田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「命の授業」を聴く

2012-08-07 23:05:13 | 講演・講義・フォーラム等
 話の内容は素晴らしかったのだが…。私にはどうしても講師の話しぶりが鼻についてしかたがなかった。プロの講演家という先入観が私のその思いを増幅させたのかもしれない…。 

 8月6日(月)ちえりあ(札幌市生涯学習センター)ホールにおいて札幌市教育センターが主催する「『命の授業』講演会」があり拝聴してきた。
 夏季休業中の教員の方々に研修の一環として聴いてほしいと主催者の意向のようであったが、会場は必ずしも満員状態ではなかったが、はたして参加率は良かったのか?

             

 講師は元中学校体育教師という腰塚勇人氏という方だった。
 腰塚氏は37歳の時、スキー事故で首を骨折してしまう。寝たきり状態、あるいは車椅子生活になるという危機を、氏の回復したいという強い意志と懸命なリハビリによって不自由な部分は残りつつも四月後に職場復帰を果たす。
 
 その時の体験、その時感じたこと、その時考えたことを氏は全国の人たちに語り伝えようと学校の教員を辞職し、「命の授業」講演家として自立したということだ。
 氏の口からは数々の珠玉の言葉が発せられます。
 例えば、「今までどれくらいの人に命と人生を助けられ、支えられてきたのだろう。それを考えたらたくさんの方の顔を思い出し、心が温かく、優しくなりました。みなさんは私のドリーム(夢)メーカーでした」
 
 さらに氏は人に助けられ、支えられたことから、自らに次の「五つの誓い」を立てたということだ。その「五つの誓い」とは…。
 一つ目は、口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう。
 二つ目は、耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう。
 三つ目は、目は人のよいところを見るために使おう。
 四つ目は、手足は人を助けるために使おう。
 五つ目は、心は人の痛みをわかるために使おう。
というものだった。

             

 氏の口から発せられる一つひとつの言葉は素晴らしかった。しかし…。
 その氏の語り口が何とも私の心の琴線をふるわせてくれないのだ。
 氏は2010年から本格的に講演活動を始めて、年間100回前後の講演をこなしているという。
講演内容は一貫して変わらないはずであるから、その内容はシナリオ化されているようにも思えた。囁くように話したかと思うと、大声で叫ぶ…。演台を離れ、ステージ前面まで進み出て話す。
 極めつけは話をしているうちに氏は目に涙を浮かべ、鼻をすすり始めたのだ。
 確かに辛く厳しい体験だったとは思われるが、なんだか感動を強要されているような気がしてしかたがなかった。
 私にはその内容が素晴らしいのだから、むしろ淡々と語ってくれた方が心の中にじわっーっと感動が広がったと思ったのだが…。