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「歳の神」または、寒神・幸神・障神・妻神・才神・性神などの呼び名もあり
どれも「さえのかみ・さいのかみ」と読み、道祖神の一種である。
地方によっては、どんど焼きと呼ばれている所もある。
道祖神とは、日本の神話でイザナギノミコトが死んだ妻・イザナミノミコトを思って
黄泉の国に訪ねてみると、イザナミは世にもおぞましい姿になっており
地上まで出てこないよう杖を投げ、その杖から出た神を「さえのかみ」という。
村や地域の境界や道の辻にあり、村に疫病や邪悪なものから守っている。
歳の神の火で焼いた餅やスルメなどを食べると、その年の病気を祓うことが出来ると言われている。
我が地区も、昔から歳の神を行われていて
前もって各家庭のしめ縄やお札・ダルマや風車起き上がり小法師などを
子供会の子供達が集めて、地区のお祭り委員会の人達が作る。
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先週の日曜日に作られていた歳の神を写しておいた。
(青いシートは雪で濡れるのを防ぐ為ようだ…。)
しかし 不景気なのがわかる…昔は歳の神には
ダルマや風車・しめ縄など、色とりどりに飾られて豪華な感じがしていたが
今年は何気に寂しげな歳の神のようだが、青いシートを被せて、今日と言う日を待っていた。
夜の7時を合図に点火された歳の神は、若竹の爆ぜる音と共に勢いよく燃え上がり
近隣の人々が、各自餅やスルメを持って集まり、あちこちで振る舞い酒が配られていた。
子供達は燃え上がる炎の周りを飛び回り、大人たちはあちこちに集まり
新年の挨拶を交わしていた…。
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やがて火力が落ちて、若竹などが真っ赤な炭火になると
長い棒の先に網渡しを取り付けたものに、持って来た餅やスルメをあげて焼き始める。
焼けた餅やスルメを、あちこちの人に配ったりしている人もいた。
一年間の麦病息災を願い、煙で体をあぶる人もいた。
こうして今年も何事もなく平穏無事に暮らせるようにお願いするのだろう。
今はこういう歳の神など、昔からの伝統行事が廃れつつあるのが残念な気がする。