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杉渕学級参観記…その3

2005年06月10日 | 雑記帳
スピードにのって、バリエーションのある活動をこなすのが
杉渕実践の大づかみなとらえだ。
しかし、絶対に見逃せないキーワードがある。
イメージである。

朝の全校活動で、各学年が思い思いに練習しているとき
6年生だけがトーンの違う声を出し始めた。
発声練習も当然あろうが、この声はイメージを重視する姿勢がなければ絶対生まれないと思った。

授業では、たとえば国語の音読場面。
ただはっきりと、ただ速く、ということではなく
「どういう景色か、気持ちか」そうした助言が、さりげなく入れられる。
言葉を大切にするために「間」を使うことも多い。
たとえば、算数の分数の説明。
「通分は、人間関係にたとえる。」
そういう生活と結びつけていくことを大切にしている。

「イメージ豊かな」などと簡単に口にはするが
それは数値化できないものだ。
しかし測ることはできなくても、推量るくらいならできるだろう。
子どもの表情や動き、出てくる言葉や声調、そうしたまるごとの活動を通して
多少なりともキャリアを積んだ教員なら
子どもの持つイメージの豊かさを感じることができると思う。

わずか三時間ほどの参観ではあるが
杉渕学級の子どもたちのイメージする力は鍛えられていると推量った。
国語の短歌の読解で、指名なし発表を聞いていると
自分たちでイメージを広げよう、深めようとしていることがよくわかった。
「なぜこの句を作ったのか、は明日話し合いましょう」
と杉渕先生が打ち切られたとき、明日その時間を見ることができないことを本当に残念だと思った。

スピードとバリエーションを型の指導ととらえてみると
イメージは、その型に「熱」を与えるように思う。
熱があるからこそ、実践は高みを目指して加速していく。