田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

大雪山 雲の上を往く 4 黒岳編

2012-08-03 23:45:29 | 北海道低山紀行 & Other
 リーダーが提供してくれたポールは私を大いに助けてくれた。その後も私の体は徐々に疲労を増していったが、中岳から、黒岳、そして黒岳からの下山と長い行程が続いたが、なんとか持ちこたえることができたのもポールによるところがかなり大きいように思った。

 
 中岳から移動すること20分。11時45分に北鎮分岐に着いた。

          
          ※ 北鎮分岐の標識です。北鎮岳まで0.4Kmと表示されています。

 この分岐から40分程度で北鎮岳(2244m)を往復できるという。チーフリーダーはその往復を希望する者を募った。私はもちろん希望しなかったが、3人が希望した。
 ガイドのリーダーを含めて4人が北鎮岳を目ざし、他の者は分岐付近の風が強いため風の弱いところまで移動して休憩を取ることになった。

          
          ※ 写真から風の強さを感じることができるでしょうか?          

 北鎮分岐から移動すること15分。雪渓を下り、風が弱くなったところで休憩となった。
 そして10分後、私たちが行動を開始しようとしたところ、驚くことに北鎮岳を目ざした4人が帰ってきた。聞いたところ体力のある4人は走るようにして往復してきたという。私から見ると素晴らしい体力の持ち主たちだ。

          
          ※ 正面に見える円い山が凌雲岳です。

 風が強い。ウィンドブレーカーがバタバタと叩かれる。
 その風のためか、雲が流され見通しがやや良くなってきた。目の前に凌雲岳(2125m)、遠くに目ざす黒岳(1983m)が視界に入ってきた。

          
          ※ 正面遠くに山頂部が台形に見えるのが黒岳山頂です。

 12時30分、御鉢平展望台に着いた。この日最も風が強く感じたが、若い登山者はその強い風の中に佇みながら御鉢平を眺めていたのは若さゆえか?
 私たちはあまりにも風が強かったため写真を撮っただけで早々に御鉢平展望台を後にした。

          
          ※ 御鉢平展望台の標識です。



※ 御鉢平展望台からパノラマ写真でその全貌を撮ってみました。

 御鉢平展望台からは一度下りながら黒岳石室を目ざす。
 下った後は平坦な道、そして緩やかな上りが黒岳石室まで続いていた。
 私の小パーティはCグループなのだが、私の前の女性二人がかなり疲労して送り気味となり、A、Bグルーブとはかなり離れた状態での山行になってきた。
 途中、チングルマ、コザクラなどの花々が群れて咲くところを通り過ぎた。(その写真は明日掲載します)

          
          ※ 先を行くA・Bグループは遠く離れてしまい見えません。

 13時15分、黒岳石室に着いた。ここは石室の宿泊施設やトイレ、ちょっとした売店があり縦走する登山者にとっては一つの目標とするところである。

          
          ※ 登山者が宿泊できる黒岳石室です。

          
          ※ 黒岳石室から望める桂月岳です。

 各自、トイレを使用したり、休みを取ったりして10分後、最後の上りになる黒岳を目ざした。ここの上りはけっこう勾配が急なうえ、石がゴロゴロと転がっている上りである。注意しながら上ること25分、途中から雨が降る中、13時50分黒岳頂上に着いた。
 風雨が強く、写真を撮っただけで皆が頂上を離れて風の弱いところに避難した。
 雨が依然降っていたこともあって、レインウェアの下もそれぞれ身に付けた。

             
             ※ 雨の中の黒岳山頂の標識です。

 黒岳頂上付近でも休んだのは10程度で黒岳7合目に向かっての下りが始まった。下りとはいえ、黒岳の下りは大きな石が積み重なる階段状の下りは膝に大きな負担がかかる下りである。
 私の前の女性たちが下りになると、より慎重となったために先行するグループと離れるために休憩を一度も取らず、1時間15分をかけて7合目にあるリフト乗り場に到着した。

 その後、リフト、ロープウェイを乗り継いで層雲峡温泉に着いた。

 登山を終えて3日が経過した。疲れはかなり取れてきたが、私の体の中ではまだまだその余韻が残り火のように燻っている。
 登山をしているときはいつも辛い思いばかりだが(特に今回の旭岳の上りは辛かった)、登山を終えた後の“達成感”そして心地良い疲れがなんともたまらない。

 登山を終えてホテルに帰り、売店で買い物をしていた時にレジの女性(私よりは一回り以上若い女性)が「いいですね。私は登山をしたいと思っても足腰が弱くて出来ません」と言っていた。
 体力の衰えは感ずるものの、登山ができる体であることに喜びを感じ、これからもできるだけ機会を見つけて登山を楽しみたいと思う。(明日は大雪の美しい高山植物の写真を掲載します)