すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

りんごの季節にこんな一冊

2021年10月13日 | 絵本
 昨年、この絵本を目にした時、こういうアイデアもあるのだなと感心した。他の果物や野菜でも出来そうだが「りんご」はぴったりだ。帯の文句がなかなかいい。「つやつや りんごの長い旅 だれも見たことのない りんごの『その後』346日」つまり「変わりゆくりんごの姿をたどる346日の写真記録絵本」である。


『りんご だんだん』(小川忠勝) あすなろ書房 2020.02




 内容の紹介としては、上記のことで十分だ。言葉は「りんご つるつる」の初日から始まり、2ページの「89日」目の「りんご じーっと」に続き、表面上の変化から徐々に中味が朽ちていくまで、「りんご ○○○○」が主パターンで、後半に登場する虫によって変化をつける形。そして「おなかいっぱい」でオチがつく。


 1ページずつ、じっくりと写真を見せていくことしか留意点はない。最後の30,31ページは変化の一覧が載っている。実はこの絵本もPPTでやろうと思うので、ここは機器を使って工夫した方が面白いだろう。多人数の読み聞かせにおいて、見せるべき箇所をきちんと見せることは基本だし、そのための技術活用だ。


 さて、「りんご」というと昔から結構「」になっているものが多い。また歌詞としてはかの吉田拓郎の歌も印象深い。まど・みちおの詩もいいが、個人的には山村暮鳥の教科書に載った「りんご」が何となく好きだし、授業もしているはずだ。秋にふさわしい。

両手をどんなに
大きく 大きく
ひろげても
かかえきれない この気持ち
りんごが一つ
日あたりに転がっている