すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

重要火急は自分の中に

2021年01月23日 | 雑記帳
 今頃になって「不要不急」の反対語って何だろうかと頭の中に浮かんだ。もちろん意味はわかっているので、この熟語が言われだした当初から行動基準として「必要か」「急ぐことか」と考えてはいるはずだ。しかし四字熟語に慣れてくると、ふと逆は何かと知りたくなった。ネットではかなり前から話題になっていた。



 かいつまむと候補になるのは、次の六つ。「必要緊急」「必要火急」「必要至急」「重要緊急」「重要火急」「重要至急」ということだ。使用された件数の順に並んでいる。必要と重要のニュアンスの差は大事だ。専門の研究者たちの意見もあり興味深い。辞書の世界で高名な飯間浩明氏からは次のツィートがされていた。

 『まあ反対語は固定しなくてもよろしいんですが、「不要不急」と同様、「―の外出」「―の買い物」「―の支出」「―の事業」「―の政策」……などの言い方ができるのが、きれいな反対語と言えるでしょう。「必要緊急」はその点、きれいとは言えます。』


 四字熟語の場合「きれい」に使えるかが一つのポイントになるのでは、という見解は納得できる。ところで、先日紹介した川柳「大発見人生半分不要不急」を思い起こせば、人生の残り半分は「必要緊急」となるのかと考えるが、まあそれは大袈裟か。ただ「必要」または「緊急」なことにはなるはずだと納得する。


 あまりに大雑把だが、必要なのは衣食住。緊急なのは危険回避としてみるか。括ってみれば「生命維持行動」だ。しかし、それは広大な幅を持ち、質も異なり、なんだかレベルがあるような気がする。衣食住そのものに生き甲斐を求める者もいるし、生命の危険を承知の上で冒険に挑む者も、歴史上数多く存在した。


 さらに、不要不急に見える芸術やスポーツにこそ人生の喜びがあるといった正直な思いを吐露する者も多い。結局、一つの物事が、不要か重要か、不急か火急かは他者からは判断できない。社会の目ばかり気にしていて、何の人生ぞと思う。ただし、某大国前大統領のような振る舞いは、甚だ「傲岸不遜」でしかない。