8日、多摩丘陵の自然を守る会の方々が刈り取って干した稲を脱穀する支援をしました。支援と言っても、脱穀機とその脱穀機を動かす発動機を用意することだけです。そして、脱穀機がちゃんと動くようにメンテナンスしたり調整することです。来年私は山口県に帰るので、来年以降はもう脱穀などの支援はできません。多摩丘陵の自然を守る会の脱穀支援は今回が最後になります。
とても古い脱穀機とそれを動かすディーゼル耕運機
毎年のように脱穀を支援してきたのでちょっとさびしい気持ちでした。ちなみに、ここ数年支援したのは、'04/11/10,'05/10/22,'06/10/31,'07/10/23,'08/11/7,'09/11/9,'10/11/10です。このように、毎年支援をしています。高校生や大学生と一緒に脱穀したり、足踏み脱穀機を使ってみたり、縄綯い機を使ってみたこともありました。
乾いた稲を差し込んで脱穀 余分な藁屑は噴出される
今回使用した脱穀機は、去年まで使ってきた脱穀機とは違いさらに古いものです。一番の違いは、これまで使ってきた脱穀機は、籾が自動的に袋に入ります。しかし、今回のものは籾が下に落下するため人がすくって袋に入れなければなりません。このため、とても効率が悪い脱穀機で、昭和初期の機械ではないかと思います。この脱穀機、何年か前に亡くなった古老からいただいたものです。博物館に入れて展示しても良いほどの古い骨董品です。
籾が下に落ちるため、人が籾をすくって袋に入れる超古脱穀機
この脱穀機は数年前まで、大学生達が稲の脱穀機に使っていました。私が立ち会ってメンテナンスしていました。回す動力は、鈴子牧場にある三相交流モーターを使っていました。ただ、だいぶ古くなって土台の板が腐っていますので、もうそんなに永くは使えないと思います。
下に落ちる籾を器に受ける 器に溜まった籾を袋に入れる
明日は、先日稲刈りした小学生達の稲を脱穀する予定です。干してから約一週間程度経つので脱穀できるほど稲が乾燥しています。田んぼから稲を手で運んで、今回と同じ場所で脱穀します。脱穀した籾は精米して来年1月頃に小学校に持っていきます。小学生達はこのお米をおにぎりにして食べます。
積み上げられた稲の山 女性も稲の脱穀に挑戦
脱穀機を回す動力である発動機はディーゼル耕運機を使いました。この耕運機は動力を取り出すことができるので重宝します。昔は一つの発動機であらゆる農業機械を動かしました。私が子供の頃、耕運機から動力を取り出して、荷車,脱穀機,藁カッター,ポンプなどに使っていました。もっと昔は、村に一つだけある発動機を毎日のように使い回していたようです。
そろそろ脱穀終盤、脱穀機の下に落ちた籾を拾い集める
脱穀が終わると大量の藁(ワラ)が出ます。多摩丘陵の自然を守る会では、この藁を毎年のように田んぼにばらまいて冬水田んぼにしています。冬水田んぼの水分で春るまでには藁が腐って分解するようです。この冬水田んぼ、春になるとカエル達の産卵場所になっています。
藁は田んぼの冬水田んぼにばらまく 明日の脱穀に備えシートを被覆