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モノクロームの世界なので久々の椿の花の赤が眩しかった。
年末のテレビ放送を見て…。
会津に生まれ育った私だが恥ずかしい事に、その人の存在を知らなかった。
キング・オブ・シュガーと呼ばれ、日本で初めて角砂糖を作った人だ。
第9代若松市長 板東俘虜(ばんどうふりょ)収容所長 松江豊寿氏の弟にあたる。
明治9年、会津若松市馬場町(現在の中央二丁目)に生まれ
当時の会津中学(現会津高校)を卒業後、
苦学して東京工業学校(現東京工業大学)応用化学科を卒業。
何と、あの野口英世博士と机を並べた仲なのだとは驚いてしまった。
後に大日本製糖に入社し、アメリカのルイジアナ大学に留学・砂糖科を卒業し
技術習得のためヨーロッパにまで足を伸ばし、国際的視野を持ち
31歳で帰国し、日本初の角砂糖の製造に成功した人で
松江春次の銅像は米国支配下の今日でもサイパンに残っている。
南洋興発のサトウキビ農場跡地に作られた「シュガーキング・パーク」に立つ
銅像は大日本帝国の南洋展開の名残りとなっているようだ。
「生来無一物(しょうらいむいちぶつ)」
大戦の戦火が広がる昭和18年、67歳で会社の経営を下りてる。
晩年は「生来無一物」と大書し、サイパンへの郷愁を抱きながら、
酒を酌み交わすことが楽しみで、昭和29年に78歳で永眠した。
角砂糖とは、原料たるグラニュー糖に、純度の高い濃厚な砂糖液を少量加えて混合し
角砂糖成型機に入れて成型・乾燥させたもので
砂糖以外のものは使用していず、糖の精製度が高く匂いがないため
コーヒーや紅茶のように香りを重視する飲料に使用されることが多い。
昔は、コーヒー・紅茶と言えば角砂糖がつきものだったが
最近は、スティックシュガー等の小袋製品が一般的になり、生産量は少なくなってきている。
角砂糖のもとはグラニュー糖なので、他の用途に使うことは何の問題もなく
一粒づつ重さが分かるので、お菓子作りなどには便利なのではないかと思う。
今日は子供らは遊びに出かけていて、夫は年始まわり
ばぁ~ちゃんもショートステイ中なので、一人でのんびり出来た。
ドリップでたてたコーヒーにブランデーを垂らした角砂糖の青い炎で
「カフェ・ロワイヤル」をと思ったが、残念ながらご他聞にもれず我が家にも角砂糖がなく
まして、ブランデーなど飲めるはずもなく単なるブラックで!という事になってしまった。