おとといきのうと石巻市東日本大震災遺構大川小学校を取り上げてきました。最後に校歌をじっくりと味わってほしいと思います。 タイトルのある校歌なんて珍しいですよ。
しかも歌詞がなんとも雄大です。北上川・日本の子ども・歴史を刻む・太平洋・世界の友と・こころに太陽・未来をひらく 地域を超えて日本に、世界に羽ばたこうとうたっています!
大川小学校 校歌
「未来をひらく」
作詞 富田 博 作曲 曽我 道雄
風かおる 北上川の
青い空 ふるさとの空
さくら咲く 日本の子ども
胸をはれ 大川小学生
みがく知恵 明るい心
くちびるに 歌ひびかせて
われらいま きょうの日の
歴史を 刻む
船がゆく 太平洋の
青い波 寄せてくる波
手をつなぎ 世界の友と
輪をつくれ 大川小学生
はげむわざ 鍛えるからだ
心に太陽 かがやかせ
われらこそ あたらしい
未来を ひらく
「小さな命の意味を考える会」を作りました
楽しく学び、遊んでいた、大好きな大川小学校でたくさんの子どもが犠牲になりました。あの日から私たちはずっと考えています。
子どもたちの小さな命が問いかけているものはなんだろうと。
遺族はもちろん、関心を持っている方すべて
市教委や検証委員会のみなさんも
ずっと考えているのだと思います。
小さな命の問いかける意味は、深く、重い。それに向き合いたいと思います。
何をいつまで、と思うかもしれません。その通りです。時間はどんどん過ぎていくのですから。
警報が鳴り響く寒い校庭で、子どもたちは危険を察し、逃げたがっていて、
それでも先生を信じて、指示をじっと待っていました。
その事実から目を背けてはいけないと思います。
あの日の校庭に目を凝らすことで、何か大切なことが見えてくるはずです。
悲しみは消えることはありません。でも、この悲しみはあの子たちの存在そのものです。
忘れる必要も、乗り越える必要もなく、いつもそばに感じていていいのだと思います。
あの日の校庭もそうでした。多くの人が、このままではいけないと感じています。
誰かが「そっちに行くな」と声をあげなければ。津波が来てからでは遅いのです。
そう考え、このタイミングで会を作りました。
趣旨をご理解いただければと思います。
2013.11.30 代表 佐藤敏郎
佐藤 敏郎さん
■■ 大川小学校の3.11 ■■
宮城県石巻市の大川小学校(2018年閉校)では、東日本大震災の津波によって全校生徒108名中74名の子どもたちと、10名の教員が犠牲になりました。
地震発生の14時46分から、津波が校庭に到達した15時37分までの51分間。
この間、防災無線や市の広報車が繰り返し避難を呼びかけていました。また、校庭裏にはしいたけ栽培の体験学習にも使われていた緩やかな傾斜の山もあります。校庭近くにはスクールバスが待機し、「山に逃げっぺ」と訴える子どももいたといいます。
子どもたちや教員が助かるための情報も手段も時間もあったことが証言として残されていますが、84名の命は助かることができなかったのです。
東日本大震災において、学校管理下でこのような犠牲を出したのは大川小学校だけです。
大川小学校 校歌
「未来をひらく」
作詞 富田 博 作曲 曽我 道雄
風かおる 北上川の
青い空 ふるさとの空
さくら咲く 日本の子ども
胸をはれ 大川小学生
みがく知恵 明るい心
くちびるに 歌ひびかせて
われらいま きょうの日の
歴史を 刻む
船がゆく 太平洋の
青い波 寄せてくる波
手をつなぎ 世界の友と
輪をつくれ 大川小学生
はげむわざ 鍛えるからだ
心に太陽 かがやかせ
われらこそ あたらしい
未来を ひらく