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縷述~つながる授業 その8

2006年10月27日 | 教育ノート
 先週の金曜日に、上條晴夫先生をお迎えしての研修会を持った。
少人数ながら充実した会だったと思う。参加者の感想をまとめ集約したものとは別に、
自分なりに気づいたことを少し書いてみた。
 来月は、いよいよ野口先生をお迎えできる。
 そこでもきっと、いい学びがあると思う。


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 先週の研修会講師であった上條先生には、前任校でも「話す・聞く」をテーマに職員対象の講話をお願いしたことがありました。そのときに、自分なりに感想を次の三つの視点でまとめました。

       安心感     距離感     共有感 


 今回、5年生を対象として授業をしていただきました。題材は作文であり、音声言語を対象としたもではありませんが、そこで強く配慮されたのもまさしく上の三つではなかったかと思います。

 まず導入の「後出しジャンケン」。これは安心感であることはすぐに分かります。ゲームという形で失敗も楽しむ感覚を提示していきます。さらに、最初はあまり声がでていなかった子どもたちに対して「声が出ていない」とさりげなく注意しますが、次の大声に対しては「うるさい!」とにこやかに反応してみせます。「お笑い」を一つのテーマとしている上條先生ならでは、と感じました。

 何人か気をつけて見ていた児童がいるようで、個別に接するときに、微妙な距離感を量っていることが分りました。ある男子児童に対して、身体を擦り付けるように迫っていって促したりする場面もありました。また、物理的なことだけでなく、活動内容に対する心理的な距離感という面も、時間制限をアバウトにしていることなどに表われているという解釈もできるでしょう。

 共有感はなかなか難しいことですが、冒頭の「協力して」という言葉や終末での「作文の発表のときは盛り上げることが上達の秘訣」といった言葉に、意図が表われている気がしました。さらに今回は個々の文章による振り返りだったのですが、時間があればきっと話し合いや発表が予想されたことを考えると、ふりかえりこそが、共有感の一番のポイントとなっていくとも言ってよいでしょう。
(10/26)