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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

講座「北の縄文世界と国宝」展ができるまで

2023-09-04 19:47:47 | 北海道・北東北縄文遺跡群関連
 期待していた内容とはちょっと違ったかなぁ…、という思いだったが、博物館の裏側を知るという意味では、ふだんはなかなか聞くことができない博物館関係者のご苦労を垣間見ることができた講座だった。
     
 ※ 購入した図録の表紙です。一見すると昨日掲載したポスターと類似していますが、子細に見ると若干違っています。見比べてみてください。
 昨日、9月3日(日)午後1時30分から、北海道博物館講堂において「『北の縄文世界と国宝』展ができるまで」と題する講座を受講した。
 私は当初、今回の特別展に関して観覧の助けとなるような講座なのでは、と期待していた。しかし実際は「『北の縄文世界と国宝』展ができるまで」という表題どおり、特別展を開催するまでの準備などについて学芸員の方がその舞台裏を語ってくれるものだった。
 講座は北海道博物館の学芸員である鈴木琢也氏、尾曲香織氏、鈴木あすみ氏の三氏が分担して話された。
 学芸員はそれぞれ専門分野があり、日常はそれら専門分野の調査研究、あるいはそのまとめなどに従事しながら、常設展の監修、あるいは博物館主催の講座の講義などを担当されているとのことだった。その上で、特別展の企画、調査研究、外部折衝、展示構成、等々の準備にあたるという。
     
 ※ 図録の一頁ですが、北海道で発掘された国宝の「中空土偶」の写真です。
 今回の「北の縄文世界と国宝」展の場合、2年前に企画が提起されて準備に入ったという。その準備とは大きく分けて◆企画 ◆資料 ◆展示造作 ◆図録 ◆広報などという準備作業があるそうだ。
 これらの準備を今回は主催が「北の縄文世界と国宝展実行委員会」としたことにより、北海道博物館と北海道縄文世界遺産推進室の共同となったために、主として鈴木学芸員などを含め6名の体制で準備を進めたそうだ。
 その準備とは、例えば今回の場合は、資料収集のために道内、北東北の遺跡に関わる博物館等との折衝が大変だったという。鈴木学芸員などは現地博物館との折衝や図録作成のための写真撮影などで、一つの博物館に3度も訪れなければならなかったそうだ。
 また、各博物館等で大切に保管している土偶や土器などの所蔵品を借用するために非常に神経を使いながらの輸送計画を立てなければならなかったと話された。
 一方、会場づくりを担った鈴木学芸員は、会場のレイアウトに苦心したという。観覧者の動線を考え、2案、3案と構想を立て、関係者と協議しながら決めていったそうだ。それが果たして正解だったのかどうか?昨日の投稿で私は若干の疑義を呈したが、しょせんそれは素人の戯言なのかもしれない。
     
  ※ 昨年、私も訪れた千歳市の「キウス周堤墓群」の説明と全景写真です。
 また、尾曲学芸員は会場の展示内容を工夫することに関わったそうだ。どうすれば観覧者が見やすく、また理解が容易になるかを考えながら展示内容を工夫したという。見やすくという上では、特に国宝に関しては光の当て方に工夫を凝らし、影ができないライティングを工夫されたと話していた。
 まだまだ話は多岐にわたったが、メモし切れない部分も多かった。
 準備の一つである「図録」の作成は力作だった。128頁にわたる図録の掲載された土偶や土器などは現地へ赴いて一枚一枚担当者が撮ったものだそうだ。そう考えると貴重である。ふだんこうした類のものを購入しない私だが、今回は特別な思い入れもあり大枚(?)
2,200円をはたいて購入させてもらった。
 ふだんはこうした類のお話を聴く機会が少ない。そうした意味では貴重な講義を聴くことができたと思っている。


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