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桜と絵本と豆乳と

マイクを握る者へ問う

2021年10月23日 | 雑記帳
 この頃あまり雑誌に手が伸びない。好奇心の衰えか。定期的にいくつか届くのでそれで間に合わせている自分を少し俯瞰している。ところで、雑誌の魅力とは玉石混交というか種々雑多な面にあるのは言うまでもなく、手元にある一冊も中身をそういう眼でみると面白い。ふと思ったのは「SDGs」と「ちゃぶ台返し」



 教育を扱っている冊子で、一つは「ESD(持続可能な開発のための教育)とは何か」をテーマにしている。当然SDGsの教育現場での具現化を目指す方向である。「節約やリサイクルやフードマイレージの重要性」を説くことが強調される。この消費社会を変えていくためには、そうあるべき、進めるべきと思う。


 ところが、もう一つの論考を読み、少し考えてしまう。それは「ちゃぶ台返しをするための哲学のススメ」というテーマだ。ちゃぶ台返しと言えば、私の世代なら漫画『巨人の星』の星一徹、またはドラマ『寺内貫太郎一家』の小林亜星に代表されるシーンが思い浮かぶ。もちろんここでは比喩として使われている。


 SDGsといっても広範囲かつ多様なアプローチがあるわけだが、総体として継続的な運動といったイメージの中にある。その意味で、ちゃぶ台返しにある根本的で、急激な動きを伴うようなアクションと折り合うのかという疑問が浮かぶ。つまり共通するのは「当たり前への疑い」だが、次の一歩をどう踏み出すか


 カテゴリーの違いと片付けず、自ら口にする時の行動指針を問おう。日常的な積み重ねはむろん必要だが、根本的な部分を変えないままに進行させていて、この行き詰まった社会は打開できるのか。SDGsに限らず変革、改善を説く者に今問うべきは、貴方はどんな大きさのちゃぶ台返しができますか、という点だ。