百醜千拙草

何とかやっています

みっともないことこの上なし

2007-09-13 | Weblog
ブッシュが大統領になり、イラクへの泥沼の言いがかり戦争を始め、日本の自民党が追従し、ブッシュが再選され、小泉前首相を安倍氏が引き継ぎ、、、この6、7年、世の中は悪い方向へ一直線でした。悪い方に行くと最初から帰趨がわかっていながら、彼らが政治代表として選ばれていき、数々の悪政が実現されているのを見るたび、どこまで悪くなるのだろうという亡失とした感覚とともに、「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、、、」と呟いたものです。昨年のアメリカでの民主党の勝利あたりから、少しずつ状況が改善しつつある様子が見えはじめました。そしてアメリカ追従路線で日本の社会を改悪した小泉前首相の路線を引き継いだものの、官僚の相次ぐスキャンダルとリーダーシップのなさを発揮して、辞めることになった安倍首相。このタイミングでの安倍首相の辞意表明を見ても、この人は最後の最後まで無能の人だったなあとため息がでます。温室育ちのボンボンと好意的に(?)見る人もいますが、首相としてはあまりに情けない。日本が見えていないだけでなく、自軍も見えておらず、将として腹を切る時期を逃した挙げ句の最悪の辞め方です。無責任一代男、時間給で働くアルバイト感覚で政治家をやっていたのでしょうか。プロフェッショナルの辞めかたでも侍の辞め方でもありません。 直木三十五の小説、南国太平記の中で、死に急ごうとする主人公、小太郎に、叡山の怪僧、義観が説教する場面があります。
「生とは、徒らの生でなく、死とは、徒らに、犬死することではないぞ。死とは、自棄自暴して、生を断つことではなく、永劫の命、来世の生のために、喜んで赴くの心だ。死の覚悟とは、絶望しての覚悟でなく、十方を通貫して、転変自在の意じゃ。内外打成一片にして、善なく、悪無し。千刀万剣を、唯一心に具足して、死生を超越す。これが、士の、剣客の、生死の覚悟じゃ。痛まず、悩まず、悲しまず、変ぜず、驚かず、これ、剣客の心じゃ。それに、何んぞや、父の墓参? わしへの礼? 左様の世上凡俗の習慣を、訣別の大事と心得ているようで、生死を越えての覚悟がついておると思うか? 死の覚悟とは、心を極め、天命を知り、一切有為世界の諸欲を棄て、天地微塵となるとも、いささかも、変動しない、この心が、剣刃上の悟りではないかムム剣刃上を行き、氷稜上を走る、階梯を渉らず、懸崖に手を撒す、この危い境地をくぐって、小太郎、この四明の上に於て、まさに、剣刃上を行き、懸崖を走りながら、未だ、世上煩悩を棄てきれぬか」
自分がつらくなってきたから楽になるために辞めるという自己中心的な安倍首相の辞め方は、みっともないことこの上ないです。これでこの人は政治家としては終わりでしょうが、本当にその辺もわかっているのでしょうか?わかっていたらこんな辞め方はしなかったのではとも思いますが。
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