すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

間、声、顔~M-1

2010年12月27日 | 雑記帳
 今年もM-1を真剣にみた(笑)。
 http://asahi.co.jp/m1gp/
 最終の大会というが、そろそろ潮時という感じもたしかにする。

 それはともかく、今回はなんといっても、スリムクラブに尽きる。

 ネタの不条理さは新鮮だし、なんといってもあの「間」である。
 審査員の松本人志はこう言った。

 「時間がもったいなくないのかなと思いました」  

 4分間の枠の中で次々にネタを繰り出す他のコンビと比べ、明らかに異色だった。しかし、それはそもそもそういう手法があったということを、みんな忘れていたのではないか、とも思わせるものだった。
 かつての漫才は、確かにもっと間があった。
 B&Bや紳竜のあたりから、しゃべくりのテンポが速くなったのだったかなあ、

 さて「間」の威力を考えてみる。

 その空白に様々な想像が行き交うように、設定とやりとりする言葉を位置づけることによって、あれっ何か変でしょ、どういう展開になるわけ、それってありなの、そうきたかあ…等々を、視聴者に存分に提供している。
 とでも言えばいいか。

 もちろんスリムクラブには、その間に加えて真栄田の独特の声質、内間の平凡さ、二人の対照的な顔立ち、対面する角度…なども要素として加わるだろう。
 
 このスタイルはなかなかで、ちょっとはまりそうな予感がする。

 いずれにしても、笑い飯がグランプリに輝いたことに文句をつけるわけではないが、決勝に残った三組がいずれも別ネタだが同パターンでやったことに、M-1自体の限界を感じる。

 つまり、審査員のつける高得点ねらいになってしまったのではないかということである。
 その中で決勝ネタが予選水準と同等かそれ以上だったのは、スリムクラブだけだった。

 と私は思うのだが、それもエンタ以外では初めてみたからという理由だけなのかもしれない。