芸術家魂を見た思いだった。
 それは彼の眼が極端に悪いということだけではなく、対象に対して一心不乱に取り組む姿勢が私には強烈に写ったのだった。
 彼が《板画》について語っている言葉を紹介して、この項を閉じることにする。

  驚いても  オドロキキレナイ
  歓んでも  ヨロコビキレナイ
  悲しんでも カナシミキレナイ
  愛しても  アイシキレナイ

    それが板画です