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枠を出る事例に学ぼう

2009年02月18日 | 雑記帳
 教育雑誌をめくっていたら、とても興味深い記事を見つけた。
「新しい学校経営ウォッチング」と題された連載で紹介されている、宮崎県五ヶ瀬町の例である。

 この教委に一昨年就任した教育長の発想やアイデアに惹かれた。
 「小人数にはメリットがある」という点について異論はないだろうが、現実にそこからどんなふうに足を進めていくかは、あまり語られていない。
 私の周辺では、結果として「統合」の二文字だけがちらつき、現状をどう打開するかに目がいかない。つまり、小規模のデメリットをどう克服するか。そのために何をやればいいかが具体的でない。

 自分の経験でいえば、近隣の大規模校に「交流体験」と称して引率し合同の授業をしたこともあるし、地区内での交流的な活動を継続してきたことも確かにある。しかし、何か薄っぺらだった。展望が見いだせない単発的なものだった。

 五ヶ瀬町の取組みはこのあたりを痛切に反省させられる実践例だと思う。
 つまり、小規模であることの一番の強みは、教員配置に恵まれているということ。それを最大限に生かす施策がとられている。
 授業場面として「小人数の効果」「大人数による効果」そしてその間をつなぐ学習のための最適規模が探る研究など、実に興味深い。それを実証的に行うために、スクールバス等の機動力駆使、各種の委員会配置など大胆で驚かされる。(しかし出来ないことではない)

 過疎地、過疎県は従来の発想で行き詰まることは誰の目にも明らかだ。
 しかし実際の動きは鈍い。例えば、従来の発想で組み立てられた学校統合計画等も、多面的総合的な視点から見直して動き出すべきではないか。
 従来の枠にとらわれない様々な事例に学び幅を広げた実践を示すための構想が、まずは新年度へ向けての準備となる。