棚田跡に生える杉林を左右に見ながら、谷底を通る古道をもくもくと歩き続けました。棚田跡を過ぎると急な登り坂になりました。数十年も放置された古道は、あちらこちらが崩れていました。左右の山肌を見渡しながら古道を見つけては歩きました。しばらく歩くと、天狗堂直下にきました。今回は天狗堂に登らないで、歩けそうに見える古道を行ってみました。谷に沿った山道です。これが苦難の始まりでした。
谷の急斜面に消えた古道を探しつつ慎重に歩く
天狗堂への道はあまりに急峻で、とても古道とは思えません。昔から往来があったは道は窪んできます。しかし、天狗堂への道はただの斜面にしか見えません。おそらく明治時代以降に作られた新しい道ではないかと思います。
ところで、本来の古道と思われる道を歩いて行くと、すぐに道が分からなくなりました。回りを見渡すと数十m先に古道が現われていました。古道を見失ってはまた見つけては歩くの連続でした。崖崩れで古道の何ヵ所もが寸断されていたのです。
棚田跡に生える杉 木々の間を進む 所々が寸断された古道
古道は谷に沿って作られているようでした。谷は大雨や台風で崩れやすいものです。最初は崩れて寸断された古道を容易に発見することができました。しかし、だんだんと古道か獣道か見わけが付きにくくなりました。石垣で補強された古道の箇所がありました。・・・・そのうち道が完全に消えてしまいました。
急斜面の崖を上へ上へと登る やっとこさ尾根道を発見
谷から上を見上げると、尾根らしき頂きの木々から空が見えました。そこで、消えた古道とお別れして上へと登りました。30分位でしょうか、滑り落ちそうな斜面を登りました。あまりに急な斜面は四つ這いになりました。そして、やっと尾根に着きました。そこは、銭壺山から伸びる天狗堂に向かう尾根道でした。やれやれ、道を失うような冒険は若者に限ります。
由宇と日積を結んでいた旧街道跡を歩いて銭壺山に登ったルート