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学習形態の工夫,第1ラウンド

2012年02月03日 | 教育ノート
 今週,今年度最後の校内授業研が持たれた。

 「考える声、伝える声、高めあう声の育成」という研究主題のもとに,今年は「学習形態の工夫を通して」という副題を添えた。実質はこの副題に関わる,つまり学習形態の工夫を視点とした授業研究を中心として進めてきた。

 もちろん授業研究の協議会が主たる場となったが、研究主任に前もって頼み,「学習形態の工夫」を入れ込む形で私自身が担当するミニ研修を4回持たせてもらった。

 「学習形態の工夫」を最初に取り上げた回については、構想をメモしてあった。
 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/7ca2950f9eba5d266c45416b41b89f69

 課題として掲げたのは「学習形態の工夫とは、何を研修することなのか」。
 最終的に大きく二つの切り込む視点を提示した。
 「学習形態の設定と変化・転換」を中心にするか、「個別の学習形態の重点化」を中心にするか、見通しを持つためである。

 2回目は、二学期の冒頭にこんな切り口から入った。

 「学習形態の工夫」を疑ってみる

 一学期の研究授業がどうだったということではなく、全般的に感じていたことをこんな表現で表してみた。

 つまり、学習形態を一斉だけではなく、ペア・グループへ変化させたり、個の活動を入れたりする工夫は表面上は出来つつあったが,その形態によってどんな力がつくのかが意識的であったか,計画的であったかを問い直したいと考えた。

 以下の三つの点を示した。

 ○学習のねらいにそった形態なのか
 ○その学習形態にどれだけ慣れているのか
 ○その学習形態にふさわしい場所、時間なのか

 具体的には、ペア・グループ指導の事例が多かったが、要は、自覚的に学習形態を使いこなしているのか、そのための準備に落ちはないのか、といったことを強調した。

 そして、三学期。冬休みの最終日に行った。
 ここでは、「言語活動と学習形態」ということを中心にした。
 「言語活動の充実」が新学習指導要領のキーワードであるのは周知のことだが、実際に今までとの相違を明確にできるのかと問われればやや心許ない。本校が推進している学習形態の工夫という点に結び付けてみれば、案外際立つこともあるのではないかと思った。

 つまり、その形態ではどんな言語活動ができますか、有効ですか、ということ。
 また逆に,ある言語活動をさせるのにその形態は相応しいのですか,ということである。
 「外言活動」としての言語活動を、量的に保障し、質的向上を図るための学習形態,そんなふうに括れるだろうか。

 とすると,一斉で有効な活動,グループやペアでこそ生きる活動…が見えてくるだろう。

 1年間(実質は10カ月程度)を通して、いくつかの収穫はあった。
 ただもう一度,「学習形態の工夫とは,何を研修することなのか」そして「何のために学習形態を工夫するのか」を,俯瞰的にとらえてみないと,結局は小手先の技術論に留まってしまうという思いが強い。

 ともあれ「学習者編成」という意味での学習形態の工夫は、やはり徹底して継続することを決めて取り組むべきと考えられる。
 「一斉⇔個」であっても「グループ中心」であっても、授業という限られた時間の中で子どもの力をジャンプさせるためには、一定期間が必要だと考えている。

 ふらふらしていては、足に力が入らず、強い踏み込みができない。これは学習形態に限らないことだろうが…。
 少し長い第1ラウンドだったが,ポイントはとれただろうか,