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擁壁の上は御蔵山で、道路下は日野氏の荘園があった由緒ある地。
親鸞の生まれた誕生院や、安産、授乳、子授けにご利益があるとされ乳薬師と呼ばれる法界寺(日野薬師)がある。
30年前は日野の里そのものの里山風だったのに、あれよあれよと言う間に宅地造成がなされ、道路ができ、擁壁が立って家ばかりの新興住宅地になった。
道路下には谷筋から流れてきた細い日野川がある。
道路標識に書かれているのは日野道。
昨今の異常気象による大雨があったりした日には、大水害が起きないとも限らない。
垂直の擁壁上に住む気分はどんなものだろう。
そうして谷筋に住む人はこれまたどんな気分か、などと散歩しながら思ったりする。
水害だけは御免被りたい私は山筋の中腹に住んでいる。
歩道脇にイヌツゲと思われる低い生垣があった。
暖冬だから新芽がもう出ていて、赤いのは紅葉ではなく枯れる途中と思われる。
土木工事が始まった頃から、定点観察的に画像を撮っておいたら、今の世の急激な推移がわかっただろうにと、今更ながら思ったりする。