百醜千拙草

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憲法改悪反対

2013-07-26 | Weblog
参院選での自公与党の大勝は気の滅入る事件でした。つい3日前もフクシマ原発第三号基で蒸気の発生がおこり(湯気発生の3号機5階 最大2170ミリシーベルト計測 福島第一)、関東、東北での空間線量が上昇するという事件がありました。原発事故という日本の将来の破滅がかかっている事態が、収束の見込みもなく進行中であるのに、原発推進、原発輸出、をいう自民党が圧勝するキチガイ沙汰でした。加えて、アベ氏らの言動を見ていると、歴史は繰り返すといいますが、世の中、だんだんと戦前の不穏な空気の匂い(実際には知りませんが)がしてきます。
アベ氏や軍事オタクと呼ばれる目つきのおかしい幹事長らは、憲法改変し、国防軍とやらを持って、正式に戦争ができるような体制にしたい、と思っているようです。何のためにでしょうか?
日本には既に、自衛隊という専守防衛のための軍隊が存在しています。ですから軍隊を持つことそのものは目的ではないし、防衛力をつけることも目的ではないと言えるでしょう。彼らの目的は、即ち、戦争放棄をうたった憲法を変えて、戦争ができるようにしたい、ということですが、その動機は何なのかということです。
 一つは、「正式に軍隊を持って戦争ができるようにしておかないと大変だ(そうしないと中国が攻めて来る、攻めてこられて防戦しかできないのでは不安だ)」という恐怖感ではないか、想像します。戦争ができないと不安で、戦争ができる軍隊を持っていれば安心だ、その不安感から、ライナスが毛布を欲しがるように、憲法を変えたい、そう思っているのではないかと思います。軍事オタクに関しては、ひょっとしたら、折角、軍があるのだから使ってみたい、ぐらいに考えているのかも知れません。
 もう一つの理由は、(かつての)アメリカの意図を忖度した官僚からの指令でしょう。繰り返しになりますが、国防が目的なら、国を守るための自衛隊という軍隊は既に存在しており、国を守るという目的のためならば、憲法を変える必要はありません。憲法が変われば、何が良いのか、それは、日本軍が(アメリカの手先となって)ブッシュドクトリンとかのイカサマ理論で武装して、無関係の国に先制攻撃をかけ侵攻して人殺しすることが、日本の国家の政策として正式に正当化できる、ということでしょう。
 そして、アベ氏や軍事オタクや「中国が攻めて来るから武装しなければ」と思っている連中に、共通して欠けているものは、思うに「想像力」です。アリゾナの無線コントロール室からゲーム感覚で無人飛行機を飛ばして、アフガニスタンの民家を爆撃するアメリカ軍兵、うっかり、一般市民を殺しても、「ああ、また、やっちゃった」と、遠隔ビデオのスイッチを切って、その後はウチに帰って、ビールを一杯飲んで、イヤなことは忘れてしまうような連中、アベ氏や軍事オタクは戦争をそういうレベルで考えているのでしょう。生身の人間を傷つけて流れる血や痛み、自分の子供をいきなり爆撃機で吹き飛ばされて殺される苦しみ、そういったものをリアルに想像できる能力に欠けているのだろうと思います。
 更に、彼らには、常識と判断力と理解力が欠けており、憲法の存在理由を理解できないので「軍隊があるのにどうして戦争できないのだ」と文句を言って憲法を変えようとし、日本が二院制民主主義というシステムをなぜ取っているか理解できないので「ねじれがあるから政策が通らない」とねじれそのものが悪いもののように文句を言うのです。

また、一方で、国民のレベル以上の政治家は出てこない、と言います。参院選で自民が圧勝したということは、国民のレベルはアベ氏程度だということなのかも知れません。
 憲法改変に関連して、昨年の衆院選のころ、「日本が9条を変えて戦争のできる軍隊を持ち、徴兵制を導入したら、私は孫を連れて日本を出て行く」と、湯川れい子さんが発言し、それに対して、ネットで批判的なコメントが大量についているのを、最近、私は発見して、どんよりしてしました。おそらく、戦争はコンピュータゲームぐらいでしか知らず、戦場で人を殺したり殺されたりということがどういうことかリアルに想像できない戦争を知らない時代の人々でしょう。アベ氏とか軍事オタクもその世代です。戦争になっても死ぬのは自分や自分の子供ではないと思っているのでしょう。「軍隊をもたずに、中国や朝鮮が攻めて来たら、どうやって国を守るのだ」というのが多い反応ですが、この手の反応をする人は、軍隊を持っていても、原発が54基も林立している日本では、国を守る術はないとは思わないのですかね。原発一基でも破壊されたら日本は十分終わるでしょう。ミサイル迎撃システムなどSFに過ぎないのはもう隠せなくなっています。中国でも北朝鮮でも、日本を本気で攻撃する気になれば、原発めがけて数発ミサイルを打ち込めば、それまでです。核兵器など必要ありません。国防軍など何の役にも立ちません。もう1つは、「中国や朝鮮が攻めて来たら」という発想そのものです。恐怖をあおって相手をコントロールする方法は、いわゆる抑止力や外交の手段として使われます。「中国が尖閣諸島に上陸して、それから日本本土に攻め上がってくる、大変だ」とか思わせられた時点で、これは、すでに相手の手の内でしょう。現代の人間にとって「恐怖」は、益よりも遥かに害が多いのです。中国であれ、どこであれ、どこかの国なりテロリストが本気で日本を潰してやろうとと考えているなら、防ぐ手段はないと私は思います。軍隊は仕返しをする手段ぐらいにしかなりません。
 もう1つの論調は、「自前で軍隊をもって自衛しない独立国はないのだから、日本も普通の国になるべきだ」という日本人的発想でしょう。湯川れい子さんが、戦争のできる軍隊を持ったら日本を出て行く、というの発言に、「では、軍隊のない国へ行け」という短絡的な発想のコメントも多かったのです。日本には既に軍隊が存在してますから、湯川さんの発言はそこではなく、日本が憲法を変えて堂々と戦争ができる国になった場合に日本の政体はそれを賢く使うだけの知恵をもっていない、ということを危惧しているのではないでしょうか。北朝鮮よりも危険な国、それがアベ氏や軍事オタクが変えようとする日本なのです。なぜなら、北朝鮮は自分が弱いことを知っていますが、アベ氏や軍事オタクは日本が軍隊を持てば強くなるとでも勘違いしているフシが見えるからです。
 日本が9条のおかげで戦後に得た利益は、もし軍隊を持って普通の国であった場合に比べて遥かに大きいと思います。そのおかげて、日本は普通の国よりもずっと良い国であったのに、これからは普通の国なみにダウングレードしたい、つまり、普通である方が普通以上の国であるよりも大切だ、と思う人が多くなったようです。日本は自衛隊という軍隊をすでに持っています。それを「兵は不祥の器」として積極的な戦争に参加できないように縛って来たのが9条であり、このシステムが戦後日本に与えた平和は動かしがたいものです。国勢の衰えつつあるアメリカのかつての思惑は、日本にアメリカの代わりに戦争という汚い仕事をしてもらいたいということでしょう。かつては、日本が正式な軍隊を持てば、アメリカ兵の代わりに日本兵に人殺しをしたりテロリストに殺されたりしてもらおう、というアメリカの軍事産業側の算段があったのは間違いないと思います。ところが、アメリカ軍事産業も力を失いつつあり、政府も財政破綻してアメリカ軍への予算も相当額削られ、戦争ビジネスからフェードアウトしようとしている動きが強くなってきました。そんな中で、常識と判断力と想像力に欠けるアベ氏や軍事オタクは、今でもアメリカが、日本が戦争に参加することを望んでいる、と勘違いしているようです。アメリカやアジア諸国にとってみれば、原爆にすぐ使えるプルトニウムを大量に保有する日本が、戦争ができる軍隊を持ったら、核武装化しかねない、しかも指揮をとるのが、常識と判断力に欠けるアベ氏のような人間だという状況をみて、警戒しないわけがありません。それが、オバマのアベ氏に対する再三の冷たい仕打ちに表れているのではないでしょうか。しかし、そこまでされても、アベ氏は事情がわかってかわからずか、迷彩服を着て戦闘機ヘルメットをかぶって親指を立ててみたりというバカをさらし続けるのです。

最後に憲法改変に関して、二つリンクしたいと思います。是非、ご一読ください。

一つは、反響をよんでいるジブリの小冊子、「熱風」7月号のへの憲法改変に関する記事です。緊急PDF配信ということで8月20日まで無料ダウンロードができます。無断転載を禁じているので、内容のコピーはしませんけど、宮崎駿さんの現自民党の改憲派の連中への意見は私が共有するものです。

もう一つは、豊橋いのちと未来を守る会のウェッブサイトで公開されている「ちゃんと知らなきゃ大変だっ」というマンガで自民党の改憲の危険さをしています。

東京新聞のこのマンガの紹介記事:

マンガで読む「改憲」 福島からの避難者ら作成、ネットで反響
 2013年7月24日 東京新聞 朝刊

自民党の改憲草案を分かりやすく解説したマンガがインターネットにアップされ、アクセス数がわずか一カ月弱で五万四千件を超え、関心を呼んでいる。作成したのは、脱原発や環境問題に取り組む市民グループ「豊橋いのちと未来を守る会」(愛知県豊橋市)。自民党が圧勝した参院選の結果を受け「自民党案が何を意味しているのか、知らないのは危険。若い人たちに読んでほしい」と訴えている。 (原尚子)

マンガのタイトルは「ちゃんと知らなきゃ大変だっ!!」。福島県郡山市から母子で避難している西田奈加子さん(40)が作画を、東京から避難中のグラフィックデザイナー渡辺亜希子さん(37)が編集を担当した。

昨年十二月の政権交代後、二人は原発推進や九条改憲の流れが強まっていることに危機感を抱く。草案について調べるうちに猛省した。「こんなに恐ろしいことを、なぜ今まで知らなかったのか」

自民党案は「国防軍」の保持を明記。現行憲法が国会議員や公務員だけに憲法擁護の義務を課すのに対し「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」との条文を新設するなど、国民の負う責任や義務を強める。国民の権利に関しても「公益及び公の秩序に反してはならない」などと制約する。、、、

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