講師は講義中に一言もタイトルのような言葉を発せられなかったが、講義を振り返ってみると講師が言いたかったことはこの言葉に凝縮されているのではと私には思えた。
「ほっかいどう学 かでる講座」の第3回講座が道民カレッジ事務局から配信された。第3回の講座の内容は「若者の長所を育てる」と題して札幌国際大学の阿井英二郎教授が講師を務められた。
阿井氏は高校野球部の監督をされていたが、2013年に日本ハムファイターズに請われて1軍ヘッドコーチに就任し3年間勤めた後、退任され現在札幌国際大学で教鞭を執られている方である。
※ 日本ハムコーチ時代の阿井氏です。(右は栗山監督です)
阿井氏はまず、自己の人生に対する満足度の高い人には三つの特徴があると分析した。それは①自己認識力が高く、②意思決定力があり、③働きかける力のある人であるとした。
講義ではこの三つのことについて詳しく説明されたが、そこの部分は省略させていただくとして、阿井氏は「マンダラート」を作成することを勧めた。「マンダラート」とは、今やアメリカ大リーグで最も注目される選手として大活躍している大谷翔平選手が高校生の時にプロ野球8球団から指名されることを目標として立てて、その目標達成のためになすべき目標を曼荼羅状に書き込んだものである。阿井氏は自分自身を冷静に認識したうえで目標を立て、それに向かって努力する(働きかける)ことの大切さを説いたと私は解釈した。そして次の言葉を紹介してくれた。「事実は変えられなくとも、認知は変えることができる」この言葉は、自らをネガティブに見るのではなく、自らをアクティブにとらえて生きていくことの大切さを説いている言葉だと受け止めた。
※ 大谷翔平選手が高校1年の時に作成したマンダラートです。
講義の主題は若者に向けてということだったが、ポジティブに生きる、前向きに生きることの大切さは何も若者だけに必要なことではないはずだ。いくつになっても人生に目標を持ち、ポジティブに生きていくことは大切な人生訓だと改めて教えてもらった思いである。
講義の最後に阿井氏は「インド独立の父」であるマハトマ・ガンジーの言葉を紹介して講義を終えた。その言葉とは…
明日死ぬかのように生きよ。 永遠に生きるかのように学べ。