茶畑の木は弓形トリマーで刈り上げられ背の低い生垣状態。
均一だから見ようによっては青虫の行進、あるいは青い列車の操車場のようだ。
この景色はよく見るのに、茶摘み作業をしているのは見たことがない。
茶摘みの時季になると、茶摘みアルバイトを募集するとかで、やったことがあるという人も以前知り合いにいた。
籠に摘んできた葉を車の荷台から受け取る係をやったという臨時雇いさんから聞いた話では、摘み子(パートおばさん)の性格がよく分かるそうだ。
中の茶葉を見るだけで丁寧だったり粗かったり手早かったりゆっくりだったりが一目瞭然なのだと。
寒冷紗が引っ張られて茶畑全体を覆うと陰気な景色になる。
この人工的な緑がトリミングされるときの香りにはいつか出会いたい。