今年夏の道立近代美術館の特別展は日本画家の東山魁夷展が開催されている。美術に関しては“猫に小判”そのものである私であるが、本日(10日)意を決して(というほど大げさなものではないが…)覗いてみることにした。
※ 入口の門のところに掲げられたポスターと近代美術館です。
道立近代美術館の夏の特別展というと、近年は世界各地の古代の発掘物などの展示が多かったのだが、今年は絵画展、しかも日本画展の開催となった。
東山魁夷については、美術に疎い私だが主として青色など単色を基調とした幻想的な絵を描く人として多少の知識はあった。
そこで絵画展になどよほどのことがないかぎり足を向けない私であるが、今回だけはちょっと覗いてみようと思った。
※ 彼の出世作の一つともなった「道」(1950)です。
特別展には東山魁夷の大小の作品80数点が制作時代順に展示されていた。
それを順に追うことによって彼の画風の変化も見て取れるようになっていた。
彼の描く絵のほとんどがそうであるように、風景画において彼独特の世界観を描いていたということができそうだ。
そこに多くの人たちが共感したと思うし、私もまたそうである。
彼はヨーロッパへの憧憬も深かったようだが、1969(昭和44)年、ドイツ、オーストリアを巡り描いた建物などの絵には私はあまり魅力を感じられなかった。
※ 私が最も好きな作品の一つ「冬華」(1964)です。
彼の描く幻想的な風景画を間近に見て「素晴らしい!」と思いつつ、そこから何の広がりも、連想も生まれてこないところが美術に疎い者の悲しさである。
でもまあ、いいーっかぁ…。「素晴らしい!」と思えるだけで十分と思っておこう。
※ 一層の幻想的雰囲気にあふれた「白馬の森」(1972)です。
今回の夏の特別展はいつもと違いゆっくりと観賞することができた。
見る方にとっては有り難いことだが、主催している側はちょっと拍子抜けの感じをしているのではないだろうか?
それほど例年の夏の特別展は作品の前に人が二重、三重となるような大盛況なのだが…。