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キサラギ,角度をかえること

2012年02月01日 | 雑記帳
 「キサラギ」とはよく言ったものである。

 「如月」ではあるけれど,「更衣着(衣更着)」すなわち「寒いので衣を更に重ねて着る」意もあることが,辞書や歳時記などに載っている。
 まさに多くの人が重ね着をしている如月のスタートである。

 北日本を中心に続く先週からの寒波は,連日ニュースになるほどで,本県でも雪に伴う事故やその対策などの報道が絶えない。

 私の住んでいる秋田県南部(かまくらで有名な横手市を抱える盆地)も有数の豪雪地帯である。ここ数日は当然真冬日。本校のスキー教室は昨日猛吹雪の中で実施されたが,そのスキー場も今日はリフトが止まっていると聞いた。

 しかし意外と思われる方もいるだろうが,実は現在の時点では昨年よりも積雪が多いわけではない。ここ羽後町においてはおよそ70cm少ないのである。
 昨年の県南部の雪は凄まじかったのだが,それほど取り上げられなかったのは,やはり局地的だったからだろうか。
 申し訳ない話だが,もし大震災がなければ,昨冬の豪雪がこの辺りの一番困ったニュースだったことは確かであろう。


 さて,それはそれとして,なんだかあっという間の睦月であった。
 新年,正月であり,親しい方々と睦み合う機会を持ったのは嬉しいことだったが,それ以上に少し難しく思う出来事や迷ってしまうことがあったりで,なんだか調子が悪かった。

 今,読んでいるさいちゅうの『夕焼けポスト』(ドリアン助川 宝島社)には,数々の人から「相談」が届くが,思わずそのポストに宛てて,手紙でも書きたい気分だ。

 その本の中で,相談にのり返事を書く主人公の,応えるポイントは唯一つ。

 角度をかえること

 そうやって,我が悩みのの中味を改めて眺めてみると,難しいとひと括りすることでないことだとはっきり認識できる。

 「明確に自分の責任であること」「自分に責任はない,どうしようもないアクシデントのようなこと」「一部には自分が関わっていて,その付き合い方を考えればいいこと」のように。

 つまり,先日読了した『困ってるひと』の「困」の状態に自分を追い込んでしまって,冷静に難儀な出来事を見られなかったわけである。
 物事を抱え込む前に,しっかり判断をつけないと,囲いから出られなくなる…そんな反省をする。

 キサラギ…着ぶくれしない程度に防寒をしながら,角度をかえることを忘れない月にしたい。