先月から雑穀であるヒエとシコクビエの苗を作っていました。ようやく移植できる大きさに育ったため本畑に移植しました。これらの雑穀は、20年位前に奥多摩や上野原に行った時にその地の古老に種を分けてもらいました。それ以後、毎年春に種子をまいて種子更新していました。更新しないと、種子が老化して芽が出なくなってしまうからです。
育ったヒエの苗 ヒエの苗を本畑に移植
2000年に国際雑穀食シンポジウムに参加した時、お米や麦を食べることができないアレルギーの方々が雑穀を食べているとの話を伺いました。分科会でその方々が、雑穀を安く手に入れたいと切実に訴えていたのを覚えています。アワやキビはまだ栽培している家があり、村おこしの食材として重宝されているようです。しかしながら、ヒエを栽培している農家はとても少ないく今でも手に入れることは難しいと思います。ただし、鳥のえさとしてのヒエは流通していますが。
ヒエの苗を植え終わった畝、大きく育ってくれるでしょうか。
雑穀の中でも、特にシコクビエを食べている方は日本でもきわめて少ないと思います。稲や麦のようにいっせいに成熟せず、だらだらと成熟します。大昔はむしろ、だらだらと穂が出ては実る方が飢饉には向いていたのではないかと思います。現代向きの作物ではありません。手回し製粉してすいとんと団子にして食べてみましたが、パサパサしてあまり美味しくありませんでした。飢饉用の作物ですね。
大きく育ったシコクビエの苗 シコクビエの苗を丁寧に植える
これらの雑穀を知っている人があまりいません。このため、種をまいて芽が出ても、雑草だと思われて芽を抜かれてしまうことがあります。特にシコクビエは雑草(メヒシバ)と見分けがつきません。これらの雑穀の芽を抜かれて悲しい思いをしたことが多々あります。しかし、今年は私しか使わない畑ですので、芽を抜かれてしまうことはありません。今年は種子が少ないため食べるほど栽培できません。今年は来年本格的に栽培するための種子量を確保するための栽培です。
植え付けが終わったシコクビエの苗
ヒエの収穫方法は、ほぼ稲や麦と同じです。しかし、脱穀後の調整は全く違います。ヒエは一度蒸してから殻を取ります。ヒエは粒を食べるためお米のように粒食です。しかし、シコクビエは小麦のように製粉して粉にしますので粉食です。食べるために本格的に栽培するのは来年のことですが、今からどう調整しようかと思っています。
植え付けたヒエの苗 植え付けたシコクビエの苗