百醜千拙草

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教育問題を論じるには教養不足か?

2007-08-30 | Weblog
先週の美人コンテスト、ミスティーンUSAでの18歳のミスサウスカロライナの出場者の発言が話題になっています。一般アメリカ人の教育レベルが低いのはアメリカ以外の国では常識ですが、そのアメリカ人からもあきれられた程だったので、彼女は一瞬にしてYouTubeでスターとなり、三大TVネット局の一つのTodayショーに出演し、新聞にも取り上げられました。話題になっているのは、パジェントでのインタビューコーナーで、「調査によると、5人に1人のアメリカ人は、地図上でどこにアメリカがあるかわからないらしいですが、それはなぜだと思いますか」との質問に対しての返答なのです。この女の子は、この一般アメリカ人の教育レベルの低さの問題をどう思うかという問いかけに対し、「アメリカ人の5人に1人が地図上でアメリカの位置を示すことができない理由は、その辺のアメリカ人は地図を持っていないからだと思う」と答えた上に、どういう発想なのか、地図がないのは(あるいは教育レベルが低いのは)南アフリカやイラクみたいだと示唆した挙げ句、明るい未来を築くためには、アメリカは南アフリカとかイラクとかアジアの教育を援助するべきだと全く筋違いの結論をしています。YouTubeで実際しゃべっているのを聞くとその尻滅裂ぶりがよりいっそう味わえます。アメリカ人の地理知識の乏しさを一例としてアメリカの教育問題を訊かれているのに、「地図を持っていないから」と答えたのがウケ狙いなら大したものですが、話している様子をみると、どう見ても天然がそのままこぼれ出しただけのようです。おまけに、普通の論理でいくとこの問題を解決するには、アメリカ人に地図を配布しましょうという結論になるのに、どういうわけか南アフリカ、イラクやアジアの教育をアメリカが援助するべきだという結論にいってしまいました。しかもアメリカよりずっと教育レベルの高い南アフリカや多くのアジアの国々の教育を、教育レベルが低くて問題になっているアメリカが助けるといったのですから、こういうのを何というのでしょう、病膏肓というか、つける薬がないというか、曰く言い難しです。こういう若い子供を見ていると、教育というのは大切だなあとつくづく思います。彼女は大学に進学するらしいですが、18歳でこのレベルなのですから、大学教育が彼女にとって多少でも何かの足しになるのか疑問に感じざるを得ません。はっきり言って、こういうレベルの人がアメリカ人の平均であれば、私はアメリカ人と意思疎通できる自信がありません。さわらぬ神に祟り無し、桑原桑原、という気分になります。アメリカは民主主義ですから、このレベルの人が多数派であれば、とんでもない意見が通ってしまったりする可能性もあるわけです。チャーチルが民主主義は最悪だ(ただし、その他の政治形態よりはまし)と言った所以でしょう。最初は人ごとのように、はははと笑ってみていたのですが、しばらくしてから、ひょっとしたら教育問題というのは、実は本当に深刻なのではないかとちょっと暗い気分になってしまったのでした。(Todayショーで彼女は、あれは舞台であがってしまって尻滅裂になっただけで、自分はアメリカがどこにあるのかはちゃんと知っていると弁解していました)
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