田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

東アジアのなかの北海道 3

2012-08-09 22:40:57 | 大学公開講座

 講師の徐氏は言う。「当たり前と思わないで下さい」と…。「東アジアのなかの北海道」シリーズ第三講は「台湾から見た北海道」と題して、台北駐日経済文化代表処札幌分処処長の徐瑞湖(ジョ ズイコ)氏のお話を伺った。

 
 駐日代表処札幌分処とは、駐日大使館札幌領事館という立場であるが、ご存じのように日本と台湾の間には現在諸般の事情から正式な外交関係が樹立されていないためこうした名称で呼ばれている。

          

 冒頭の徐氏の言葉「当たり前と思わないで下さい」というのは、賢明な諸氏はすでに推察されたと思うが、台湾人から見ると魅力ある素材に溢れた北海道の現状を当たり前と思わないで、その魅力の活用をもっともっと図ってください、というメッセージである。

 徐氏はまず札幌農学校(現北大)の卒業生の松本通義、新渡戸稲造、松村松年、磯永吉などの名を挙げ、台湾の農業、経済、文化の振興に寄与した数々の事績を紹介し、台湾の開発に多大な貢献をしたと語った。
 ただこれらの事績は日本の植民地時代に占領地政策の一環として行われたことだった。しかし、日本の統治政策が温和だったこと、教育を重視したことなどが台湾人の中に日本に対する怨念の感情を産み出さなかったようだ。

 次に徐氏は台湾と北海道の相似性と補完関係性を指摘した。
 似ている点としては、①島である、②開拓地である、③原住民の存在、④農漁業が主産業である。(但し最近の台湾はIT産業)、⑤近隣に強権国が存在する、ことなどを挙げている。
 補完的な関係性としては、①地理的に比較的遠距離である。②気候が全く違う。③人口(密度)が違う。④物産品が違う、などなどを挙げた。

 そして台湾人の北海道に抱くイメージは一言でいうと「素晴らしい!」という言葉につきるという。その証拠として台湾人の来道数は近年うなぎ上りだという。
 台湾人にとって北海道は四季がはっきりとしており、自然の美に恵まれ、アジアのヨーロッパというイメージで、台湾人の一番行きたい所になっている。
 その他には徐氏は自ら北海道内をくまなく巡った経験をもとに具体的に北海道の良さを次々と挙げた。

 そして徐氏はそのことを「当たり前と思わないで下さい」と私たちに投げかけ、もっと観光促進に努力すべきだと指摘した。
 氏が特にその改善を要すると指摘するのは、行政や企業・業者がもっと現状の改善に力を注ぐべきだと指摘する。

 徐氏の話を聞いた私たち一般市民はどうすべきなのか。当たり前と思わないで、一人ひとりが北海道の魅力を発信することもその一つの方法なのかな、と考えてみた。


 ※ 昨日の投稿で女子レスリングでW金メダルを目撃できるかもしれないと書いたが、そのとおりになって驚いている。私の睡眠不足を心配するコメントもいただいたが、今夜(明日未明)もなでしこジャパンの決勝戦を見守らねばならない。眠いなど言ってはいられない。まだまだ私の至福の時は続きます。