鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

敗戦の日に寄せて

2006-08-15 23:35:39 | 思いつくまま

 今日は敗戦記念日、世の中では終戦記念日というけれど、まずは「敗戦」があって、戦争が終わったということ、敗戦をしたのだということをきちんと再認識することが大切だと思います。

 アメリカやイギリスにだけ負けたのではなく、中国や東南アジアの国々にも負けたのだということを改めて確認する必要があるのではないでしょうか?

 アメリカには負けたが、中国には負けてはいないという考えの人がまだまだ一杯いるのではないでしょうか。だからアメリカには必要以上に、今になっても卑屈になる一方で中国や朝鮮には依然として居丈高になるという情けない、浅はかな現象はそこから来ているのではないかと考えます。 (今日はこのことはこれ以上深入りはしません。)

 8月15日。

 いつものように街には右翼の害戦車ならぬ街宣車が繰り出し、軍歌をが鳴り立てていました。もうすっかりお馴染みになってしまいましたが。本当に右翼なら、攻め立てる相手が違うのではないかと思うのですが、こちらも強いものにはまかれろ式の情けない体たらく。

 一方では憲法9条改正反対のシュプレヒコールも聞こえました。

  そして朝7時40分、小泉は礼装で靖国神社に参拝しました。公約は守らなければならないといって。公債の30兆円枠の公約は破っても「そんなことはたいしたことではない」と居直っていたあきれた奴が、そんなことをのたまわったのですから、何をかいわんやです。心の問題という私的かつ一般論化した考えで、厚顔無恥、狡賢いことこの上もない。

 まあ、こんなもうすぐ辞める、知性のかけらもない最低の首相なんかどうでもいいのですが、こんな奴に、「英霊」云々の言葉は使って欲しくないと切に思います。戦没者を英霊呼ばわりするから、英霊ということにして真実を隠す、現実を見えなくしているとしか残念ながら思われません。

 一千五厘の赤紙で召集され、戦地に送られ戦死すると「英霊」になる。英霊となって靖国神社に祀られる。本当にそうですか?

 私に言わせると、何が英霊だ!と叫びたい。

 アジア・太平洋戦争で亡くなった人は、310万人とか。うち軍人・軍属は230万人、空襲や原爆等での一般人の死亡者は80万人ということですが、もちろん一般人の犠牲者80万人は英霊でもなく靖国神社にも祀られてはいません。

 靖国神社は、今日の河北新報にもありましたが、「靖国神社は戦死者を追悼する施設ではなく、勝ち戦の戦死者を追悼する施設なのである」(佐藤俊樹・東大助教授)

 一般人の死亡者はもとより負け戦の死亡者=戦死者を追悼する施設ではないということです。我々東北地方の、奥羽越列藩同盟を結び、薩長軍(官軍?)と戦って負けたみちのく武士たちは賊軍呼ばわりされ、戦死しても埋葬さえさせてもらえなかった、もちろん靖国神社などに祀られてはいません。

 つい最近、財団法人日本殉職船員顕彰会が作成したパンフ、「太平洋戦争と戦没船員」(総8Pの小さなものですが)を読む機会があり、船舶(商船・漁船・機帆船)の被害と戦没船員のことを知ることができました。

 それによると、商船の被害は、約2500隻、800万総トンだそうです。漁船や機帆船は4000隻以上だそうです。戦没船員は60608人、20歳未満の人は19048人で全体の31%を占めます。20歳以上30歳未満の人は16601人で、27%となっています。

 軍人の損耗率は、陸軍20%、海軍16%に対し、船員は43%と、軍人を上回る犠牲となっています。商船については、総トン数で60%が潜水艦による攻撃で沈没しています。

 太平洋戦争は、南方の島々を巡る戦いであり、勝敗を決するカギは海上輸送の確保にかかっていたが、海軍は輸送船の護衛にはほとんど目を向けていなかった。貧弱な護衛のため損害は甚大となったということです。

 商船が沈み、船員が死亡したということは、当然その船に載っていた主に陸軍の兵隊も死亡したということになります。資源を運んでの商船もあったし、資源と一緒に兵隊も運んだでしょうし、当然武器弾薬食料も運びました。船と運命をともにした軍人は何と30万人を超えただろうというのです。

 230万人のうち30万人は軍艦ではない商船等に乗っていて、乗せられていて死亡した兵隊ということになります。こういう死に方をした兵隊は、戦死でしょうか、名誉の戦死でしょうか?

 商船や軍艦の沈没により、補給線が断たれたことによる死亡者は150万人から200万人ということです。食料や武器弾薬が補給されないのです。これでどうやって戦えというのですか?

 満足な武器弾薬があっての戦いなら、そういう戦いで死亡した、戦死したというのなら、兵隊として、軍人としてある意味本望でしょう。戦う訓練をさせられてきたのですから。満足な武器弾薬がなくても、それなりの兵器で戦うことができた兵隊は幸せであったといえます。もともと少ない武器弾薬、食料は現地調達が原則という状況で、どうして満足な戦いができますか?精神力で補えますか?

 日本軍には補給、兵站という思想が完全に欠如していたのです。

 しかし、現実にはそういう状況の中で、よく戦ったと思います。よく敢闘したといえます。よく戦っても、消耗していって負ける、勝つことはない、持久戦になれば確実に負ける。精一杯戦ったのならそのあとは捕虜になってもしかたがない、という思想、考えがなかった。なかったのではなく、なくした。捕虜になるということを許さなかった。

 それは「生きて虜囚の辱めを受けず」という「戦陣訓」のためです。登場非出来ならぬ東條英機が作った戦陣訓の教育が徹底したためです。

 だから、もう戦うにも戦うものがなくなっても、投降することができない、捕虜には絶対になるわけにはいかない、逃げなければならない、いつまで続くか分からない逃避行が待っているだけです。

 その結果どうなったか、待っているのは病気や飢えです。結果として戦病死や餓死してしまう。死んでいる兵隊の肉ばかりではなく、生きている兵隊でも殺して人肉を食べるという鬼畜の逃避行となってしまう。ここまで政府や軍の指導者は、現地の兵隊たちを追い詰めてしまったわけです。

 フィリッピンで、ビルマで、インドネシアで何十万の兵隊が死ななくてもいいのに逃げ回ることによって自らを追い詰めていった。待っているのは自決か病死と餓死ばかり。

 全戦死者の70%は餓死したといわれています。餓死ですよ。戦うためにはるかかなたの南洋諸島まで連れてこられて、満足に戦うこともなく逃げ回って、揚げ句には餓死してしまう。これはアメリカ軍の責任ではない。日本軍部の指導者の責任です。それ以外の何ものでもない。

 そして、更にそれらの餓死した兵隊たちはそのまま野ざらしとなり、朽ち果てていった。土に返っていった。本来国の責任において戦没者の遺骨をきちんと収集すべきではないでしょうか?未だに何十万という兵隊が故国に帰れずに異国のジャングルに眠っているのです。これでいいのでしょうか?こんなにも国は無責任なのです。

 この元凶は、繰り返しますが東條英機首相兼陸相です。然るに、この頭だけがいい軍人は自分では自決さえできなかった。捕虜になるな、なるくらいなら自決せよと言っておきながら、自分は自決(とはいいたくないのですが)、自殺さえできなかった。一応は拳銃で自殺を図ったようですが、何と心臓を狙って引き金を引いたというのです。

 自決の仕方さえ知らなかったようです。拳銃の場合はこめかみをねらうこと、歩兵銃の場合は銃口を口に銜えて足で引き金を引くことということさえ分からなかったようです。これが陸軍大将のやることですか。情けなくて、笑ってしまいたいくらいです。戦地での自決した司令官に恥ずかしくないのか。

 東條を初めとして310万人を殺してしまった責任者たちを祀った靖国神社、そこに参拝して、アジア諸国の反対を押し切って、国内にも反対者が一杯いるのに、8月15日に平和を祈るなんて信じられません。バカじゃないかと思います。アホです。こんな総理大臣を持った我々日本人は全く持って恥ずかしい限りです。

 それを支持している人が、まだ40%以上もいるなてことも私には全く信じられません。一体何時までだまされ続ければ目が覚めるのでしょうか?何処がいいのですか?何か国民のためになることをしてきましたか?こんな日本にした元凶は小泉潤一郎です。ブッシュのぽち、番犬、一番許せないのは売国的な行動をしてきたことです。正にアメリカに対する売国奴・小泉、こんな男の何処がいいのでしょうか?いい加減目を覚ませといいたいが、後継者が小泉に輪をかけてたちの悪い安倍ごときではどうしようもない、何でこうも簡単にだまされ続けるのか、あきれを通り越して絶望的にさえなってきます。

 最後に、日本遺族会の皆様方に言いたい。残念ながらあなた方の肉親の死は犬死であったと。きつい言い方ですが、そのことをきちんと見つめた上で遺族会として、二度と戦争をしないような活動をすべきです。よくもまあ我慢できるものであると思います。エンドレスの遺骨収集を国に働きかけるべきなのに、金銭的な補償でお茶を濁してしまっている。とっても残念に思います。

 この頃思っていることをかなり過激に書いてしまいました。このままでいいのでしょうか?もう一度考えて欲しいと思います。

 ここまで読んでくれてありがとうございます。あきれたかもしれませんが、思っていることをかなり正直に書かせてもらいました。

 戦没者に 合掌 


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