すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

表現力指導のための三つの感覚

2005年09月26日 | 読書
上條晴夫先生をお迎えして、校内研修会を開催した。
テーマは「話す技術・聞く技術と意欲」。
ワークショップを取り入れながらの充実した三時間となった。

導入としてのレクチャーや質疑応答の中で特に心に残ったことを
三つのキーワードの形で自分なりの総括をする。

安心感
「表現教育に、とっても大事なことは安心感である」
上條先生の仰ったこの言葉が強く印象に残った。
クラスメイトや教師に対して安心感を持っていることは
表現をさせていくための一番の条件かもしれない。
その要素をふだんから築いているか。
例えば、show&tellでモノを持つ意味として
視線からの逃れによる安心感というとらえがあったことは得心がいった。
まず、この感覚が問われる。

距離感
具体的な指導の場で大切なことは、
その子が持つ距離感である。
物理的なものでは例えば、学習形態をどうするか、教師が働きかける位置は、
といったことに端的に表れる。
また、活動内容に対しての距離感を予想しておくこともポイントである。
身近な題材からかなり遠いテーマまで、その順序や配列に気を配ることは
対象となる児童を深く見つめることである。

共有感
表現の場では、発表しあったり聞きあったりすることで
内容が反復され、定着していく。
共通の手法を使いながらも、個々の違いにも気づいていく。
「型」の良さまたは窮屈さも感じるかもしれない。
体験型の授業では、終末にそれらを振りかえらせることで、
子どもが共有感を持てたとなれば
それは、集団への授業が成功したととらえていいだろう。

正解はあると思って立ち向かっていく

2005年09月26日 | 読書
いまの社会は、ほとんどの場面で、唯一の正解がなくなっている。それなのに学校教育は、九割方正解はあると思って立ち向かっていく人を育てている。
藤原和博『児童心理 2005.10』(金子書房)

確かに人は「正解」を求めて進んでいくものだ。
だから、そこにたどり着くための方法を、
様々な知識、手法を駆使して教えていくことが必要になる。
そして、正解が複数であったり、正反対の方向にあったりという視点を交えながら、
実は「正解」のありかは、外にはないことを感じさせていくことか…