田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

屋久島・種子島紀行を振り返る Ⅱ

2010-03-10 22:30:54 | 道外の旅

縄文杉との対面を目ざして 前編

 「縄文杉」に対面するために歩き、登り続けること5時間強、その行程は長く、険しい道のりだった・・・。 

 朝4時30分、辺りはまだ真っ暗である。
 依頼したガイドが迎えに来てくれ、朝食と昼食の二つの弁当をザックに詰めていざ出発。
 ガイドの横山氏に導かれて縄文杉を目ざすパーティーは私と滋賀大学の女子学生4人組の5人である。
 ガイドの車で登山口の麓の集落まで30分。そこから登山口までは環境への負荷を軽減するため車両進入禁止の規制が敷かれシャトルバスに乗ってさらに30分。
荒川の登山口に立ったのは5時30分を過ぎていた。辺りはまだまだ闇の世界だ。

 諸準備をし、懐中電灯片手に出発したのは5時50分だった。
 最初はトロッコ道と呼ばれる軌道の中を懐中電灯を照らしながら進んだ。ようやく足下が見えだしたのは6時半過ぎだったろうか。

        
        ※ 荒川登山口をスタートして間もなく、トロッコ道はトンネを潜ります。        

 トロッコ道はもともと屋久島杉を伐採した丸太を輸送する森林軌道だった。屋久杉の伐採が禁止された後は、発電所の保守点検員の輸送や登山客の屎尿処理運搬のために現役で活躍しているそうである。
 トロッコ道は途中から軌道内に登山者用の板が敷かれていて歩きやすかった。途中、崖崩れのために迂回路が用意されていたが、そこの登りがきつく一気に汗が噴き出し始めた。

        
        ※ トロッコ道を行くガイドの横山氏です。トロッコ道の
         周りの杉の木はまだ50年程度の杉です。

 7時近かったろうか、軌道脇に休憩小屋がありようやく朝食となった。冷えたおにぎりも空腹のお腹にはとても旨かった。
 その後、小杉谷集落跡、楠川分かれなどを経て、最初の屋久杉である「三代杉」と対面した。一代目が倒木、二代目が伐採された株の後に生育しておよそ500年経っている杉である。根本を見ると確かに三代目だということを伺わせる跡が残っている。
 比較的淡々としたトロッコ道を約8km、およそ3時間かけて本格的登山が始まる大株歩道入口に着いた。
  
                       
        ※ 三代杉の根元はご覧のように三代の根が重なってい
         るため、異様な太さになっています。

 一緒のパーティーの滋賀大学の女子学生は若者らしく元気だ。ガイドが何を話しても、何を指示しても「ハァ~イ!」という元気な声が返ってくる。
 話をしているうちに彼女らが滋賀大学の教育学部の学生だということが分かった。いわば私の後輩である。全員が4年生でこの春卒業し、それぞれが教職に就く予定で4人で卒業旅行に来ているとのことだった。
 元気が良いのも道理である。彼女らは全員少林寺拳法部の猛女(失礼!)だった。おじさんは彼女らに置いていかれないようにと心を引き締めるのだった。

        
        ※ 同じパーティーを組んだキャピキャピの滋賀大学の女子学生です。

 トロッコ道の終点にはトイレがあり、水飲み場もある。
 トイレを済ませ、ペットボトルに水を入れ、気を引き締めて大株歩道入口に取りついた。
 それは険しい登りの始まりだった・・・。(以下明日に続く)

        
        ※ トロッコ道の鉄橋を渡るときに見た花崗岩の塊です。