このところ曇り空が続いていますが、やっとレンゲの種子を採種する時間がとれました。去年の秋に種を蒔いて、冬の間成長して、春に花が咲いて、初夏に刈り取りをして黒い小さなサヤ付きの茎や葉を干して、今日ようやく種子を採種しました。レンゲの種はとても小さくて麦のような足踏み脱穀機は使えません。ひたすら「くるり棒」(地方によっては「バタバタ」などと呼ぶ)で叩いて種を落としました。それを何度も選別して種子だけを取り出しました。
乾燥棚で干したレンゲ ひたすらくるリ棒で叩く
干してかさかさになったレンゲの茎や葉を大き目のビニールシートに移します。そして「くるり棒」で乾燥したレンゲをひたすら叩きます。この農具は江戸時代から昭和初期にかけてよく使われた農具です。ソバや麦などの穀物の脱穀にも使われたようです。
干したレンゲの茎や葉をくるり棒で叩き、種子を脱穀
叩いた後、最初は大き目の網で不要な茎や葉を除きます。この段階ではレンゲの小さな種は下の方に落ちているため肉眼ではよく見えません。この除いた茎や葉は捨てないで他の作物の敷き藁として利用します。
大きめの網で一回目の選別
一回目の選別をした後、もう一度くるリ棒で丁寧に叩きます。この段階ではレンゲの黒いサヤがまだたくさんあります。このサヤから種子を落とすように叩きます。たたき終わると二回目の選別をします。そして、より細かい網を使って種子を取り出します。
二回目の選別 細かい網を使って三回目の選別
三回目の選別を終わるとレンゲの種子をちらほら肉眼で確認できるようになります。直径が1mm以下のソラマメの形に似ている種子です。色は黄緑です。
黄緑色のとても小さなレンゲがちらほら散見
この次の選別は唐箕を使います。網と違って風を使って餞別します。唐箕のハンドルを回して風を発生させ、その風の中に細かい網で選別したレンゲの枯れゴミと種子が混ざったものを落とします。するとやや比重の軽い枯れゴミが飛ばされる一方、比重のやや重い種子が直下の管に落ちます。この唐箕を三回程度通してようやくレンゲの種子だけを選別できます。
風を使って選別する唐箕 レンゲ種子だけが赤い箱に落下
選別できたレンゲの種子は、販売品のように品質はよくありません。虫に食われた種子、カビがはえた種子、黒く変色した種子などが混ざっているためです。さらに比重選すれば品質を上げられますがとても手間がかかります。でも種まきすればちゃんと芽が出る種子が7割以上は含まれているので、これで採種終了としました。この種子を9月に同じ田んぼに蒔くつもりです。
採種したレンゲの種子、黄緑色の粒が正常な種子
なお、取り除いたレンゲの枯れた茎や葉などの枯れゴミは他の作物の敷き藁して再利用します。ワラと違って細かいので、作物の周りにとても敷きやすいです。これから熱い夏を向かえて地面を保湿したり雑草を生えにくくするためにも、このレンゲの枯れゴミは最適です。
砂糖大根(ビート)の根元に敷く ナスの根元に敷く