縄文杉との対面を目ざして 後編
あこがれの「縄文杉」と対面を果たした後、下山に入った途端に雨がぽつぽつと落ちてきた。そのうち本降りとなり、私たちは雨中の下山となった。
しばし「縄文杉」の前に佇んだ後、昼食を置いたところまで戻り昼食を摂った。
ガイドがお湯を沸かしてくれて、みそ汁を振る舞ってくれたのが嬉しかった。
ところで屋久島のガイドブックには「パワースポット屋久島を歩く」と題して、「世界自然遺産屋久島には、大自然のエネルギーが満ちあふれている。神秘なるパワースポット、屋久島の森を歩こう!」とある。そういえば同行の女子大生の一人が屋久杉に出会う度に、屋久杉に向かって「Give me Power!」と唱えていた。彼女にパワーは与えられたのだろうか?
※ 今回の登山では所々でこうしてヤクジカに出会った。カ
メラを向けても逃げようとしないシカだった。
ゆっくりと昼食を終えた後、下山を開始したのだが空からポツポツと雨が落ちてきた。
本降りにならなければいいが、と思いながら足は自然に速くなっていたようだ。「帰りに撮りましょう」と言っていた「大王杉」も気付かぬまま通過してしまった。雨脚は少しずつ増してくるように感じた。
「ウイルソン株」のところで休憩したとき、下(パンツ)の雨具も履くことにした。
そのうちにとうとう本降りとなり、足下が滑りやすい状況となり、足下に集中しながらの下山となった。
登山道の大株歩道が終わって、トロッコ道の始点のところで小休止したのだが、雨を避けてトイレの中での休憩となってしまった。
※ これはトイレの中で休憩したところではなく、トロッコ道の
途中にあった休憩舎です。
待っても止みそうにない空模様の中、トロッコ道を下り始めた。
今度はあまり足下を気にしなくても良いので、ガイドは沈みがちな私たちのために屋久島に関するクイズを出して気持ちをほぐしてくれる。
休みなく降り続ける雨の中、トロッコ道の軌道の中は雨が溜まり枕木も水の中に埋もれ川の中を歩くような状態のところもあった。しかし、そのような中でも登山用の雨具はその機能を発揮してくれ、身体的には何の苦痛も感じなかった。
※ 雨の中を黙々と歩く私です。
トロッコ道に入ってからは途中、1度の休みを入れただけでゴールの荒川登山口に到着した。時に午後4時20分。往復に要した時間10時間30分だった。
辺りはすでに薄暗くなっていた・・・。
※ 登山口の荒川口に無事辿りついてポーズする5人です。
同行の彼女たちとの唯一の貴重なショットです。
そこからさらに宮之浦の宿まで1時間強、宿に着いたのは6時少し前。辺りはすっかり暗くなっていた。
汗にまみれた身体に風呂の湯は優しく、乾いた喉にビールが心地良かった。
夕食を終え、パソコンに向かっていたら、同行した女子学生が私の所に来て「ブログのタイトル名を教えてほしい」と言ってきた。私が縄文杉のところでブログを投稿しているのを見ていたようだ。
私と彼女らはまったく棲んでいるところは違うけれど、教職を退職した私と、これから教職に就く若者という奇縁を感じる間柄だ。惜しむことなくタイトル名「田舎おじさん札幌を見る!観る!視る!」を教えた。
はたして彼女たちは私のブログを見て、観て、視てくれているだろうか?
※ 荒川口にあったトロッコを牽引する気動車(ジーゼル)です。