田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

大雪山 雲の上を往く 2 旭岳(北海道低山紀行 25)

2012-08-01 21:12:34 | 北海道低山紀行 & Other
 “きつい!”とは聞いていたが、想像以上だった…。相当な勾配のある斜面が緩むことなく山頂まで続いていた。緑も見えぬガレ場の中、雲が視界を遮り何も見えない中でひたすら登り続けることが一層の疲労感をもたらしたようだ。 

 朝3時30分、ホテルのモーニングコールで起床し、準備に取りかかった。
 朝・昼食の弁当を受け取り、水を水筒に詰め込み、4時30分バスに乗り込んだ。
 目指すは宿泊した層雲峡温泉とは全く反対側の旭岳温泉である。95分かけて移動した。

 旭岳温泉の山麓駅からロープウェイに乗り姿見駅まで上がって、最終的な登山準備を終え、いよいよ登山開始である。この時、時計は6時40分を指していた。
 旭岳は標高2,291mで姿見駅のところが1,600mだから、ここから690mの標高差を登ることになる。

          
          ※ 出発前、姿見駅のところで思い思いに準備するパーティの人たちです。

 ところで今回のパーティだが、私たちのAコース(上級)には22名の参加者があり、4名のリーダーが付いた総計26名のパーティである。その中をさらに小パーティに分け、私はCグループ6名に属した。リーダーは40代と思われる女性リーダーが付いた。

          
          ※ 「姿見の池」まで緩やかな上りの散策路がのびています。

 登山の初めは観光客もスニーカーなどで登る散策路である。散策路の脇には高山植物の一つチングルマの花が終わったものや、イワブクロ(タルマエソエ)が見られた。

          
          ※ チングルマは花の盛りを終えていました。(後ほど花を見ることもできました)

          
          ※ こちらはまだ花を付けていたイワブクロ(タルマエソウ)です。

 15分ほどで姿見の池に到達。周りは雲に覆われて何も見えないが、姿見の池だけはすっきりとした姿を見せていた。

          
          ※ 噴煙をバックに、我が身も映せそうな姿見の池です。          

 午前7時、姿見の池を出発した。晴れていれば旭岳頂上も望めるはずなのだが、何も見えない中で大小の岩が転がる足元を注意しながらの登山が始まった。

          
          ※ いよいよガレ場を登る本格的な登山開始です

 かなりの勾配が続く上りはすぐに三重苦の私の体力を奪っていく。
 一度止まって休みたいな、と思っても集団登山ではそれが許されない。
 登山路の途中に大きなケルンがあった。リーダーによると冬期間など登山路が分からなくなった際には有効な道しるべになるということだった。

          
          ※ 登山路の途中に大きなケルンが積まれていました。

 6合目を過ぎ、7時30分ようやく最初の休みとなりホッとした。
 汗はかいているが、それよりも風が強い。ウィンドブレーカー(レインウェアと兼用)を羽織ることにした。

 10分間の休憩の後、再び行動を開始した。
 7時45分、7合目通過。疲れは一層増して前の人にひたすらついていくのが精いっぱいだった。
 天候が悪いにもかかわらず、たくさんの人が登山していた。親子連れ、友人同士などさまざまだ。やはり北海道一の高山は人々を惹きつけるようだ。

 8時05分、8合目通過。8時25分、9合目通過。なかなか休みのコールがない。つらい!早く休みを!と思っていたところ8時35分、9合目を過ぎてやや行ったところの岩場でようやく2回目の休みとなった。

          
          ※ こうした標識が登る者を励ましてくれます。

 山頂で摂ろうと思っていたバナナをここで頬張り、気分を変えようと思った。
 10分の休憩を取り、再び出発した。リーダーからは「あと少しです」と励まされ、雲の中を進んだ。雲には水分が多く含まれていて、メガネが水分で曇ってしまう。

          
          ※ 頂上が近くなったあたり、ちょっと前を往く人たちがかすんで見えます。

 頂上近くには金庫に似た金庫岩があると聞いていたので、それが見えるのを楽しみにしていたが、それを見ることなく8時50分、周りがまったく見えなかったこともあり「あれっ?」と思う中で山頂に達した。私たちは姿見駅から休憩時間を含めて2時間10分(130分)で山頂に到達したことになる。
 山頂もまた雲の中、周りは何一つ見えなかった…。
 疲労困憊での登頂だったが、ようやく一つの目標達成である。(続きは明日へ)

          
          ※ 山頂に到達し、雲の中で寛ぐ(?)登山者たちです。