百醜千拙草

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米民主党の惨敗、影の権力-高級官僚

2010-11-05 | Weblog
火曜日のアメリカ中間選挙、予想通り、オバマ民主党の惨敗となりました。下院は共和党に過半数を握られ、上下院ねじれ議会となってしまいました。下院、House speakerはナンシー ペローシに代わって、共和党のジョン ベーナーになる予定です。ちょうど、ブッシュの二期目の中間選挙と逆のことがおこったことになります。つまり、そのころから国の窮状は国民が期待するほどには変化していないということでしょう。共和党の今回の規模の議席増加は、半世紀ぶりとのこと。カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツといった民主党が極めて強い州(Blue states)は、苦戦しながらも民主党候補を当選させましたが、前回、オバマに期待して民主党に入れた(本来は保守的キリスト教白人の多い共和党支持の)中部、西部の州は、オバマに失望して、逆向けに振れ、もとの共和党支持州に逆戻りしました。共和党は議会の2/3には達していないので、大統領拒否権を上書きするだけの力はありませんが、これから共和党がコントロールすることになる下院で、共和党が強硬に反対してきたヘルスケアリフォームなどの廃止法案などが出されることになるでしょう。拒否権で二年はしのげるでしょうが、多分、二年後のオバマの再選はこの調子だと苦しいような気がします。(共和党の対立候補にもよるとは思います。マッケーンはもう一度出てくるのでしょうか?)ブッシュの時は二期目の中間選挙で民主党が大勝して、ねじれとなりましたが、もう二期目であったし、イラク戦争というブッシュの目的は果たしたので、ブッシュ自身ももうどうでもよいという感じでした。しかし、今回、オバマはまだ一期目、二年後の大統領選がかかっていますから、支持率回復のために、なにかやらかすかも知れません。オバマはオイル会社を持っているわけではないですので、ブッシュのように個人の利益のために自ら戦争を仕掛けることはないとは思うのですけど、支持率の上昇のためにはかなり劇的なことが必要だとは思っているでしょうから、ちょっと心配です。いずれにせよ、オバマ政権の運命は、アメリカ国内の経済にかかっています。偶然でも何でも、この二年で経済が上向きになってくれたら、オバマは再選、ダメなら政権交代ですね。

さて、日本の話。1000人近くが集まった大規模のデモであったにもかかわらず、日本のマスコミは一切報道しなかった10/24日の「検察 検審を糾弾するデモ」について、スイスの大学教授が記事にされていることを知りました。ジュネーブ大学で日本史を教えるPierre Francois Souyri教授が「Reseau Asie」のEditorialに寄稿した「日本の高級官僚あるいは影の権力」という記事の一部を紹介します。これが普通の人の感覚だと思います。( http://www.reseau-asie.com/edito-en/reseau-asie-s-editorial/senior-civil-service-japan-souyri/  拙訳、御免ください)

(前略)
このケース(政治的意図をもった検察の小沢氏への捜査)は、日本政府の中での明らかなシフトを示している。 仮に汚職容疑の政治家であるにしても、制限無しに個人の捜査を始めたり、最初の捜査で何ら信頼できる証拠も見つからなかったのに良心の呵責も無く再捜査したりするようなことが、どうして、検察はできるのか?なぜ、新聞やメディアは、裏付けの捜査をしようともせず、捜査レポーターとしての職務を果たすことなく、検察がリークする言い分を(無批判に)まき散らすのか?

当局や検察に対する大メディアの上層部の奴隷根性に嫌気がさして、ジャーナリストはますます主流メディアをはなれ、ブログやビデオを通じたインターネットのメディアへと移行しつつある。このように抵抗勢力は徐々に力を得て、(大量のゴミにマスメディアをもじった)"マスゴミ"を非難し、ファシストである検察に対して拳を振り上げるようになっている。インターネットだけで計画された検察当局に対する糾弾のデモが10月24日に行われ、類似のイベントも計画されている。独裁主義の危険を批判し「地検にストップをかける」ための行動は、正式なボイコット(意味?)にもかかわらず、拡大していくと思われる。

小沢氏が北京と東京との関係の修復を望んでいた一方で、カン内閣が中国との関係を更に悪くし、恥知らずにも、アメリカのネオコン(新保守主義)よりのポジションを取ろうとする時や、民主党のある大臣が、自衛隊を正式な軍隊に変え、核兵器不所持の原則見直しの可能性に言及する時に、アメリカがおおっぴらにカン支持を示してきたことは驚くに価しない。 中国や近隣諸国との緊張関係と予測不可能な北朝鮮政府の行動を伴って、国家主義者の長靴の音が極東に再び響き始めようとしている今、日本国民は、再度、市民としての自由、表現の自由、地域の平和のための政策を守る意志を示し、声を上げていくことが急務である。


まさにその通りだと思います。日本の民主主義のために、害務大臣、官房狸を追放し、空きカンはくずかごに!
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